トップページ 今月の星空 オンラインショッピング お支払い方法など スターライトキャラバン 会社概要

●●●コラム 天体写真はいつどこで撮る?●●●
 デジカメ一眼レフの普及で、天体写真はより身近なものになってきましたが、その反面、街明かりが増えて、夜空はどんどん明るくなってしまっています。そのため、きれいな天体写真を撮るには、市街地から離れたところまで行かなければなりません。

 このコラムでは、天体写真の撮影地を選ぶにあたって必要な条件を列挙してみました。ここに書かれていることを参考に、目的地を探してみてください。また、天体写真撮影地マップでは、当社スタッフが実際にデジカメ一眼レフで撮影に行った場所を、Googleマップを使って紹介しています。関東が中心の案内になってしまいますが、参考にご参照いただければ幸いです。
街明かりのあるところから離れた場所を選ぶ
 最も基本的なこととして、なるべく街明かりが少ないところのほうが、夜空は暗くなります。公共交通機関で行けるところは限られますが、なるべく市街地から離れた場所で、周囲に明かりが無いところを選んだほうが、良い星空を見ることができます。

余談ですが、20年くらい前までは、街の大気汚染で星が見えにくいということもよく言われていましたが、かつて東京都心に住んでいた私の個人的経験では、東京の大気汚染は昔に比べてかなり良くなっていて、星空はよく見えるようになったと感じています。反面、街明かりは以前より明るくなっていると思います。
標高が高いほうが、大気の影響を受けにくい
 地球には大気があり、その大気が宇宙からやってきた星たちの光を吸収してしまっているため、実は地表に届いている星たちの光はかなり暗くなってしまっています。逆に言うと、標高の高いところに行けば、その分大気の吸収が少なくなり、星たちの光を明るく見ることができるのです。世界各地の大望遠鏡のほとんどが、高い山や高原に設置されているのも、この理由によります。

 また、大気は地球上の気温の変化により動いていて、それは私たちに風として感じられます。上空の大気も同じように動いていて、それにより星たちの光も乱れています。肉眼で見られる「またたき」という現象は、この大気の動きによって見られるものです。標高の高いところに行くと、この大気の動きによる影響も軽減され、よりきれいな星空が見られます。
よく晴れている場所を選ぶ
 星空を見るには、晴れていなければならないことは言うまでもありません。日本は世界的に見ると比較的雲ができやすい地形にありますが、その中でも地形や季節風などの関係で、よく晴れる場所が存在します。季節ごとの晴天率などを参考にして、晴れやすい場所を選ぶようにしましょう。

 また、前述の標高の高さも、晴天率に大きく関係します。霧雨などの細かい雨を降らせる雲は、高さ1000m前後から現れます。ですから、それより標高の高いところに行けば晴れていることもよくあります。但し、地形が複雑な山間では、風向きや気温の変化によって逆に雲ができやすい場所もあります。
夕方より明け方
 昼間、太陽のエネルギーによって暖められた空気は、上昇気流となって地上のほこりやチリなどを舞い上がるため、夕方から夜の早いうちは大気中にその影響が残っていて、星空があまりよく見えないときがあります。また、太陽が西に傾いて気温が下がってくると、上空の気流が乱れることがよくあります。

 夜になって気温の変化が少なくなると、大気の動きが落ち着き、星空も良く見えるようになります。このため、深夜か明け方のほうが、良い星空が見えることが多いのです。
なるべく空の高いところで天体を狙う
 地球の自転と公転により、地球からの見かけ上、毎日天体の位置は変わります。いままでも書いてきたように、星からの光は地球の大気に大きく影響されるため、その影響をなるべく少なくするために、目標の天体が空の高いところにが来たときを狙うと良いでしょう。

 一日の中で天体が最も高い位置に来るのは、天体が子午線(真北から天頂を通って真南に達する線)を通過する「南中」の時になります。前述の大気の影響も含めると、目標の天体が深夜から明け方にかけて南中する季節に狙うのが、最も良い結果が得られることになります。具体的には、冬の星座のオリオン座なら9〜11月ごろ・夏の星座のさそり座やいて座なら4〜6月ごろということになります。つまり、教科書などで習った「季節の星座」の季節より、数ヶ月前のほうが良いことになります。 
月齢に気をつける
 せっかく空の暗いところに出かけても、そのときに空の高いところに明るい月があったら、夜空が明るくなってしまいます。暗い星空を捉えたいときには、新月前後の月が細い時期か、月が昇っていないときを狙うようにしましょう。月齢7くらいまでであれば夜半までに月が沈み、月齢23より後は夜半を過ぎてから月が昇ってきます。

星空と地上の風景を一緒に写真に収めたい場合は、逆に月の光を利用する場合もあります。空が明るくなるため写る星は少なくなりますが、地上の風景は月明かりが無いときは真っ黒でも、月明かりがあれば写し出すことができます。月齢や月の高度を計算して、地上の風景と星空をうまく両立させるのも、テクニックのひとつです。
月や惑星の撮影の場合
 比較的近い太陽系天体である月や惑星の表面を撮影する場合は、天体に十分な明るさがあるため、これまで書いてきたような空の明るさはあまり大きく影響しません。しかし、倍率を高くして捉えることになるため、大気の動きによる影響は逆に大きくなります。これまで書いてきた「標高」「時間帯」「南中時」といった条件を抑えれば、よりきれいな像を得ることができるはずです。

 また、倍率や感度を調節して、なるべく早いシャッタースピードで撮影することも、きれいな像を得るための大きなポイントの一つです。特に惑星は、倍率を高くして大きく拡大して撮りたくなりますが、倍率を上げると明るさが不足するため、露出時間を長くする必要があります。その結果、大気の影響でブレが生じてしまい、かえって像が悪化してしまうのです。あまり倍率を欲張らずに、速いシャッタースピードが切れる明るさに調節して撮影し、大気の影響をできる限り抑えることが、良い像を得るためのポイントと言えます。

このページに記載の内容についてのご質問は、お気軽にこちらからお問い合わせください。
天体望遠鏡専門店のスタッフがお答えいたします。

きれいな星空を写真におさめたいへ戻る


トップページ 今月の星空 オンラインショッピング お支払い方法など スターライトキャラバン 会社概要