| 2027年8月2日(月)、日食が起こります。今回の日食は、カナダ北東部・グリーンランド南部・アイスランド・北欧・中欧・東欧のほぼ全域・ロシア西部・北アフリカ・中央アフリカ・マダガスカル島・西アジア・中央アジアのほぼ全域・インド半島・マレー半島・スマトラ島までの広い範囲で見ることができ、モロッコ・スペイン・アルジェリア・チュニジア・リビアの地中海沿いからエジプト・サウジアラビア・イエメン・ソマリアまでの帯状の地域で皆既日食となります。 ※この日食は、日本では日没後に起こるため、見ることができません。 |
●日食はどうしておこるの? 日食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、日本では2023年4月20日に部分日食がありました。 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象で、日本では2025年9月8日に皆既月食が見られました。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。 その天球上を移動している月が、ちょうど太陽の手前を通過するときに日食が起こります。ですから、日食は必ず新月の日に起こります。 |

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| ●どこで、どうやって見える? 今回の日食は、ヨーロッパや地中海地方では食分(太陽の前に月が入り込んでくる部分=欠ける部分の大きさ)が十分にあるため、その変化は肉眼でも確認できます。時間的にも太陽が空の高いところにあるので、高い建物や山などがなければ、どこでも見られるはずです。 皆既食帯は、大西洋沖からはじまり地中海に沿って東に横切り、エジプトのナイル川沿いからアラビア半島西岸を通ってインド洋までの帯状の地域で、幅およそ250kmの範囲で見られます。下の地図は、Google Mapに今回の日食の皆既食帯を書き込んだものです。赤い線が食の中心線で、北と南のそれぞれの黒い線が、皆既食の北限界線・南限界線になります。中心線上の黄色のマーカーをクリックすると、その場所での食の中心時刻と皆既食の継続時間・太陽の高さが表示されます。 |
| ※Google mapへの書き込みの都合上、1km以内の誤差が生じる可能性があります。実際には、限界線より内側の場所を選んでください。限界線に近づくほど、皆既食の時間は短くなりますから、なるべく中心線に近い場所を選ぶと良いでしょう。 ※日食当日に、スマートフォン等に内蔵されたGPS機能を使って、自分のいる位置が皆既食帯の中かどうかを確認できるページをこちらに用意しました。必要に応じてブックマークしてお使いください。あらかじめ、スマートフォン等の位置情報機能をONにしてから読み込んでください。 日食を見るための場所選びで最も重要なことは、「晴れていること」です。苦労して海外まで行っても、日食が起こるときに厚い雲で覆われていたら、日食を見ることはできません。 インターネット上には、Weather Spark などに、世界各地の降水量や湿度・晴天率・雲量・標高などのデータがあります。それらを参考に、観測地を選んでください。8月上旬の地中海沿岸や北アフリカ・アラビア半島は乾季なので、総じて晴天率が高い傾向にあります。 ※日食当日の天候は、Windy などの気象予報サイトで数日前から確認して、なるべく雲量のない場所を選ぶと良いでしょう。、 一方、皆既食の時間が長く続く場所のほうが、皆既日食をより確実に、ゆっくりと楽しむことができるという考え方もあります。この点では、なるべく中心線に近い場所を選ぶ必要があります。今回の日食は月と太陽の見かけの大きさの差が大きいので、皆既食の時間がとても長く、計算上一番長く続くのは、エジプトのナイル川中流域付近の中心線で、6分23秒(暫定値)続きます。 また、皆既食が起こるときの太陽の高さも見え方に影響します。総じて空の高いところにあるときのほうが、雲の影響を受けにくくなりますが、良く晴れた日であれば空の低いところでも見ることができるはずです。 |
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| また、皆既日食は、建物や山などに太陽がさえぎられず、皆既帯の中にさえいれば、街中でもどこでも見られます。皆既帯の中にある空港や駅であれば、日食の時間に間に合うように飛行機や列車・バス等に乗って行くだけでも、日食が見られることになります。 今回の日食の皆既帯は、アメリカやヨーロッパ等と比較すると治安の懸念がある地域が多く、天候に合わせて公共交通機関やレンタカー等で自由に移動するのは難しいため、目的地の選択肢は限られるかもしれません。それでも、日本のパスポートであれば観光のための滞在ならビザが不要なモロッコとチュニジアや、アライバルビザ(到着時に発行できるビザ)のあるエジプトであれば、比較的場所の自由度も高く安心して滞在できると思います。現地の信頼できるツアー会社やガイド等に同行してもらえば、安心度はさらに高くなるでしょう。 スペインでは、2026年8月12日の皆既日食・2027年1月26日の金環日食およびこの日食と、1年の間に3回の日食の中心食帯が通過する、歴史的にもめずらしい1年になっています。今回の日食では、アンダルシア地方の南だけを皆既食帯が通過していますが、交通の便もよく宿泊施設なども豊富なので、多くの観光客が集まることでしょう。スペインのアフリカ大陸側の領土であるセウタとメリリャや、国境開放でEUと合意したイギリス領ジブラルタルも、皆既食帯の中に入っています。 スペインのタリファから船でジブラルタル海峡を渡っていくことができるモロッコのタンジェは、フランス統治時代の遺構や旧市街メディナなど、見どころのある街です。チュニジアでは、エルジェムやジェルバ島などの世界遺産が、皆既食帯周辺に散らばっています。エジプトでは、ナイル川中流域の王家の谷や、紅海西岸のマルサ・アラムなどのリゾート地が皆既食帯に入っています。 |
