直視用日食めがねの安全性について

 当社オリジナル商品直視用日食めがねカードタイプおよびめがねタイプに使用している遮光フィルムは、太陽を直接肉眼で観察する場合に必要とされる、可視光・紫外・赤外・電波等の太陽エネルギーを遮断する機能をもっており、必要十分な安全性が確保されていますので、安心してご使用いただけます。
 太陽は、私たちの目で見える可視光以外に、熱エネルギーとなる赤外線・人体の細胞への炎症の原因となる紫外線やガンマ線等の放射線等、様々なエネルギーを放射しています。これは、太陽が原子核融合反応を繰り返し起こすことにより様々な波長のエネルギーを放出する、「巨大な核融合炉」であるからです。太陽が光の速さで約8分の距離にあるとはいえ、あまりに巨大な核融合炉のエネルギーを直接目で受けることは、やはり悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社直視用日食メガネに使用しているフィルムは、2015年に国際標準規格ISO 12312-2:2015で定義された「眼および顔の保護 -- サングラスおよび関連するめがね -- 第2部 太陽を直接観測するフィルター」(Eye and face protection -- Sunglasses and related eyewear -- Part 2: Filters for direct observation of the sun)および1999年にヨーロッパで日食が見られた際に、ヨーロッパ標準規格 EN1836:1997で定義された「個人用眼保護具 一般用のサングラスおよび太陽を直接観測する保護フィルター」(Personal eye protection. Sunglasses and sunglare filters for general use and filters for direct observation of the sun)に準拠し、その性能をイギリスBSI(British Standards Institute) にて認証を受けています。可視光はもちろん、それ以外の紫外・赤外・電波等の太陽エネルギーも遮断するよう、特殊なフィルムを使用しています

 なお、他社製品において安全性の基準として記載している日本工業規格「JIS T-8141」およびヨーロッパ標準規格 「EN169」・ドイツ工業規格「DIN 4647-1」は、金属の溶接作業等における有害光線が肉眼に到達することによる健康被害を防止するため、目に装着する保護メガネのしゃ光能力を規定したもので、太陽エネルギーの遮断性を規定したものではありません。さらに、これらの規格のどのしゃ光度番号であれば、肉眼で太陽を観察するにあたって有害でないかを明示する科学的根拠は、これまで提示されていません。従って、日食用フィルターの安全性を証明するものとしては不十分であると考えられるため、当社ではJIS T-8141に準拠したしゃ光度は仕様として記載しておりません。
 また、他社製品にてヨーロッパにて安全性が証明されているとして記載している
「89/686/EEC」は、1989年に当時のEEC(ヨーロッパ経済共同体)にて、ヘルメットやスポーツ用サングラスなど、個人が使用するための保護具全般に対して、その製造責任を明確にするために定められた「法律に準拠するもの」(The approximation of the laws of personal protective equipment)で、特定の製品に対して与えられたものではありません。従って、太陽観察用製品としての安全性を証明したものではありません。