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1月27日(土)夜 アルデバランが月に隠される

 2018年1月27日(土)夜、おうし座の一等星アルデバラン(65光年)が月に隠される「星食」という現象が見られます。
2017年1月9日に見られたアルデバラン食の様子  
クリックすると当日の様子の動画も見ることができます→

 星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、2016年3月9日には、日本で見られるものとしては4年ぶりとなる部分日食がありました。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。最近日本で見られた月食は、2017年8月8日部分月食が見られました。2018年1月31日には、3年ぶりとなる皆既月食も見られます。

 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、私たちからの見かけ上恒星の手前を通過するときに星食が起こります。今回のアルデバラン食では、アルデバラン・月・地球が一直線上に並び、見かけ上アルデバランの手前に月が入り込んでくることにより、月がアルデバランを隠す現象です。

●どこで、どうやって見える?

 今回のアルデバラン食は、2018年1月27日(土)の夜、南中近くの空高くに見える月が、アルデバランを隠します。但し、北海道と東北地方北部を除いて、アルデバランは月に隠されず、月に接近す様子だけが見られます。下の表は、全国の主な都市でのアルデバランが月に隠される(または接近する)時間です。
 星食の観察は、その星の明るさと月齢、そして月の高度が関係し、これらの条件が整う機会は少ないのですが、今回は月齢10と月がやや大きめですが、暗縁潜入は肉眼でも見ることができそうです。さらに、双眼鏡や天体望遠鏡を使えば、暗縁潜入はもちろん、明縁出現の様子も容易に捉えることができるはずです。
2018年1月27日(土) アルデバラン食の時刻(日本時間)
地名 暗縁潜入

明縁出現

札幌 18:57 19:43
青森 19:01 19:32
盛岡 19:11 19:22
仙台 隠されない 19:14 再接近
東京 隠されない 19:09 再接近
大阪 隠されない 18:59 再接近
福岡 隠されない 18:48 再接近
鹿児島 隠されない 18:45 再接近
那覇 隠されない 18:32 再接近
暗縁とは、月の太陽に照らされていない(光っていない)側の縁のことをいい明縁とは、月の太陽に照らされている(光っている)側の縁のことをいいます。暗縁から潜入する瞬間ははっきりと見ることができますが、明縁に出現する瞬間は月が明るいため見つけにくいです。

2018年1月27日のアルデバラン食の各地での潜入・出現の位置
月面の傾きは、東京で19時00分ごろに西の空を見上げたときの角度に合わせてあります。
時間と場所によって多少月面の傾きが変わりますが、
潜入・出現の位置は月面座標に対してマッピングしています。
 アルデバランの潜入と出現の場所を示したのが上の図です。アルデバランが月に隠される地方では、月面の模様を参考にして、記載の時間の2分くらい前からアルデバランが潜入・出現する位置を注意深く見ていると、突然「ふっ」とアルデバランが潜入・出現する様子を見ることができるはずです
●秋田〜岩手では接食となる
 星食は、日食と同じように見る場所によって見え方が違うという特徴があります。今回の星食では、概ね南に行くほど月の縁近くを通過していきますが、南限界線が通る秋田県にかほ市と岩手県宮古市を結ぶ線上の地域で「接食」として見ることができます。また、この南限界線以南の地域では、アルデバランは月に隠されません。
 接食とは、月がその向こう側にある星をかすめるように移動していく現象で、月の縁にあるクレーターなどの凹凸に星が隠されるため、時には星が何回も点滅して見られることがあります。1994年11月30日におとめ座のスピカの接食の様子がこちらのページにあります。古い画像のため画質はよくありませんが、この時は3分18秒の間に8回の点滅を見ることができました。今回のアルデバラン食でもこのような様子を見ることができるかもしれません!。
 接食が見られる地域は、月に隠されるか隠されないかの境界線を地上に引いた「限界線」と呼ばれる線上のごく限られた地域だけで、わずか数十メートル離れただけでも見え方が変わります。右のGoogle Mapは、今回のアルデバラン食の南限界線を地図上に表示したものです。お近くにお住まいの方は、是非限界線近くに行って観察してみてください。GPSを搭載したスマートフォンなどから、現在地と限界線を確認できるGoogle mapも、こちらに用意しています。限界線付近で最も月に接近するのは19時15〜17分ごろですが、その前後10分くらいが注目すべき時間帯になります。
 今回は、南限界線では暗縁接食(太陽に照らされていない側の縁で起こる)なるため、非常に見やすく、比較的低倍率でも劇的な変化としてみることができるはずです。
●今年の一等星食はアルデバランとレグルス

 全天には21の一等星がありますが、このうち月に隠される可能性があるのは、今回のおうし座のアルデバランの他に、しし座のレグルスおとめ座のスピカさそり座のアンタレスの4つしかありません。星食は月によってそのはるか向こうにある星が隠される現象ですから、天球上で月が地球からの見かけ上通る道(白道といいます)の近くにある星しか隠されないのです。

天球上での月の通り道(白道)が毎年変わる様子
クリックすると拡大します
1年分の月の通り道の移り変わりと、
4つの一等星がどの時期に月に隠されるかがわかります
 しかし、実際には天球上の月の通り道は毎回少しずつ変わっています。これは、月が地球のまわりをまわっている軌道面が、地球が太陽のまわりをまわっている軌道面(黄道面・・・黄道=天球上で太陽が地球からの見かけ上通る道)に対して約5゜傾いていて、その傾く方角が約18年周期で変わるために起こります。このため、月に隠される星はいつも同じ星ではなく、ある期間に限って隠される現象が見られることになります。

 さらに、月は地球から最も近い「星」で、地球上の見る場所によっても天球上での位置が変わりるため一等星の星食を良い条件で見られることは、非常にめずらしいことなのです。

月の軌道面の傾きが変わる様子
この傾きの周期が約18.2年
 2018年は、今回のアルデバラン食以外にレグルスの食も見られますが、夜の現象となるのは今回のアルデバラン食と2月2日のレグルス食だけです。星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。当社の毎月の星空案内のコーナーでは、星食はもちろん、星空を気軽に楽しむことができる双眼鏡や望遠鏡を用意しています。この機会に是非お求めいただき、ご自身の目で宇宙の星々が繰り広げるショーをお楽しみください。

商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。

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