ゴールデンウイーク直前の満月となる、4月26日(金)の明け方(25日の深夜)の西の空で、昨年6月4日以来約1年ぶりとなる部分月食が見られます。
左写真:2011年12月10日の皆既月食の様子 クリックするとそのときの様子を見ることができます。

●月食はどうしておこるの?

 月食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、2012年5月21日には、本州で見られるものとしては129年ぶりとなる金環日食がありました。 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。
 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。最近日本で見られた月食は2012年6月4日の部分月食がありました。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。
 その天球上を移動している月が、ちょうど太陽の反対側を通過するときに月食が起こります。ですから、月食は必ず満月の日に起こります。また、月食の中でも皆既月食と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。

●今回の月食について

 今回の月食は、日本からは明け方日の出前に西の空に沈む月が地球の影に隠されはじめ、九州以西を除いては月食の途中で地平線に沈んでいきます

 今回の月食の起こる時間は下の表の通りです。下の画像は東京での月の欠け方のシミュレーション画像です(月没後の様子の進行もシミュレートしています)。他の地方でも、時間と欠けかたはおなじように見られますが関東以北では、本影食が始まる前に月が沈んでしまいます下の表の右に各地での月没の時刻を書いてありますので、参考にしてください。また、本影食が始まるおよそ30分くらい前から、肉眼でも月の一部が暗くなって見える半影食の様子も見ることができます

2013年4月26日(金)朝(25日(木)深夜)の月食の主な現象の時刻(日本時間)

半影食のはじまり

3時01分

※下記参照 札幌の月没 4時34分
東京の月没 4時54分
大阪の月没 5時13分
福岡の月没 5時32分
那覇の月没 5時57分

本影食のはじまり

4時51分

月が地球の影に入りはじめる

食の最大(2.0%)

5時07分

月が地球の影に最も入り込む

本影食のおわり

5時23分

月全体が地球の影から抜ける

半影食のおわり

7時13分

※下記参照
※半影食とは、太陽の光の一部だけが地球に遮られることにより、月が少し暗くなる影のことを言います。半影食のはじめのうちと終わりの方では、あまり変化は見られませんが、本影食の前後30分くらいの間は、望遠鏡や双眼鏡で見ると、一部が影って薄暗くなっているのがわかります。

2013年4月26日の月食の様子
中央の円は、月の位置に於ける地球の影を示しています。
月自体が西から東(右から左)に移動するは、月の公転により起こるものです。
背景の星が西から東(右から左)移動して見えるのは、地球の公転により影が移動することにより起こります。
背景の星の位置は東京での様子をシミュレーションしています。
日本国内でも、場所によって位置関係が少しずつ異なります

 今回の月食は、日の出とほぼ同時に西の空に沈む月が地球に隠される部分月食で、太陽と地球・月の位置関係が解りやすいことが、大きな特徴です。太陽の光に照らされた月に、私たちの立っている地球の影が投影されていることをイメージしながら月食を楽しむと、宇宙を立体的に感じることができると思います。

●コラム● 日食や月食の予測はいつごろから?

 古代から、日食や月食などの現象は天変地異の前触れとして人々に恐れられていたり、また日食の後に太陽の輝きが戻ることで、復活を意味する現象として捉えられることもありました。例えば、古事記や日本書紀に現れる天照大神の岩戸隠れの伝説は、皆既日食によるものだと言う説があります。また、キリスト教の新約聖書のルカによる福音書23章44節にある太陽の光が暗くなったという記述も、日食に関係するものだと考えられています。このように、日食のような天文現象を宗教的な意味に結びつけ、その予測をすることで信仰を広めたという史実は世界各地にあります。
 このような日食や月食に周期的な法則があることは、実は紀元前6世紀ごろから知られていたようです。「サロス周期」と呼ばれるこの法則は、18年+10日ごとに日食や月食が起こるというものです。しかし、この法則を科学的に解明して正確に予測することができるようになったのは、地動説以後の18世紀になってからです。その後、サロス周期は地球と月の公転周期および軌道の傾きと歪みの関係により起こることが証明され、さらに地球の自転に関係する8時間分を追加すると、かなり高い精度で予測ができることがわかりました。

サロス周期についてより詳しく知りたい方は、Wikipedia 日本語 英語 (英語のほうがより詳細に記述があります)によくまとめられていますので、是非参照してください。

 現在は、天体観測技術の向上により、日食も月食も物理的な計算で予測することができ、将来100年程度までは、秒単位まで正確な予報を出すことができるようになりました。それでも、先日の大地震のような地球内部の変化による自転速度の変化や、地球や月の公転軌道の累積的な変化により、秒単位でのずれが発生します。

●どこで、どうやって見える?

 今回の月食は、月が西の空に沈みながら地球の影に隠されるので、なるべく長く月食を見るためには、西の空が地平線近くまで開けた場所で観測すると良いでしょう。木立の少ない山の上や海岸はもちろん、西側に大きく開けたマンションのベランダなどからも見ることができるはずです。

東京での4月26日の月食の様子のシミュレーション
より北の地域ではもう少し低い空で月食が起こり、西の地方では高い空で起こります。
背景の星は、朝焼けが進むと時間とともに少しずつ見えなくなっていきます。

双眼鏡や望遠鏡を使って見たときの月食の見え方のシミュレーション

FZ-750GFP等7倍クラスの双眼鏡で見た場合

ポルタA80Mf等、50倍の望遠鏡で見た場合

 月食は、肉眼でも十分に楽しめる現象ですが、双眼鏡や望遠鏡を使うと、欠けはじめる直前の月の縁の様子など、微細な変化を楽しむことができます。是非この機会にお買い求めいただき、宇宙で繰り広げられる天体ドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

 また、満月ごろの月は、大口径の望遠鏡で見ると非常にまぶしいため、ムーングラスを使って減光すると、長時間継続して観測することができます。各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、この機会に是非お求めください。

 もちろん、望遠鏡にカメラやデジカメ・ビデオカメラなどを取りつけて撮影することもできます。月や惑星を撮影するときに使用しているカメラアダプタ等がそのまま使用できますから、この機会に是非チャレンジしてみてはいかがでしょう。

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