土星が衝
秋の星座おひつじ座で衝となります


画像はNASAから
 11月7日、おひつじ座で輝いている土星が光度マイナス0.2等で衝(しょう)となります。今回の衝は木星と並んでまばゆいばかりの明るさで光っていますので、とても夜空がにぎやかに見えるでしょう。

 土星の衝とは太陽と地球と土星が一直線上に並んだ状態(太陽−地球−土星と並んだときのこと)、つまり地球から見て土星が太陽とは反対側に位置した状態のことで、土星と地球との距離がもっとも近づいた位置関係にあります。

 ということは、太陽が西の空に沈む頃には土星が東の空に昇ってくることになりますので、土星はほぼ一晩中観測することができるようになり、もっとも観望に適した時期といえます。
 11月7日の前後2週間ぐらいの午後9時ごろには、土星は南東の夜空高度約50°の高さまで上っています。土星を見つける目安としては、すぐそばにとても明るい木星がひときわ明るく輝いていますので、それをたよりにその木星の左方向(やく東25°)を見てみるとすぐ分かるでしょう。また衝の当日はお月さまが新月となり、真っ暗な秋の星空の中に2大巨大惑星が並んでいる壮大な姿が観望できるでしょう。

 土星といえば環っかのある惑星として知られ、木星に次ぐ太陽系第2の巨大ガス惑星として有名ですが、現在はその環っかも大きく傾いて開いて見えますので、今がとても観測に適した時期といえます。
(環の傾きがあまりない時期は、正直言って見ていてもあまり面白くありません。)

 望遠鏡をお持ちの方は是非ともこの機会に、土星に望遠鏡を向けて見てください。どんな望遠鏡でも構いません。初心者向けの6cmクラスの小口径望遠鏡でも充分です。倍率は30倍ぐらいでも土星の環の存在はよく分かります。100倍ぐらいかけると暗い宇宙の中にフワフワと浮いているかわいらしい土星の姿が観望できます。また200倍ちかく倍率をかけると、土星の環にカッシーニの間隙と呼ばれる黒い溝が存在することが確認できます。

 ちなみに環は数cm〜数10cmの氷や岩石の粒子からできていると推定されています。ということはレコードの円盤のように見えていても、固い一枚の板状の物質から構成されているわけではありません。また平均密度は太陽系最小で、比重0.7と水よりも軽いため、大きなプールに土星を入れるとプカプカと浮いてしまうことでしょう。



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