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●●●コラム 天体写真のためのカメラ選び●●●

デジカメの普及で天体がより身近な被写体へ
 従来のフィルム写真の時代にも、アマチュアによる天体写真は多く撮られてきましたが、けして簡単なことではありませんでした。それは、機材が高価であることや、設置調整が難しいこともありますし、現像しなければ結果がわからないことなど、なかなか成功に結びつかなかったということも大きな理由でしょう。

 しかし、CCD撮像素子やさらに安価に提供できるCMOS撮像素子が出現したことで、デジタルカメラが一般にも普及するようになり、これまで難しかった天体写真の撮影も、いまや手軽に楽しめるようになっています。特に、撮影したその場で結果がわかるようになったことは、失敗してもすぐに撮り直しができますから、大きな進歩といえるでしょう。また、これまで目で見ることができなかった遠く暗い天体も、望遠鏡の天体自動導入技術の確立により、手軽に写真に撮ることがでようになりました。
 天体写真は、宇宙からやってくるかすかな光を、カメラが持つ蓄光作用を利用して撮影するため、カメラ選びがよい写真を撮るための大きな決め手となります。これからカメラを買われる方は、以下の点に留意してカメラを選んでみてください。また、すでにカメラをお持ちの方も、これらの点を踏まえて撮影すれば、よりきれいな写真を得ることができると思います。
デジカメの撮像素子(イメージセンサー)の面積が大きいほうが感度が高い
 各カメラのスペックには、「最高感度ISO12800」などの数値が書かれています。この数値は確かに暗い対象を撮影するための目安となりますが、実際にその感度で星空を撮影してみると、画像にざらざらとした「ノイズ」(騒音)がのってしまい、きれいに写らないことがあります。

 デジカメには、レンズから入ってきた光を受ける撮像素子(イメージセンサー)が内蔵されていて、受け取った光を電気信号に変換して画像にしているのですが、この変換する段階で熱などの影響を受けて、「ノイズ」が発生してしまいます。このため、電気的に感度をあげてしまうと、それが増幅されてめだって見えてしまうのです。カメラに内蔵されたソフトウェアで、そのノイズを低減する技術もありますが、根本的な解決にはなりません。

 電気的な増幅に頼らずに感度を上げる方法としては、撮像素子の表面積が大きいほうが、たくさんの光を一度に受けることができるため、実質的に感度が高くなります。現在市販されているカメラでは、APS-Cフォーマットと呼ばれる撮像素子が多く使用されていますが、ライカフォーマット(35mm版フィルムと同じ)や6×4.5と呼ばれるもっと大きな撮像素子もあります。しかし、大きなイメージセンサーのカメラは筐体やレンズも大きく重いものが必要になり、値段的にもかなり高価になります。

 一方で、カメラを小型軽量化するために、フォーサーズ等のより小さい撮像素子を採用したカメラも最近は多くなってきています。特にコンパクトデジタルカメラでは、さらに効率が高い裏面照射型CMOSセンサーを採用して、一眼レフやミラーレスにも引けを取らない高感度を実現しているカメラもあります。感度の点ではライカフォーマットやAPS-Cより劣りますが、小型軽量であることは大きなメリットですし、天体写真が撮れないわけではありませんから、日常の撮影と兼用される方には、ひとつの選択肢として考えられると思います。
主なデジタル一眼レフカメラに使用されている撮像素子のサイズの比較
(同じフォーマットでもカメラの機種により多少の差があります)
6×4.5
ライカ(35mm)
APS-C
フォーサーズ
1/1.8インチ
1/ 2.3インチ
ペンタックス 645Z ニコン
 D5・D850
キヤノン
 EOS 5D Mark IV
ソニー
 α7R II・α9
ペンタックス
  K-1
ニコン
 D500・D7500
キヤノン
 EOS Kiss X8i
ペンタックス
K70
ソニー
 α77 II・α6500
オリンパス
 OM-D
パナソニック
 DMC-G8
ニコン
1 J5
ペンタックス
  Q10






