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月食当日の様子 当社事務所3階より
Celestron ASTRO Fi 5-J 直焦点 APS-C一眼レフデジカメにて撮影

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 今回の月食は、関東地方では月が欠けたまま西の空に沈むので、どこか地上の風景と合わせて撮影できる場所に出かけようかと思っていたのですが、上空の風がほとんど止まって低いところに雲が垂れ込めてしまい、関東周辺ではすっきりと晴れるところはなさそうな空模様になってしまいました。しかし、太平洋にある低気圧に向けて風が吹き込んで、月が沈む西の空の低いところは明け方雲が切れそうだったので、事務所3階で雲が切れるのを待つことにしました。
 けっこう厚い雲ではあったものの5時前から雲が切れ始め、5時半ごろからは月の周囲はすっきりと晴れ、明るくなってくる空とともに月食の様子を楽しむことができました。

 次回日本で月食が見られるのは、来年3月25日に、わずかに月の一部が暗くなった状態で東の空から月が昇ってくる半影月食があり、2025年3月14日にも月が欠けたまま昇ってくる月食(南北アメリカ方面で皆既月食)があります。さらに2025年9月8日未明(7日深夜)には、3年ぶりとなる皆既月食が全国で見られます。またの機会にも、多くの皆さんが空を見上げていただけることを願っています。

 2023年10月29日(日)の未明2022年11月8日以来約1年ぶりとなる月食が見られます。
左写真:2022年11月8日の皆既月食の様子 クリックするとそのときの様子を見ることができます。
●月食はどうしておこるの?
 月食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、2023年4月8日には、千葉〜沖縄までの一部で部分日食が見られました。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。最近日本で見られた月食は2022年11月8日の皆既月食がありました。
 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、ちょうど太陽の反対側を通過するときに月食が起こります。ですから、月食は必ず満月の日に起こります。また、月食の中でも皆既月食と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。
●今回の月食について
 今回の月食が起こる時刻は下の表の通りです。今回の月食は月の一部が地球の影に入り込む部分月食で、日本では、全国で月が西の空に傾いた明け方に見られます。本影食が終わった後、半影食の途中で月没となります。
2023年10月29日(日)未明の月食の主な現象の時刻(日本時間)
半影食のはじまり 02時59分 ※下記参照 ●月没の時刻
札幌 06時12分
東京 06時05分
大阪 06時21分
福岡 06時41分
那覇 06時42分
本影食のはじまり 04時34分 月が地球の影に入りはじめる
食の最大(12.8%) 05時14分 月が地球の影に最も入り込む
本影食のおわり 05時53分 月全体が地球の影から抜ける
半影食のおわり 07時28分 ※下記参照
※半影食とは、太陽の直径の分地球の影がぼやける現象で、月の表面が地球の影の中心に向かって、少しずつ暗くなっているように見えます。半影食のはじめのうちと終わりの方では、あまり変化は見られませんが、本影食の前後30分くらいの間は、一部が薄暗くなっているのがわかります。
 下の画像は東京での月の欠け方のシミュレーション画像です。他の地方でも、時間と欠けかたはほぼおなじように見られます。

2023年10月29日未明の月食の様子
Java scriptの関係で上の図が見られない場合はこちら
中央の円は、月の位置に於ける地球の影を示しています。
月自体が上(東)に移動するのは、月の公転により起こるものです。
背景の星がゆっくり移動して見えるのは、
地球の公転により影が移動することにより起こります。
背景の星の位置は東京での様子をシミュレーションしています。
日本国内でも、場所によって位置関係が少しずつ異なります。
●コラム● 日食や月食の予測はいつごろから?
 古代から、日食や月食などの現象は天変地異の前触れとして人々に恐れられていたり、また日食の後に太陽の輝きが戻ることで、復活を意味する現象として捉えられることもありました。例えば、古事記や日本書紀に現れる天照大神の岩戸隠れの伝説は、皆既日食によるものだと言う説があります。また、キリスト教の新約聖書のルカによる福音書23章44節にある太陽の光が暗くなったという記述も、日食に関係するものだと考えられています。このように、日食のような天文現象を宗教的な意味に結びつけ、その予測をすることで信仰を広めたという史実は世界各地にあります。

 このような日食や月食に周期的な法則があることは、実は紀元前6世紀ごろから知られていたようです。「サロス周期」と呼ばれるこの法則は、18年+10日ごとに日食や月食が起こるというものです。しかし、この法則を科学的に解明して正確に予測することができるようになったのは、地動説以後の18世紀になってからです。その後、サロス周期は地球と月の公転周期および軌道の傾きと歪みの関係により起こることが証明され、さらに地球の自転に関係する8時間分を追加すると、かなり高い精度で予測ができることがわかりました。

