2/5 フィラデルフィア市内観光

 昨日は帰りが遅かったので、今日は少しゆっくり目の朝にしました。宿と友人の部屋の中間くらいのところにあるカフェで待ち合わせ。ホテルの電話回線の都合でインターネットに接続できなかったため、今日は回線を使わせてもらえるカフェに行くことにしました。

 途中で今晩コンサートが行われるフィラデルフィア管弦楽団の本拠地Academy of Music Ballの前を通る。ブロードウェイに面した建物は写真で見たことがある重厚な建物。反対側にはCity Hallが見えます。

Academy of Music Ballは、現在建設中の新しいホールが完成すると解体される予定とのこと。私は最初に買ったレコードがフィラデルフィアのものだったり、その後もこのオーケストラのレコードやCDを数多く買っているファンでもあるので、今日ここでほんもののAcademyでほんものの演奏が聞けることをとても楽しみにしています。

 回線を貸してくれるカフェで1時間ほどノートパソコンを広げて作業をしていると、一人の紳士が話し掛けてきた。私たちが使っているパソコンに興味があるようで、いろいろな質問をしていました。

 ちょうどお昼時でカフェにはいろいろな人が訪れています。写真はカフェから見たStreetの様子です。今日は一日良い天気になりそうです。

 フィラデルフィアの街は碁盤の目のように道路で区切られていて、東西方向にウォーターフロントから1st. 2nd. 3rd.の順に番号がふられ、南北方向にStreetごとに木の名前がつけられています。たとえば私の泊まっていたB&Bは18th Pine St. インターネットをしていたカフェは11th Walnut St.という感じ。

 今日はアメリカ合衆国誕生の地として公園として整備されているIndependence National Histlic Park( インディペンデンス国立歴史公園)を中心に歩いてみることにします。

 Walnut St.をウォーターフロントに向かって歩いていくと、左手ノーマン・ロックウェル美術館の入っていた立派なビルが見えてきます。中はごらんのような吹き抜けになっており、噴水もあったりしてとてもきれいです。

 ビルを出ると公園の中に入っていきます。まず見えてきたのが独立記念館。1776年に独立宣言が採択された場所です。左手にきフィラデルフィアが首都であった1790年から1800年まで国会が開かれていた国会議事堂もあります。

 独立記念館を回りこむと、小さなガラス張りの建物があり、この中に「Liberty Bell」と呼ばれる自由の象徴として保存されている鐘があります。もともとは独立記念館の塔の中にあり、1846年まで実際に使用されてきましたが、大きな亀裂が入ってしまったため、現在は鐘としては使用されていません。

 右下はアメリカで2番目の銀行の建物。

 この地区を歩くと、昔からの貴重な建物がそのままに残されています。下は1770年に立てられたカーペンターズ・ホール(写真左下)。イギリスからの独立のために開かれた第一回大陸会議や、戦争中の病院としても使われたことのある建物です。この付近の建物に掲揚されているアメリカ国旗は、現在の星条旗の部分の星が独立当時の円形に並べられた形をしています。

 国立公園のインフォメーションセンターで帰国のみやげ物を探していると、あの有名なゲーム「モノポリー」の国立公園版というのを発見(^_^)。一番高い値段のついていたのはのはイェローストーンで、次はヨセミテでした。

 館内をはじめとして公園内はオフシーズンでいろいろなところが改装工事中で、見ることができなかったのが残念でした。 

 公園からさらにウォーターフロントに進むと、フィラデルフィアの創始者といわれるウィリアムズ・ペンがはじめて上陸したといわれるPenns' Landingが見えてきます。その向こうにはデラウェア川が流れ、川の向こうはもうニュージャージー州になります。

Penn's Landingで市街をバックに記念撮影

 そして、いよいよAcademy of Music Ballでのコンサート。友人が良い席を選んでReserveしてくれました。 ホールは曲線の美しい作りで、昔良くレコードの裏にあったモノクロ写真そのものです。

 曲はベートーベンのピアノ協奏曲No.1と、リストのダンテ交響曲。ダンテ交響曲ははじめて聞く作品で、最初は興味が無かったのですが、始まってみると聞けば聞くほど興味がわく曲です。適度に大きな編成でこのオケの音の透明感と縦の線のあった気持ちの良い演奏を存分に楽しむことができました。

 ダンテ交響曲は終盤にオフステージの女性コーラスが入ります。完璧に近いアンサンブルとすばらしい音響のホール。完全にその場で私は言葉を失ってしまいました。曲が終わって、鳴り止まない拍手の中で私はずっとその場を去りたくない気持ちでいっぱいでした。久々に音楽で心から感動できたことに、まだ自分の中に心をアクティブにしていることができる場所があることを再確認したような気がします。

 いつか来たかった場所ではあったけれど、きっと友人がここに連れてきてくれなければ、このホールでは音楽を聴くことができなかったかもしれない。そう思うと、こんなすばらしいコンサートを聞かせてくれたオーケストラと、機会を作ってくれた友人にとても感謝しています。


indexに戻る