わし座に肉眼新星出現!

 12/4〜5日にかけてこの新星は3.7〜4.0等と観測され、今世紀屈指の明るさの新星となりました。右の画像は、12/7 PM18:00に当社ベランダにて撮影した画像です。西空の低いところで近所の電気店の明かりなどがあるため下の方が明るくなってしまっていますが、この画像からは5等くらいで写っているようです。冷却CCDのノーフィルター画像ですので、近赤外光もかなり拾っているので眼視光度より明るく写っているのかもしれません。

 今後もまだ1週間程度は肉眼で見える明るさを保つかもしれません。是非継続した観測をお願いしたいと思います。

日時 :1999年12月7日 18:02
架台 :Meade LXD600
光学系:SMCペンタックス フィッシュアイ17mm F4 絞り8
カメラ:武藤工業 CV-04 ビニングなし
フィルター:なし
露出 :10秒
撮影地:当社ベランダ


 ポルトガル・Cabo da Rocaのアルフレド・ペレイラ(Alfredo Pereira)氏は、12/1宵(日本時間12/2未明)に14×100mm双眼鏡で新星の捜索中、わし座に6等の新星らしい天体を発見しました。同じ街に住む友人のカタリナ・ヴィトリーノ(Catarina. Vitorino)氏も新星を確認し、大西洋をはさんだアメリカマサチューセッツ州ボストン近郊のダニエル・グリーン(Daniel W. E. Green)氏も確認しました。この星は新星として認められ、V1494 Aql.として登録されました。
 同じくマサチューセッツ州のD.チコ(D. di Cicco)氏が撮影したCCD画像から測定した位置は以下のとおりです。

  α = 19h23m05s.38   δ = +4゜57'20".1  (J2000.0)

 デジタル・スカイ・サーベイ USNO A2.0には、この位置にRバンドで15.6等・Bバンドで17.4等の星が写っています。
 位置としては、わし座δ星の約2度北東の天の川の中です。最近この付近を撮影した写真をお持ちの方は、是非写真をチェックしてみてください。もし写っていましたらご報告をお待ちしています。また、これからの光度変化にも充分注意してください。発見時は5.8等程度と報告されていますが、Green氏は5.1等と計測しています。また、ハワイ大学のHaakon Dahle氏は同じ夜に4.9等と計測しています。12/3 お昼(日本時間)現在で、4.2〜4.0等まで明るくなっている様子です。

 上記の位置を星図にプロットした画像を掲載しています。わし座全体の図と、新星出現付近の拡大図の2つを用意しました。拡大図には、周辺の恒星の光度を入れてありますので、明るさの比較星として使用してください。この星図は転載していただいても構いませんが、ご一報いただければ幸いです。

わし座全体図

新星出現付近の詳細図(8等まで)

詳細図 プリントアウト用

参考:IAUC 7323
   VSNET Nova Aql 1999 No. 2



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