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11月11日(土)深夜
レグルスが月に隠される

●当日の様子
 当日はとても良い天気だったので、事務所から少し離れた空が良く開けた公園で観察しました。低空での現象なので大気の影響が大きく、1700mmでもかなりゆらゆらした像でしたが、月の暗縁が見えていたので、出現の瞬間もはっきり見ることができました。
 ビデオ撮影と同時にFH-842RFT双眼鏡でも見ていたのですが このくらいの月齢なら問題なく出現を見ることができました。右の画像のリンクにあるMP4ムービーの最後に、カメラレンズでの映像を収録していますが、双眼鏡ではちょうどこれと同じ感じで見ることできます。

セレストロン CPC1100-J + F6.3レデューサー
APS-Cミラーレスデジカメで撮影した
動画からのキャプチャー
クリックすると編集したMP4ムービー(13.1MB)が見られます
埼玉県川越市にて撮影
 次回の1等星の食は、2018年1月27日のアルデバラン食になりますが、北東北以南では見られません。その後1月31日の皆既月食をはさんで2月2日の早朝には中部地方以北でレグルス食が見られます。次回も是非多くの方に星空を見上げてほしいと思います。

 11月11日(土)深夜(12日(日)未明)、しし座の一等星レグルス(79光年)が月に隠される「星食」という現象が見られます。
2017年1月9日に見られたアルデバラン食の様子  
クリックすると当日の様子の動画も見ることができます→

 星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、昨年3月9日には、日本で見られるものとしては4年ぶりとなる部分日食がありました。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。最近日本で見られた月食は、今年8月8日部分月食が見られました。来年2018年1月31日には、3年ぶりとなる皆既月食も見られます。

 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、私たちからの見かけ上恒星の手前を通過するときに星食が起こります。今回のレグルス食では、レグルス・月・地球が一直線上に並び、見かけ上アルデバランの手前に月が入り込んでくることにより、月がレグルスを隠す現象です。

●どこで、どうやって見える?

 今回のレグルス食は、11月11日(土)の深夜、東の空から昇ったばかりの月が、レグルスを隠します。但し、北海道などごく一部の地域を除いて、レグルスが月に隠されたあと月が昇ってくるため、見られるのは月からレグルスが出てくる暗縁出現のみです。また、九州以西の地域では、月出の前にレグルスが出現してしまいます。下の表は、全国の主な都市でのレグルスが月に隠される時間です。

2017年11月11日(土)〜12日(日) レグルス食の時刻(日本時間)

地名

月出

明縁潜入

暗縁出現

札幌

23:29

23:46

00:42

仙台

23:39

(月出前)

00:37

東京

23:48

(月出前)

00:33

大阪

00:07

(月出前)

00:32

福岡

00:30

(月出前)

00:31

鹿児島

00:32

(月出前)

(月出前)

那覇

00:50 (月出前) (月出前)
明縁とは、月の太陽に照らされている(光っている)側の縁のことをいい、暗縁とは、月の太陽に照らされていない(光っていない)側の縁のことをいいます。明縁に潜入する瞬間は月が明るいため見つけにくいですが、暗縁から出現する瞬間ははっきりと見ることができます。
 月は時間とともにレグルスに接近して隠し、さらに1時間ぐらい経つと、再び月の後ろから現れます特に出現の時が最も見やすい現象になります。月は東の空の低いところにありますから、東の空が水平線近くまで開けている場所を選んで観測してください。

2017年11月12日未明(11日深夜)のレグルス食の各地での出現の位置
月面の傾きは、東京で00時30分ごろに東の空を見たときの角度に合わせてあります。
時間と場所によって多少月面の傾きが変わりますが、
出現の位置は月面座標に対してマッピングしています。

 上は、今回の月食でのレグルスの出現の場所を示したの図です。月面の模様を参考にして、記載の時間の2分くらい前からレグルスが出現する位置を注意深く見ていると、突然「ふっ」とレグルスが出現する様子を見ることができるはずです

 今回は月齢23と月が比較的細いため、肉眼でもレグルスが出現する瞬間を見ることができそうです。さらに、双眼鏡や天体望遠鏡を使えば、容易に捉えることができるはずです。
●今年は一等星の食の当たり年!

 全天には21の一等星がありますが、このうち月に隠される可能性があるのは、今回のしし座のレグルスの他に、おうし座のアルデバランおとめ座のスピカさそり座のアンタレスの4つしかありません。星食は月によってそのはるか向こうにある星が隠される現象ですから、天球上で月が地球からの見かけ上通る道(白道といいます)の近くにある星しか隠されないのです。

天球上での月の通り道(白道)が毎年変わる様子
クリックすると拡大します
1年分の月の通り道の移り変わりと、
4つの一等星がどの時期に月に隠されるかがわかります
 しかし、実際には天球上の月の通り道は毎回少しずつ変わっています。これは、月が地球のまわりをまわっている軌道面が、地球が太陽のまわりをまわっている軌道面(黄道面・・・黄道=天球上で太陽が地球からの見かけ上通る道)に対して約5゜傾いていて、その傾く方角が約18年周期で変わるために起こります。このため、月に隠される星はいつも同じ星ではなく、ある期間に限って隠される現象が見られることになります。

 さらに、月は地球から最も近い「星」で、地球上の見る場所によっても天球上での位置が変わりるため一等星の星食を良い条件で見られることは、非常にめずらしいことなのです。

月の軌道面の傾きが変わる様子
この傾きの周期が約18.2年
 今年は、今回のレグルスの食以外に5回のアルデバラン食が日本で見られる、一等星の食の当たり年です。星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。当社の毎月の星空案内のコーナーでは、レグルス食はもちろん、星空を気軽に楽しむことができる双眼鏡や望遠鏡を用意しています。この機会に是非お求めいただき、ご自身の目で宇宙の星々が繰り広げるショーをお楽しみください。

商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。

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