サロス周期についてより詳しく知りたい方は、Wikipedia 日本語 英語 (英語のほうがより詳細に記述があります)によくまとめられていますので、是非参照してください。 

 現在は、天体観測技術の向上により、日食も月食も物理的な計算で予測することができ、将来100年程度までは、秒単位まで正確な予報を出すことができるようになりました。それでも、地震のような地球内部の変化による自転速度の変化や、地球や月の公転軌道の累積的な変化により、秒単位でのずれが発生します。
●どこで、どうやって見える?
 月食は必ず満月の日に起こりますが、満月の日には、月が西の空に沈むのとほぼおなじころに東の空から太陽が昇ります。今回の月食は、日本では明け方の月が西の空に傾いてからはじまりますから、 なるべく西の空が開けた場所で観察するとよいでしょう。

 今回の月食では、月の一部が暗くなっている半影食の様子がわかるようになるのは、04:00ごろからになります。本影食に入る04:30すぎになると、月が地球の影に入ったことがはっきりとわかります。時間とともに月は地球の影に入り込んで行き、05:14に地球の影に最も入り込みます。そのあと、月は地球の影の中から姿を現し、少しずつ満月へと戻っていきます。06:20ごろには、ほぼ元の満月に見えるでしょう。その時間には、関西より東の地方ではすでに月が沈んでいます。
2023年10月29日未明の月食の
東京での西の空 10分おきのシミュレーション
Java scriptの関係で上の図が見られない場合はこちら
西の地方ほど、月没が遅くなります。
月の大きさは実際より大きく描画しています

 月食は、太陽に照らされている月が、私たちの立っている地球の影に入るという、宇宙で起きている立体的な現象を地球上から見ているのですが、夜に起こる月食のように月だけが空に見えていると、ついそれを忘れて平面的な現象としてとらえてしまいます。しかし、今回のように西の空に欠けた月が沈みながら、ほぼ同時に反対の東の空から太陽が昇ってくる様子を見ることで、それを立体的な宇宙観として見ることができると思います。是非この機会にちょっと早起きして、月食を楽しんでみてください。

 月食は肉眼でも十分に楽しむことができる天文現象ですが、食が進むと月は暗くなってくるので、望遠鏡や双眼鏡を使うと、刻々と変わる月の模様の変化を、じっくりと楽しむことができます。当社オンラインショッピングでは、月食の観測に最適な双眼鏡望遠鏡を揃えております。宇宙で繰り広げられる天体のドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

 また、満月は明るいため、大口径の望遠鏡で見ると非常にまぶしく感じます。このため、減光するムーングラスを使うと、長時間継続して観測することができます。まだお持ちで無い方は、各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、この機会に是非お求めください。
※ムーングラスは、食が進んでまぶしくなくなったら取り外してください。
双眼鏡や望遠鏡を使って見たときの月食の見え方のシミュレーション

FH-842K7C等8〜10倍クラスの
双眼鏡で見た場合

Celestron ASTRO Fi 5-J等、
50倍くらいの望遠鏡で見た場合

●月食の写真撮影
 月食はとても感動的な天文現象ですから、その感動を写真やビデオに残したいと思うでしょう。月食の写真は、特殊なフィルターなどを使わなくても、普通のデジカメで簡単に写真やビデオに収めることができます。でも、せっかくならもっと美しく撮りたい!。ちょっとしたノウハウで、より美しく月食を撮ることができます。

■三脚を使いましょう!
 せっかくの月食ですから、大きくアップにして撮影したいでしょう。対象を大きく拡大して撮影するには、望遠レンズを使用することになります。しかし、望遠レンズは手ブレの影響が大きく現れますし、食の進んだ月は暗くなるので、シャッタースピードが遅くなり、手持ちの撮影ではブレてします。是非三脚を用意してください。
 月食の撮影でも、三脚はもちろんリモコンやセルフタイマーなど、星空を撮影するときのノウハウがそのまま生かせます。天体写真撮影の最も基本となる固定撮影については、こちらのページで紹介しています。是非一度ご参照ください。

■連続撮影は自動追尾にすると便利
 今回の月食は、月食が始まってから月が沈むまで、1〜2時間程度かかります。地球の自転により動いていく月をその都度追いかけてシャッターを切っても良いのですが、毎回雲台の位置を変えて撮影するのは、慣れないとなかなかうまくいきません。また、ビデオ撮影を行う場合、手動で連続して追いかけ続けるのは、時間的に難しくなります。
 そんなときに、天体自動導入望遠鏡を使えば、月の動きに合わせた自動追尾が可能です。天体自動導入望遠鏡は、おすすめラインナップ天体望遠鏡に取り揃えています。

