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2月16日(火)午後 アルデバランが月に隠される

 暖かだった週末から打って変わって底冷えのする真冬に逆戻りし、関東では比較的良い天気になった当日、私も事務所前でスタンバイしてアルデバラン食を捉えようとしていたのですが、なぜか事務所の上だけに雲がかかり、アルデバランの潜入の頃には雨まで降り出してしまいました(苦笑)。よほど、私の日ごろの行いが悪いのでしょうね。右の写真は、出現の後、ヒアデス星団に囲まれた月です。
 このページの一番下にある「かんたんアンケート」からは、「小口径の望遠鏡でも昼間のアルデバランが確認できた!」との声や、「潜入の瞬間は解らなかった」など、見えた感動が届いています。それだけでも、一緒に見られた気になれます(笑)。

 下にも書いたように、今年はアルデバランの食の当たり年で、9月22日にも今回と同じような昼間の食があり、その後11月16日未明には11年半ぶりとなる深夜に見られる一等星の食としてアルデバランの食があります。そのときにも、また多くの方に空を見上げていただきたいと思っています。

 2月16日(火)の午後、おうし座の一等星アルデバランが月に隠される「星食」という現象が見られます。今回は昼間の現象ですが、午後の空の高いところで見られるため、天体望遠鏡で昼間の星を見つける絶好のチャンスになります!。

 星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、今年3月9日には、日本で見られるものとしては4年ぶりとなる部分日食があります。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。最近日本で見られた月食は、2015年4月4日皆既月食が見られました。

 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、私たちからの見かけ上恒星の手前を通過するときに星食が起こります。今回のアルデバラン食では、アルデバラン・月・地球が一直線上に並び、見かけ上アルデバランの手前に月が入り込んでくることにより、月がアルデバランを隠す現象です。

●どこで、どうやって見える?

 今回のアルデバラン食は、2月16日(火)の午後、、南東の空の中ほどにある月が、アルデバランを隠します。昼間の空では星は見えないと思いがちですが、アルデバランは十分な明るさがあるので、条件さえそろえば、昼間の空の中でも望遠鏡を使えば見えるはずです

 今回の食は、南東の高度30〜40度程度の空で起こりますから、月が見える場所であればどこでも観測できます。都会の住宅地などでは、東に開けたベランダなどで充分見ることができる現象です。

2016年2月16日のアルデバラン食の時刻(日本時間)

地名

月の暗縁に隠される

月の明縁から出てくる

日没

札幌

16:02

17:02
17:07

仙台

15:49

17:01

17:16

東京

15:43

16:57

17:24

大阪

15:37

16:49

17:42

福岡

15:31

16:39

18:04

鹿児島

15:27

16:37

18:06

那覇

15:16

16:27

18:23
明縁とは、月の太陽に照らされている(光っている)側の縁のことをいい、暗縁とは、月の太陽に照らされていない(光っていない)側の縁のことをいいます。暗縁に潜入する瞬間ははっきりと見ることができますが、明縁から出現する瞬間は月が明るいため見つけにくいです。

今回のアルデバラン食
東京付近での様子のシミュレーション
 下の図は、各地でアルデバランが隠される時間と、その位置を表しています。時間が経つと星は少しずつ月に近づき、月の縁にふっと消える様子が見られるはずです月の太陽に照らされていない側(暗縁)は見えないので、太陽に照らされている側の形を参考に位置の見当をつけて、隠される時間の30分前くらいから、注意深く探してみると、青空の中に輝く見アルデバランを見つけられるはずです。

 口径の大きな天体望遠鏡では、倍率が低いと青空がまぶしくて星が見えにくい場合があるので、ちょっと高めの倍率にして月の一部が見えるくらいにしたほうが、青空の中に輝くアルデバランを見つけやすくなります。
 アルデバランは、月の裏側に隠れてから約1時間〜1時間10分後、再び月の反対側から現れます。しかし、まだ昼間の明るい青空の中で、月の明るい側(明縁)からの出現になるため、その瞬間を見るのは難しいでしょう。その後、月はアルデバランから少しずつ離れていきますが、太陽が沈んだ後しばらくすると、月のすぐ近くにアルデバランがあるのが肉眼でも確認できるはずです。アルデバランの周囲はヒアデス星団があり、双眼鏡で見るとたくさんの星を見ることができます。その様子も是非見てみてください。

●今年はアルデバランの食の当たり年!

 全天には21の一等星がありますが、このうち月に隠される可能性があるのは、今回のおうし座のアルデバランの他に、しし座のレグルスおとめ座のスピカさそり座のアンタレスの4つしかありません。星食は月によってそのはるか向こうにある星が隠される現象ですから、天球上で月が地球からの見かけ上通る道(白道といいます)の近くにある星しか隠されないのです。

天球上での月の通り道(白道)が毎年変わる様子
クリックすると拡大します
1年分の月の通り道の移り変わりと、
4つの一等星がどの時期に月に隠されるかがわかります
 しかし、実際には天球上の月の通り道は毎回少しずつ変わっています。これは、月が地球のまわりをまわっている軌道面が、地球が太陽のまわりをまわっている軌道面(黄道面・・・黄道=天球上で太陽が地球からの見かけ上通る道)に対して約5゜傾いていて、その傾く方角が約18年周期で変わるために起こります。このため、月に隠される星はいつも同じ星ではなく、ある期間に限って隠される現象が見られることになります。

 さらに、月は地球から最も近い「星」で、地球上の見る場所によっても天球上での位置が変わりるため一等星の星食を良い条件で見られることは、非常にめずらしいことなのです。

月の軌道面の傾きが変わる様子
この傾きの周期が約18.2年
 今年は、今回も含めて5回のアルデバラン食が日本で見られますが、今回と9月22日は昼間ながらも良い条件になります。さらに、11月16日未明に見られるアルデバラン食は、深夜に見られる1等星の星食としては、2005年3月31日のアンタレス食以来、11年ぶりになります。

 星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。当社の毎月の星空案内のコーナーでは、スピカ食はもちろん、星空を気軽に楽しむことができる双眼鏡や望遠鏡を用意しています。この機会に是非お求めいただき、ご自身の目で宇宙の星々が繰り広げるショーをお楽しみください。

商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。

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