44×33mm
36×24mm
22.5×15mm
17.3×13mm
13.2×8.8mm
6.2×4.6mm
明るいレンズほど短い露出時間で撮影できる
 各カメラのレンズには、撮影できる画角(広さ)を示す焦点距離(mm)とあわせて口径比(F値)がスペックとして書かれています。この口径比は、レンズが集めることができる光と焦点距離の設計値から求められる数値で、F値が少ないほど一度にたくさんの光を集めることができます。結果的に、速いシャッタースピード=短い露出時間で撮影できることになります。

 但し、単純に口径比(F値)だけで比較することはできません。上の項目で書いたように、いくら口径比(F値)が少なくても、使用している撮像素子が小さければ感度が低くなってしまうため、結果的に露出時間が長くなってしまいます。詳しくは、後述の『「35mm版換算」って何?』の項目を参照してください。

 また、口径比の値が小さい(明るい)レンズは総じて大きく重くなり、価格も割高になります。一眼レフなどのレンズ交換式カメラを使用されるのであれば、最初は安価なレンズからはじめて、用途に応じてより明るいレンズを買い足していくのもひとつの方法でしょう。
広角レンズのほうが星が点になる露出時間を長くできる
 固定撮影法では、地球の自転により星が動いてしまうため、星を点に写すにはある程度の時間で露出を止める必要があります。この時間は、使用するレンズの焦点距離によって変わってきます。

 焦点距離が長い(望遠側)のレンズほど露出時間を短くしなければならず、反対に焦点距離が短い(広角側)のレンズほど露出時間を長くできます。このような理由から、固定撮影では標準レンズから広角レンズを使用することが多いです。

 なお、ズームレンズは使用しているレンズが多く光の損失が大きいため、以前は天体写真に適さないとされていましたが、最近のズームレンズは性能が向上し、それほど大きなデメリットではなくなってきています。確かに単焦点のレンズのほうが、口径比も明るいものが多いのでよく写りますが、ズームレンズでも十分に撮影できます。
標準レンズと広角レンズの写り方の違い 広角レンズのほうがたくさんの星を一度に写せる
左は標準レンズ(30mm + APS-Cカメラ)で6秒露出・右は広角レンズ(20mm + APS-Cカメラ)で10秒露出
「35mm版換算」って何?
 デジカメのレンズの仕様を見てみると、「35mm版換算」と呼ばれる数値を良く見かけます。この35mm版とは、これまで一般的に流通していたカメラ用のフィルムのことです。35mmフィルム式カメラでは、フィルムに写る像の大きさはどのカメラでも同じですので、レンズの焦点距離の数値で写る範囲の広さ(画角)を知ることができたのですが、デジカメでは同じ焦点距離のレンズを使っても、撮像素子の大きさによって画角が変わってしまいます。そこで、古くから知られている35mm版フィルムカメラ用のレンズに相当する焦点距離を、スペックとして掲載していることが多いのです。

 下の換算フォームは、デジカメ一眼レフの撮像素子のフォーマットを選んでから、実際のレンズの焦点距離を入力すると、35mm版をはじめとした各フォーマットごとのカメラで、同じ画角になる焦点距離を計算します。また、レンズの明るさも同時に換算することができます。撮像素子が大きいカメラのほうが、実質的に口径比(F値=明るさ)が明るくなることもわかります。
カメラの撮像素子

焦点距離換算値
レンズの焦点距離
mm 
F(口径比)※省略可

6×4.5
ライカ(35mm)
APS-C
フォーサーズ
1/1.8インチ
1/2.3インチ
mm
F
mm
F
mm
F
mm
F
mm
F
mm
F
一眼レフかミラレーレスかレンズ固定式か・・・  
 フィルムカメラの時代から、天体写真では一眼レフ式カメラが多く使われています。これは、撮影する星が十分な明るさがないため、ピントあわせが難しいことが大きな理由です。

 これは現在でも同じで、レンズから入ってくる光を直接見ることができないカメラでは、写る範囲の確認が難しいですし、ピントも正確に合わせることができません。この意味で、ミラーレスタイプのカメラはデメリットがあるのは事実です。

 しかし、デジカメは撮影した画像がすぐに見られますから、何度か試し撮りをしながら構図やピントを調整していくことは可能です。また、ある程度明るいレンズを使用していれば、明るい星はモニタ画面上で確認することができるので、カメラ側の拡大機能を使えば正確にピントを合わせることも可能です。これは、ライブビュー機能を持った一眼レフ式カメラでも有用な方法です。

