千代田区立昌平小学校4年 星を見る会 (2001/02/28)

屋上校庭で星を見る生徒と保護者たち

 東京に春一番の吹いた2月28日、東京の中でも最も明るい街といえる秋葉原の電気街の中にある、千代田区立昌平小学校4年生のPTAの方からのご依頼で、「星を見る会」のお手伝いをしてきました。

 天気予報では夜から雨。出かける時には空は一面の雲に覆われていましたが、気象衛星ひまわりの画像をみると、ちょうど18:00ごろ東京を通過しそうな雲の切れ間が・・・。この切れ間にかけよう!と、機材を積み込んで秋葉原に向かいました。

 仕事でもプライベートでも良く足を運ぶ秋葉原ですが、こんな場所に小学校が?というような、電気街から一歩路地を入ったところに学校がありました。会場となる「校庭」がある6階は、ガラス張りの電動スライディングルーフ(!)のあるとても立派な屋上です。

 到着した時はまだ夕焼けの残る17:00ごろ。教頭先生とお会いして「晴れますかねぇ」などと話しをしながら広い屋上のどまん中に望遠鏡をセット。だんだんと日が暮れていくとともに、電気街のネオンがともりだし、南側の窓からは電気店「L○○X」のどでかい白い看板のあかりが煌々と輝いています。屋上の電気はついていないのに、十分足もとが見える(笑)。

千代田区立昌平小学校の入っている複合施設
「昌平童夢館」

木星と土星ははじめて望遠鏡を見る人には大人気

生徒より保護者の方が楽しんでいた?(笑)

 今回は、4年生の生徒と保護者の方あわせて約80人の方がいらっしゃいました。空が暗くなるまでの間、生徒達は4階の理科室で先生の話しを聞いていました。数人の保護者の方が屋上にいらして空を見上げること数分。「あ、月!」薄雲の間から月が顔を出しました。とりあえず望遠鏡を向けて見てもらう。そうこうしているうち、どんどん雲が切れてきました。「そろそろ生徒呼びましょうか。」電話で理科室に連絡して、生徒達が屋上に昇ってきて一気ににぎやかに。

 最初は薄雲を通した月が、ときどき通過する低い雲に遮られながら見える状態でしたが、少しずつ高い雲も切れはじめ、金星・木星・土星・シリウス・カペラ・・・と次々に星が姿を現しました。望遠鏡を覗くのははじめて!という方がほとんどで、月の表面の模様や、金星の三日月のように尖った輝き、木星の縞模様・そしてかわいらしい土星の輪と、フルコースで見ていただくことができました。南の空にはオリオン座の三ツ星も見えていましたから、2等星くらいまでは見えていたことになりますね。

 子供たちからは「見えた〜」という単純な感動や、「かわいい」「きれい」という女の子、「なんで今日はこんなに星がたくさん見えるの?」と素朴な疑問を問いかける男の子など反応も様々です。ビルにはさまれた都会では、ほんとうはこんなにたくさん星があるんだ。ということも知られていないんですよね。

 保護者の方からも「こんなに見えるとは思わなかった!」という声をたくさん聞かせていただきました。今回はPTAの企画ということで、保護者の方の熱意で実現したとのこと。うれしい限りです。

 19:00には解散となり、三々五々保護者に連れられて帰宅する子供たちと挨拶をかわしながら、小学校を後にしました。またこのような企画がありましたら、是非声をかけていただきたいと思っています。今回はすばらしい会を催していただき、ありがとうございました!。

 最後に、今回お伺いしてから聞いた話しなのですが、この会を企画するに当たって地元の望遠鏡販売店2店にも協力の申し入れをしたそうです。でも、どちらからも良い回答は無かったのだそうです。今の望遠鏡業界はほんとうに物を売る気があるのでしょうか・・・。ここにあえて付け加えておきたいと思います。