※設定ミスや電源の不具合などが原因で追尾ができない可能性もあるので、自動追尾を設定した後も、定期的に月がカメラの中にあるかどうか確認し、必要に応じて修正するようにしましょう。

■レンズはどのくらいの焦点距離?
 初めて月を撮る場合、どのくらいの望遠レンズを使えばいいのかわからないですよね。以下は、実際にいろいろな焦点距離のレンズで月食を撮影したサンプル画像です。使用するレンズや機材の選定の参考にご参照ください。

※レンズ固定式のカメラやビデオカメラ・スマートフォンに内蔵されているカメラ等の場合は、各製品の仕様に記載されている「35mm版換算」の焦点距離が、下記の「35mm」の欄の数値に近いものを参考にしてください。
◇標準レンズ
35mm : 50mm前後
APS-C : 30mm前後
フォーサーズ : 25mm前後

 一眼レフやミラーレスカメラに付属している標準レンズや、コンパクトデジカメの標準的なレンズで撮影した場合、このくらいの大きさに写ります。最大食の前後なら、月とその背景にある星と一緒に写しだすことができます。ただ、拡大率は低いので、かなり遠くから見ている感覚になるでしょう。
 今回の月食は、時間とともに西の空の低くなっていきますから、月食中の月と地上の風景を一緒に捉えると、臨場感のある写真になると思います。

2011年12月10日の皆既月食
APS-C一眼レフ + 30mmレンズ
◇広角レンズ
35mm : 30mm前後
APS-C : 20mm前後
フォーサーズ : 16mm前後

 標準レンズより画角が広くなるため、月の像は小さくなりますが、その分周囲の星空や地上の風景も構図に入れることができます。スマートフォンに内蔵されたカメラや、コンパクトデジカメなどは、広角レンズを使用しているものが多いです。
 時間と共に欠けていく月が日周運動により移動していく様子を撮影して合成する場合、標準レンズよりやや広めの広角レンズが適しています。

2008年8月28日の皆既月食
APS-C一眼レフ + 16mm魚眼レンズ
◇中望遠レンズ
35mm : 85mm〜200mm前後
APS-C : 50mm〜135mm前後
フォーサーズ : 40mm〜100mm前後

 月とまわりの星を一緒に撮影するには、このくらいの焦点距離が適当です。月食中に近くにみえる木星を同じ構図に収める場合、このクラスの焦点距離のレンズがちょうどよいでしょう。

2018年1月31日の月食
M44(プレセペ)と皆既中の月
APS-C一眼レフ +135mmF2.5レンズ
ARK-1経緯台自動追尾
◇望遠レンズや望遠鏡
35mm : 500mm〜1500mm前後
APS-C : 300mm〜1000mm前後
フォーサーズ : 250mm〜800mm前後

当社オンラインショッピング取扱商品
オリジナル屈折鏡筒 PV102E61
他、おすすめランナップ天体望遠鏡各機種

 月食の写真撮影で、最もよく使われるのがこの焦点距離です。刻々と変わる月の模様や色の変化を、じっくりと楽しむことができます。

※35mmで2000mm・APS-Cで1350mm・フォーサーズで1200mmを越えると、月がイメージセンサーからはみ出してしまいます。特に大口径の望遠鏡を使われる場合は注意してください。

2014年10月8日の皆既月食
セレストロン Nexstar 6SE-J
+ F6.3レデューサー
APS-C一眼レフ使用
○○焦点距離別の月のサンプル画像○○
すべて同じ夜の1時間以内に同じAPS-C一眼レフカメラで望遠鏡(レンズ)だけを交換して撮影

どの写真も明るさの調整のみで、トリミングや複雑な画像処理は一切行っていません。それぞれの望遠鏡(レンズ)での大きさや解像度の比較としてお使いください。

200mmカメラレンズ
35mm版換算約300mm

400mmレンズ
35mm版換算約600mm
オリジナル屈折鏡筒 PV80E55

612mm望遠鏡
35mm版換算約900mm
オリジナル屈折鏡筒 PV102E61

800mm望遠鏡
35mm版換算約1200mm
オリジナルKV90M133
マクストフカセグレン鏡筒
+ シンプルレデューサーM0.7x


1200mm望遠鏡
35mm版換算約1800mm
オリジナルKV90M133
マクストフカセグレン鏡筒
直焦点
商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。 

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