99/02/23 アルデバランの食

 2月23日の2つめの天文現象は、おうし座の1等星アルデバランが月に隠される「星食」です。
 月は地球のまわりを約一カ月かけて公転しています。それは地球上から見ると、天球上を毎日少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。
 天球上を移動している月と見かけ上同じ位置に他の星が重なる場合に、「星食」と呼ばれる現象がおきます。月がその星の前を通過することにより、星が隠される現象です。月のどの場所に隠されるかにもよりますが、長くて1時間くらい隠れている時間があります。
 この画像は、月に隠されようとしているアルデバランを、デジカメによるコリメート法で連続撮影したものです。後半の部分はほぼ1分間隔で撮影したもので、少しずつ月の影の部分に近づいて、隠されるまでを動画GIFで編集したものです。実際に望遠鏡で見ていると、だんだんと月に近づいていったアルデバランが、「ふっ」と不意を突かれたように消える様子を見ることができます。
 今年は、このアルデバランとしし座のレグルスの2つの一等星の星食が日本でも何回か見ることができます。こんどは6/18のレグルス食が良い条件でみることができます。

最近の天文現象・新天体情報等へ戻る