梅雨まっさい中の6月16日(木)の早朝(6月15日深夜)の空で、昨年12月21日以来約半年ぶりとなる皆既月食が見られます。
左写真:2007年8月28日の皆既月食の様子 クリックするとそのときの様子を見ることができます。

●月食はどうしておこるの?

 月食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、最近日本で見られた現象では、西日本などの一部で昨年1月15日に見られました。今回の月食の15日前の6月2日にも、北日本などの一部でわずかに欠ける部分日食が見られます。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。
 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こり、日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。
 その天球上を移動している月が、ちょうど太陽の反対側を通過するときに月食が起こります。ですから、月食は必ず満月の日に起こります。また、月食の中でも皆既月食と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。

 前回日本で見られた月食は昨年12月21日で、約半年ぶりとなります。

2011年6月16日(木)の月食の主な現象の時刻(日本時間)

半影食のはじまり

2時24分

※下記参照 札幌の月没 3時56分
東京の月没 4時27分
大阪の月没 4時47分
福岡の月没 5時11分
那覇の月没 5時41分

本影食のはじまり

3時22分

月が地球の影に入りはじめる
皆既食のはじまり 4時22分 月が地球の影にすべて入る

食の最大(170.5%)

5時12分

月が地球の影に最も入り込む
皆既食のおわり 6時03分 月の一部が地球の影から抜ける

本影食のおわり

7時02分

月全体が地球の影から抜ける

半影食のおわり

8時02分

※下記参照
※半影食とは、太陽の光の一部だけが地球に遮られることにより、月が少し暗くなる影のことを言います。半影食のはじめのうちと終わりの方では、あまり変化は見られませんが、本影食の前後30分くらいの間は、望遠鏡や双眼鏡で見ると、一部が影って薄暗くなっているのがわかります。

●今回の月食について

 今回の月食は、日本からは16日未明の西の空に見える月が地球の影に隠され始め、地球の影に一部または全部を隠された月が、西の空に沈む様子をみることができます

 今回の月食の起こる時間は上の表の通りです。右の画像は大阪での月の欠け方のシミュレーション画像です。他の地方でも、時間と欠けかたはおなじように見られます。

 但し、神奈川・山梨・長野・新潟より東の地域では、皆既食(月が地球の影にすべて入る)になる前に月没を迎えてしまいます。

 逆に、関西より西の地方では、より高いところで皆既食となり、月没までの時間も長くなります。上の表の右に各地での月没の時刻を書いてありますので、参考にしてください。

●どこで、どうやって見える?

 今回の月食は、月が西の空に沈みながら起こる現象ですので、なるべく長く月食を見るためには、西の空が地平線近くまで開けた場所で観測すると良いでしょう。木立の少ない山の上や海岸はもちろん、南西側に大きく開けたマンションのベランダなどからも見ることができるはずです。


大阪での月食の起こる様子のシミュレーション
より西の地方では、この図より少し高い空で現象が起こります。
 月食は、肉眼でも十分に楽しめる現象ですが、特に今回の月食では、西の空に沈んでいく月が、朝焼けの空の中に見えるため、空が明るくなってしまうと見つけにくいかもしれません。双眼鏡や望遠鏡を使えば、明るい空の中でも月を見つけることができるはずです。是非この機会にお買い求めいただき、宇宙で繰り広げられる天体ドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

 また、満月ごろの月は、大口径の望遠鏡で見ると非常にまぶしいため、ムーングラスを使って減光すると、長時間継続して観測することができます。各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、この機会に是非お求めください。

●太陽・地球・月の位置を立体的に感じるチャンス!

 今回の月食は、皆既食にかかる時間帯に西の空に沈んでいくので、太陽・地球・月の位置関係を実際に目で見て体験することができるはずです。東の空から昇ってくる太陽からの光が、私たちの立っている地球に遮られ、その影が月に投影されている様子を、是非立体的にご自身の目で確かめてみてください。宇宙で起きている現象がどれだけスケールが大きなことか、そして偶然が重なって月食が起きていることを実感できるのではないかと思います。

双眼鏡や望遠鏡を使って見たときの月食の見え方のシミュレーション

FZ-750GFP等7倍クラスの双眼鏡で見た場合

ポルタA80Mf等、50倍の望遠鏡で見た場合

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