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スターゲイズオリジナル双眼鏡の
ちょっと専門的なQ&A

 このページでは、スターゲイズオリジナル双眼鏡の選び方をご覧いただき、さらにもう一歩踏み込んだ専門的なご質問に対してお答えしています。

●もっと倍率の高い機種は無いのか?

 単純に倍率を高くすることは簡単にできます。ホームセンターや量販店にはそういう双眼鏡がたくさん売られています。倍率が高いほうが、一見良く見えるように感じますが、レンズやプリズムの特性に関わる双眼鏡そのものの解像力の問題で、実は倍率の低い双眼鏡と解像力はかわららないのです。また、夜に天体を見るときには、像が暗くなってしまうため、はっきりと違いがわかるほど性能に差が出てしまいます。さらに、左右の光軸のずれに対する精度もシビアになってしまうため、高倍率で性能を維持させるためには、大きく重い筐体を作る必要が出てしまい、実用的ではなくなってしまいます。

●ダハプリズムの双眼鏡は像が暗くなると言われていますが・・・

 ダハプリズム(dach prism = ドイツ語 英語ではRoof prism)の双眼鏡(当社製品ではFHシリーズ)は、プリズム内部での反射面がポロプリズムの双眼鏡(当社製品ではFZシリーズ)に比べて多く、入ってきた光をすべて反射する全反射プリズムを組み合わせているポロプリズム双眼鏡と比較すると、像が暗くなると言われていました。またダハプリズムでは、プリズムの組み立て精度が悪いと、それが直接性能に現れてしまうため、同じクラスのポロプリズム双眼鏡と比較すると見え方が悪いと言われることが多いようです。

 当社のダハプリズム双眼鏡であるFH-842RFおよびFH-856GRFは、反射面に高効率メッキを施し、組立工程での公差を最小限にすべく緻密な設計を行うなど、性能への影響を極力減らして製品化することで、同クラスのポロプリズム双眼鏡と同等か、それ以上の明るさと解像力を確保しています。そして現在も、さらなる改良のために試行錯誤を繰り返しています。

●防水性と耐久性について

 当社双眼鏡は、どの機種でも製品そのものを完全に水没させなければ、内部に水分が入り込むことは無いように設計されています。この意味では「防水設計」をしていることになりますが、雨や夜露に濡れたまま、急激に温度が変わる環境に置かれた場合、内外の気圧の差が生じて水分が内部に入る可能性はあります。ですから、防水性能の如何にかかわらず、濡れたまま放置しないように気をつければ、どの機種でも末永くお使いいただくことができます

 正立プリズムにポロプリズムを使用し、ピント合わせにセンターフォーカス式を用いているFZ-RFLシリーズとFZ-750GFPは、ピント合わせのために接眼部が動く構造になっているため、この部分の素材と工作精度が防水性に大きく関わってきます。また、FZ-750GFPでは、対物レンズや鏡胴のつなぎ目にもシールリングを挿入して、内部の機密性を確保しています。これらの点においては、FZ-RFシリーズよりFZ-750GFPのほうが機密性が高いので、防水性能も高いといえると思います。同じポロプリズムタイプでも、センターフォーカスではないFZ-1170GFQは、さらに機密性が高いです。

 正立プリズムにダハプリズムを使用しているFH-842RFおよびFH-856GRFは、鏡胴外部に可動部分が少なく、ピント合わせも内部の光学系を移動して行っているため、FZ-750GFPやFZ-1170GFQよりもさらに機密性が高くなっています。これは、ダハプリズムの反射面を保護する目的でも重要で、長期にわたって性能を維持することができるのです。 

 参考までに、双眼鏡の防水性能について日本工業規格(JIS)を用いて表示しているメーカーや販売店があるようですが、実は、双眼鏡の防水性能についての規格ははありません。類似するものとしてJIS C0920や、国際電気標準会議(IEC)60529に、「電気機械器具の外郭による保護等級」というものがあり、これらの規格に基づいた「IPコード」(International Protection Code)というものが存在します。しかし、これは電気機械器具の保護性能を現すものであり、仮に光学製品に同じ試験方法を用いても、試験後に性能を維持していることを検査する項目がありません。このような背景から、当社では防水設計を行っていても、「防水双眼鏡」という表記をしていません。

●EDレンズの使用について

 最近、双眼鏡にもEDレンズやSDレンズを使用していると謳われている製品がちらほらと見受けられるようになりました。EDレンズとは、異常低分散ガラス(Extra-low dispersion glass)を使用して作られたレンズのことで、既存のレガシー硝材を使ったレンズと組み合わせることにより、像の悪化の原因となる色収差や非点収差などを補正するために使われています。

 20年ほど前までは、光学ガラスメーカーが独自の配合技術でEDガラスを生産し、光学機器メーカーはそのガラスの特性を元に設計したものを、カメラレンズや望遠鏡に組み込んで販売していたため、ガラスの特性をそれまでのレガシー硝材とED硝材とにはっきりと分類することができました。しかし近年は、使用する製品にあわせてガラスそのものを配合して調製することが可能になっているため、レガシー硝材とED硝材との境界はほとんどなくなってしまっています。

 当社の双眼鏡でも、FZ-RFLシリーズとFH-842RFおよびFH-856GRFで従来のEDレンズに近い分散特性のレンズを使用していますが、このような理由から「EDレンズ使用」という表記はしていません。

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天体望遠鏡専門店のスタッフがお答えいたします。

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