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| もう一つ、皆既日食の楽しみ方の一つに、昼間は見ることができない星空が見えることも大きなポイントです。今回の日食では、皆既中の太陽のすぐ西側に外合直前の金星が見え、少し離れて水星・東側には木星とレグルスがあり、それらが一直線に並んでいる様子を確認できます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| また、周囲が開けた場所であれば、遠くから少しずつ月の影が接近してくる様子や、皆既中に周囲の地平線だけが明るくなっている様子も見られます。地上を照らす太陽の光が徐々に暗くなっていくことや、皆既日食独特の気温の変化や風により、野生動物の動きにも変化が見られることがあります。こうした変化を楽しむには、周囲が開けた高原や、山の中のほうが楽しめるかもしれません。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| ●日食を安全に楽しむには・・・ 部分日食では、太陽からの光の一部しか月に遮られていないため、肉眼でそのまま見ることは大変危険です。太陽は、光の速さで8分の距離にあるとはいえ、原子力発電所の数億倍の規模のエネルギーを発している巨大な核融合炉でもあります。太陽からは様々なエネルギーが私たちの地球に降り注いでいますが、その中には私たち人間に有害な放射線も含まれています。肉眼で直接太陽を見ることは、失明の危険もありますので絶対にしないでください。 |
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| このほかにも、当社オンラインショッピングでは日食を安全に楽しんでいただける太陽観測用のフィルター等を用意しています。このページで紹介しているフィルターは全て日食の観測にそのままご使用いただけます。この機会に是非お求めください。 このように、安全なフィルターなどを取りつけて太陽観測を行うことは、決してむずかしいことではありません。是非この機会に太陽観測にチャレンジしてみてはいかがでしょう。使用方法に十分注意して安全に日食観測をお楽しみください。 |
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| ●日食撮影のTips 日食はまさに千載一遇の天文現象。見に行ったからには、やはり写真やビデオに残したいと思うでしょう。上に掲載した太陽観測用のフィルターを使えば、簡単に写真やビデオに収めることができます。でも、せっかくならもっと美しく撮りたい!。ちょっとしたノウハウで、より美しく日食を撮ることができます。 ■三脚を使いましょう! せっかくの日食ですから、大きくアップにして撮影したいでしょう。対象を大きく拡大して撮影するには、望遠レンズを使用することになります。しかし、望遠レンズは手ブレの影響が大きく現れますから、是非三脚を用意してください。 日食の撮影でも、三脚はもちろんリモコンやセルフタイマーなど、夜の星空を撮影するときのノウハウが、日食の撮影でもそのまま生かせます。天体写真撮影の最も基本となる固定撮影については、こちらのページで紹介しています。海外旅行に持ち出せる、スーツケースの片隅に入れられるコンパクトな三脚もラインナップしています。是非一度ご参照ください。 ■連続撮影は自動追尾にすると便利 皆既日食の場合、月が太陽にかかりはじめてから再び太陽から完全に離れるまで、2時間30分〜3時間程度かかります。動いていく太陽をその都度追いかけてシャッターを切っても良いのですが、毎回雲台の位置を変えて撮影するのは、慣れないとなかなかうまくいきません。また、ビデオ撮影を行う場合、手動で連続して追いかけ続けるのは、時間的に難しくなります。 そんなときに、観測地の緯度と方位がわかっていれば、簡易星野写真儀を使って自動追尾が可能です。カメラ三脚の雲台に簡易星野写真儀を取り付けて南の方角に向け、観測地の緯度にあわせて雲台を傾ければ、大まかな自動追尾ができるようになります。スマートフォン等に内蔵されたGPSや方位センサーを活用すると、より簡単にセットできます。 さらに、昼間の天体を追尾できる天体自動導入機能を内蔵した電動経緯台を使用すれば、さらに正確に太陽を追尾することもできます。観測地の緯度・経度と日付・時刻をスマートフォンから入力し、カメラで太陽を捕らえて設定すれば、その後は自動で追尾します。 ※設定ミスや電源の不具合などが原因で追尾ができない可能性もありますので、自動追尾を設定した後も、定期的に太陽がカメラの中にあるかどうか確認し、必要に応じて修正するようにしましょう。 ■レンズはどのくらいの焦点距離? 初めて日食を撮る場合、どのくらいの望遠レンズを使えばいいのかわからないですよね。これまでも書いてきたように、日食は太陽の前を月が通過して起こる現象で、太陽と月は地球からの見かけ上ほぼ同じ大きさ(約0.5度)に見えます。ですから、満月前後の日に、お手持ちのカメラやレンズで、月がどのくらいの大きさで写るかを確かめておくと良いでしょう。 以下は、実際にいろいろな焦点距離のレンズで日食や月食を撮影したサンプル画像です。持って行くレンズや機材の選定の参考にご参照ください。 ※レンズ固定式のカメラやビデオカメラ・スマートフォンに内蔵されているカメラ等の場合は、各製品の仕様に記載されている「35mm版換算」の焦点距離が、下記の「35mm」の欄の数値に近いものを参考にしてください。 |
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| ■部分食中の絞りとシャッタースピード 太陽に月の一部がかかっている部分食の間は、必ず太陽観測用のフィルターを取り付けて撮影する必要があります。 太陽観測フィルターを通すと、地上の風景や空はほぼ完全に真っ黒な状態で、太陽に向けたときだけ、太陽の光が見える状態になります。このため、絞りやシャッタースピードを完全にオートのままにしてしまうと、周りの暗い部分と平均化されてしまい、少し露出オーバーになってしまいます。 カメラ側で測光モードを変更できる場合は、スポット測光や中央重点測光に切り替えることで、中央の太陽の明るさだけに露出を合わせることができます。この方法なら、太陽を真ん中に入れてから撮影することで、ほぼ毎回適正露出にすることができます。 但し、部分食が進んで太陽が細くなってくると、それでも露出オーバー気味になっていってしまいます。雲がかかったりしない限り、部分食中の露出時間は最後まで変える必要はありませんから、快晴のときは、マニュアル露出に切り替えて、部分食が始まったころの露出時間をキープしたままにしたほうが、良い結果が得られるでしょう。 ※太陽の高度が概ね30度以下になる場合、マニュアル露出では大気の影響による減光を考慮する必要があるため、低くなるにつれて絞りやシャッタースピードを調節する必要があります。 |
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| ■雲がかかっている場合の注意 太陽に地面に影ができない程度の厚さの雲がかかると、欠けている太陽がそのまま肉眼で見えるときがあります。そのときにフィルターをつけていると、逆に太陽が見えません。このような場合、フィルターを外した状態で撮影することになります。雲の流れの中で、太陽の明るさは急激に変化するので、前述の中央重点測光の自動露出にしておくと便利です。 但し、雲から急に太陽が出てしまうと、目に悪影響を及ぼしますし、カメラの故障の原因にもなります。雲から出たら太陽から目をそらすとともに、すぐにカメラにフィルターがつけられるように準備しておく必要があります。 |
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| ■ダイヤモンドリングの瞬間の捉え方 部分食が進み、フィルターを通した太陽が細く長くなってくると、いよいよダイヤモンドリングまで秒読み段階です。 ダイヤモンドリングの瞬間(2nd. contact = 第2接触)は、フィルターを外しておかなければなりません。正確な時刻とその場所での予報がわかっている場合は、タイマーなどで残り時間を計りながら、1分〜30秒前くらいにフィルターを外すようにすると良いでしょう。 時刻が不正確な場合は、フィルター上で太陽が細い線になったところでフィルターを取り外し、ダイヤモンドリングの瞬間を待ちます。上の部分食の写真の右がダイヤモンドリング4分前ですので、目安としてこれよりもう少し細くなったくらいで、フィルターを外すと良いでしょう。 但し、ダイヤモンドリングの瞬間まではまだ太陽から強い光が出ていますので、けして太陽を凝視しないように注意してください。 ■皆既食中の絞りとシャッタースピード 皆既食中は、ダイヤモンドリングの瞬間から引き続き、フィルターははずしたままで撮影します。 望遠レンズを使用している場合、スポット測光や中央重点測光では、逆に月の部分の明るさだけを測ってしまうため、シャッタースピードが長くなってしまいます。皆既食中は通常モードに変更したほうが良い結果が得られるでしょう。また、シャッタースピードの違いにより、コロナの写り方も変わります。露出補正機能やブラケット撮影機能などを使って、シャッタースピードを変えて撮影してみてください。 ただ、撮影することに熱中しすぎて、太陽の周りの星たちの様子や、周囲の様子の変化を見逃してしまいがちです。是非まわりの景色や風や音にも気をつけてみてください。 さらに、皆既食が終わって再び太陽の光が月の向こうから現れるとき(3rd. contact = 第3接触)にも、ダイヤモンドリングが見られます。第3接触のあとは、みるみるうちに太陽の光があふれ、あたりが明るくなります。すぐにフィルターをつけて眼やカメラを保護してください。 |
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