4月23日 月と木星・金星のランデブー

 このページでご紹介したこの現象。全国的にやや雲が多かった物の、あちこちから「見えた!」の反響をいただきました!。当社でもベランダ望遠鏡では拡大撮影用にセットし、月が昇ってくる頃から屋根の上で双眼鏡片手にスタンバイしていました。
 雲の切れ間から時折月の光がこぼれるようになり、午前4時ごろ、金星と木星がすぐそばに寄り添っているのを発見!。私は眼があまりよくない方なので、双眼鏡で確認しないと2つの星が分離できないほど接近していましたね。ベランダで用意していた望遠鏡は、隣家の屋根があるためかなり空が明るくなった後でないととらえることができなかったためね実際には使用しませんでした。
 やがて、空が白みはじめて朝焼けがはじまると、大きな雲の切れ間に入ってそれはそれは美しい眺めとなりました。右の写真の通りです。双眼鏡で見ているのが一番美しかった。春のもやがかかって月や金星は輪郭が少しぼやけていてそれがまた良い雰囲気を作っているんですね。紹介時に作成した、下の予想図と見比べてみると面白いですね。

写真データ:1998年4月23日AM4:20
     フジカラーG100
     シグマ60-200mm F4-5.6ズーム
     (120mm相当で撮影)
     2秒露出
撮影地:当社屋上(埼玉県蓮田市)


 春の夜空は、それまでの冬の夜空に比べると明るい星が少なかったり、春がすみで空がどんよりとしていることもあって、今一つぱっとしません。そんな中でも、しし座のレグルス・おとめ座のスピカ・うしかい座のアルクトゥルスの3つの一等星や、北の空に輝く北斗七星などは、都会の空でも容易に見つけることができます。
 そんな春の夜空も夜半を過ぎると夏の星座たちがにぎやかに飾るようになります。明け方近くには空高く夏の大三角のベガ・デネブ・アルタイル、南の空にはさそりの心臓に輝くアンタレスなど一等星や、夏の天の川も見えるようになります。
 そんな明け方の空に、今年は4月23日の朝に一大イベントを楽しむことができます!。明けの明星の金星と、太陽系で一番大きな惑星である木星がわずか18分(角度)という大接近をし、さらにそのすぐそばに月が寄り添うという絶景を楽しむことができるのです。月は月齢26ですから、三日月を反対にして少し太らせた程度、そこに−4等のきらきら輝く金星と−2等の穏やかな輝きの木星が寄り添って見えます。肉眼でも充分に美しい眺めになることでしょう。

いつ、どう見えるのでしょう?

 4/23の東京での月の出は2時50分。他の地方でもほぼこの時刻前後に昇ってきます。この時間から日の出までの約2時間が、この現象が眺められる時間となります。ある程度高く昇った4時ごろからが見頃となるでしょう。少し高度の低い現象なので、なるべく東の空の開けた、街灯などの少ない場所を探したほうがよいでしょう。
 地上の風景と合せて、肉眼でも充分楽しめる現象となることでしょう。場合によっては金星と木星があまりにも近すぎて、1つの明るい星に見えてしまう人もいるでしょう。
 望遠鏡を使えば、上のように三日月のような金星と、縞模様とガリレオ衛星を従えた木星を1つの視野にとらえることができるはずです。さして大きな望遠鏡は必要なく、小口径の望遠鏡でも充分楽しめます。ガリレオ衛星や木星の2本の縞模様は、8cmクラスの望遠鏡でも楽しむことができます。
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(予想図は当社取り扱いソフトVoyagerII(Macintosh)で作成した画像を加工して使用しました)

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