2001年7月5日の月食以来3年ぶりとなる月食が、5月5日に全国で見られるはずでしたが、残念ながら全国的に雨となってしまい、ほとんどの地域で見ることができませんでした。しかし九州・沖縄の一部では晴れ間から見ることができ、大分からは下のような画像をお送りいただきましたのでご紹介します。

5月5日の月食の様子 大分県 仲村 知子さん提供
ミヤウチ SCS-60iとコンパクトデジカメにて撮影
左は食がはじまる前の満月 右は皆既直前の様子

 次回日本で見られる月食は、2005年10月17日ほんのわずかに欠ける部分月食があり、その次は2007年8月28日未明に起こる皆既月食となります。


 普段月は、太陽の光りに照らされて私たちにその姿を見せてくれているのですが、右の図のように太陽と地球・月が一直線上に並び、地球の影に月が入ることにより太陽の光を遮られるときに「月食」が起こります。その中でも「皆既月食」と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。

 前回の月食は2001年7月5日の深夜に起こった部分月食でした。さらに皆既月食となると、2001年1月10日に起こりましたが、この時は天候が悪く日本では九州の一部を覗いて見ることができず、全国的に見ることがでたのは、2000年7月16日の皆既月食まで遡ります。
 今回の月食は皆既月食ですが、日本からは明け方沈みながら月が隠される「没帯食」となり、中部地方より東の地方では、皆既になる前に沈んでしまうため、実質的に部分月食として見られます。

2004年5月5日の月食の主な現象の時刻(日本時間)

半影食のはじまり

2:50
※下記参照 札幌の月没 4:22

本影食のはじまり

3:48
月が地球の影に入りはじめる 東京の月没 4:455

皆既食のはじまり

4:52
月全体が地球の影に入る 大阪の月没 5:04

食の最大(49.9%)

5:30
月が地球の影に最も入り込む 福岡の月没 5:27

皆既食のおわり

6:08
月の一部が地球の影から抜ける 那覇の月没 5:50

本影食のおわり

7:12
月全体が地球の影から抜ける 日本では、月食の途中で月が沈んでしまうため、月食の全過程を見ることはできません。

半影食のおわり

8:09
※下記参照
※半影食とは、太陽の光の一部だけが地球に遮られることにより、月が少し暗くなる影のことを言います。肉眼でははっきりとわからないかもしれませんが、望遠鏡でフィルターなどをかけて月の光を少し暗くしてみると、一部が薄暗くなっているのがわかります。

 今回の月食の起こる時間は上の表の通りです。左の画像は東京での月の欠け方のシミュレーション画像です。他の地方でも、ほとんどおなじように見られます。東京では、皆既食になる直前の4:45に月が西の地平線に沈んでしまいます。

 中部地方から西の地方では、月は地球の影にすっぽりと隠され、そのまま西の地平線に沈んで行きます。完全に影に入り込んだ月は、肉眼ではほとんど見えませんが、望遠鏡ではうっすらと赤みを帯びた色に鈍く光っているのを見ることができます。しかし、今回は皆既食のはじまるころには日の出の時刻とも重なり、空がかなり明るくなっているはずです。皆既中の月を見ることができるかどうかは、その地方によって状況が異なってくるでしょう。

 このように、今回の月食は西の空に低い現象ですので、なるべく西の空の開けた場所で観測するようにすれば、より長い時間月食を楽しむことができるでしょう。

 月食は肉眼でもお楽しみいただける天文現象ですが、望遠鏡や双眼鏡を使用すると、欠け際のクレーターの様子などもお楽しみいただけます。Spring Sale! 2004ライナンップでは、月食の観測にも最適な望遠鏡を揃えております。是非この機会にお買い求めいただき、宇宙で繰り広げられる天体ドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

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