 一眼レフやミラーレスなどのレンズ交換式カメラは、用途に応じてレンズを交換して使用できますから、普段使いと天体用を共用することもできます。また、レンズを取り外して天体望遠鏡に直接取り付けることもできますから、月・惑星やより遠い星雲星団の撮影にも使用できることになります。

デジカメ一眼レフには、「天体写真用」として販売されているものもいくつかあります。普通のデジカメは、人間の眼で見える光を写真に撮ることを目的にしていますが、一部の銀河系内の星雲には、特定の「色」を発して輝いているものがあり、デジカメの撮像素子によっては、その「色」が写りにくいものもあります。天体写真用として販売されているカメラは、この「色」が写りやすいように、撮像素子についているフィルターの特性を変えてあるのです
 もちろん、天体写真用カメラを使えば、その特定の「色」をもった星雲は美しく撮れるはずです。しかし、それは
普段私たちが眼にしている星の光とは違うものです。天体写真用ではない普通のデジカメでも、天体写真は十分に撮影できます。ですから、天体写真専用のカメラを手にする前に、まずは普通のデジカメで撮ってみてください。そして、さらに眼に見えない光を撮りたくなったら、次の選択肢の一つとして、天体写真専用カメラを検討してもよいのではないかと思います。
※特定の「色」については、こちらのページ(ネビュラフィルター)もご参照ください。
月や惑星の撮影の場合
 ここまでの説明では、遠い宇宙からやってくるかすかな光をカメラの蓄光作用を使って写し出す方法について書いてきましたが、比較的近い太陽系天体である月や惑星の表面を撮影する場合は、天体に十分な明るさがあるため、これまでの説明とはちょっと違ってきます。

 惑星の表面を撮影するためには、望遠鏡で大きく拡大して撮影する必要がありますが、撮像素子が大きいカメラでは、撮像素子が小さいカメラと比べると逆に像が小さくなってしまいます。もちろん望遠鏡側で倍率を上げれば大きく写すことができますが、その分露出時間が長くなり地球の大気の影響が大きくなるなどの理由により、像が悪化してしまいます。この点で、逆に撮像素子が小さいカメラのほうが、望遠鏡側で倍率を上げなくても簡単に高い拡大率を得ることができ、結果的に良い像が得られることが多いです。

 さらに、大気の影響などで悪化した画像を補正する方法として、古くから月や惑星の撮影で良く行われているコンポジット(複数枚の画像を重ね合わせて合成する)法も、画像をパソコンに取り込んで専用のソフトを使って簡単に処理できるようになりました。最近のデジカメはほとんどの機種で動画撮影ができるようになっていますが、撮像素子が小さいカメラのほうが、早い速度で連続して撮影ができるため、コンポジットを行うときにも良い像が得られやすくなります。

 このようなことから、月や惑星については、天体望遠鏡と併用すれば、一眼レフやミラーレスなどのレンズ交換式カメラでなくても、携帯電話やスマートフォンの内蔵カメラでも撮影ができます。但し、レンズを取り外して直接取り付けることはできないため、望遠鏡への取り付け方法を工夫する必要があります。当社オンラインショッピングでは、様々な望遠鏡と接続できるスマートフォン to スコープアダプタ simpleを用意しています。
バッテリーの問題
 天体写真では、シャッターを開けっぱなしにして撮影する必要がありますが、デジカメの電子式シャッターは、シャッターを開けている間にも電池を消耗してしまいます。特に冬の寒い時期はバッテリーの能力が低下するため、数枚写真を撮っただけですぐ電池が切れてしまうこともあります。このような場合に備えて、外部電源が使用できるカメラを選ぶのもひとつの方法です。

 最近のカメラに使用されているリチウム系の充電池は、以前からあるニッケル系の充電池より容量が大きくなり、耐寒性能も良くなっていますので、使用前にしっかり充電しておけば、特に問題はないと思います。中古のカメラを求められるときには、使用しているバッテリーの種類にも気をつけると良いでしょう。

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