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C/2020 F3 NEOWISE彗星 夕方の北西の空に見えています!

※このページは下に行くほど情報が新しくなります

 アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)が2009年に打ち上げた広視界赤外探査衛星WISE(Wide-Field Survey Explorer)は、2011年までに当初予定していた観測をすべて完遂して一旦休眠状態になりましたが、その後カリフォルニア工科大学(CALTech)やアリゾナ大学・ユタ州立大学を中心に、この衛星を再活用して地球に接近する可能性のある小天体を捜索するプロジェクトがはじまり、2013年12月から新たにNEOWISE(Near Earth Object Wide-Field Survey Explorer)として再稼働をはじめました。

 C/2020 F3彗星は、そのNEOWISEが2020年3月27日に発見した彗星で、発見時は17等とやや暗い天体でしたが、4月下旬から急速に明るくなり、この明るさが持続すると、太陽に最も接近する7月3日前後には肉眼でも見える明るさになるのではないかと予想されています。

 現在、彗星は地球から見て太陽の方角にあるため、地球から直接見ることはできない位置にありますが、太陽観測衛星SOHOのコロナグラフLASCO C3の画像に彗星が写っています。右の画像は6月27日12:42(世界時)の画像で、彗星は右端に写っています。この画像の元データから彗星の明るさを測ると、だいたい2等星くらいで見えていることわかります。太陽に最も近づくのはあと1週間後ですので、もう少し明るくなる可能性もあります。


2020年6月27日12:42のSOHO LASCO C3コロナグラフの画像
 この彗星は、このあと7月に入ると北半球では明け方の東の空に見え始め、その後7月23日に地球に約0.69AUまで接近します。最も明るく見えるのは太陽に最も接近する7月3日前後ですが、そのあと数日は同じくらいの明るさで見えると思われます。7月13日ごろまでは、明け方の東の空のほうが条件が良いですが、その後は夕方の西の空のほうが条件が良くなります

(2020年6月28日)

●コラム● 「AU」ってなに?

 上の解説文の中に「AU」という単位が何度か出てきますね。これは、「天文単位」(Astronimical Unit)という距離を示す単位です。1AUは、太陽と地球の平均距離(149,597,870.7km)で、主に太陽系天体の距離を現すときに使用します。光はこの距離を約8.3分で到達します。つまり、私たちが受けている太陽の光は、約8.3分前に太陽から発せられた光ということになります。



2020年7月9日未明のC/2020 F3 NEOWISE彗星
55mmF5.6+APS-Cミラーレス 5秒露出
岩手県釜石市にて撮影


2020年7月9日未明のC/2020 F3 NEOWISE彗星
PV80E55鏡筒+APS-C一眼レフ 15秒露出
Celestron ASTRO Fi 5-J用架台に取り付け
岩手県釜石市にて撮影
 予想通り、明け方の東の空で長い尾をたなびかせて輝いています!。海外からの画像は当社Facebookページで紹介していましたが、日本ではあいにくの梅雨空で、関東では当分晴れ間が望めず、東北地方に晴れ間がありそう!と、岩手県まででかけて彗星の姿を捉えることができました。はじめは薄雲がかかっていて双眼鏡では見えたものの肉眼ではわからなかったのですが、しばらくして高度が上がってくると、肉眼でもその姿を見つけることができました。

(2020年7月9日)


2020年7月10日未明のC/2020 F3 NEOWISE彗星
55mmF5.6+APS-Cミラーレス 5秒露出
青森県階上町にて撮影
この画像から作ったタイムラプスムービーはこちら(27.5MB)


2020年7月10日未明のC/2020 F3 NEOWISE彗星
PV80E55鏡筒+APS-C一眼レフ 15秒露出
Celestron ASTRO Fi 5-J用架台に取り付け
青森県階上町にて撮影
 上の写真を撮った後、もう一日良い天気が続きそうだったので、少し北上して、青森県と岩手県の県境にある青森県階上町で彗星の姿を捉えました。前日より雲が少なく、周りの星もだいぶ写っていますが、もっと良い条件になると、彗星の暗い部分も見えてきそうです。双眼鏡で見た感じが一番きれいです。
 これから彗星は太陽からは離れていきますが、地球には徐々に接近してくるため、より大きく見えるようになります。13日前後までは明け方の東の空、その後は夕方の西の空の方が条件が良くなります。

(2020年7月10日)


2020年7月18日夕方のC/2020 F3 NEOWISE彗星
50mmF1.2→F2 +APS-C一眼レフ 30秒露出
北海道幌延町にて撮影


2020年7月18日夕方のC/2020 F3 NEOWISE彗星
300mmF4 + APS-C一眼レフ 30秒露出
北海道幌延町にて撮影


2020年7月18日夕方のC/2020 F3 NEOWISE彗星
30mmF1.4→F2.5 + APS-C一眼レフ 60秒露出
北海道幌延町にて撮影
同じ場所で別カメラで撮影した
タイムラプスムービーはこちら(38.6MB)

2020年7月19日夕方のC/2020 F3 NEOWISE彗星
30mmF1.4→F2.8 + APS-C一眼レフ 2.5秒露出
北海道佐呂間町にて撮影


2020年7月19日夕方のC/2020 F3 NEOWISE彗星
135mmF2.5 + APS-C一眼レフ 30秒露出
北海道佐呂間町にて撮影

 こんなすごい彗星が来ているのに、関東では梅雨空の雲がべったりと張り付き、当分晴れ間がのぞきそうもない状況に我慢できずに(笑)、北海道まで遠征をしてきました。予算が少ないので、LCCのなるべく安い便を選んで、機内持ち込みできる範囲ギリギリの機材だけに絞って、どこまで撮れるか、ある意味での「挑戦」をしてきました。

 天候を詳細に調べながら、18日は道北方面に車を走らせて撮影しました。利尻富士のシルエットと彗星の写真を撮りながら、クローズアップも撮ることができました。1997年のヘール・ポップ彗星(C/1995 O1)を彷彿とさせる、すばらしい輝きです。

 19日は、道北は海水温との差でできる海霧が北から降りてきてしまうため、南からの低気圧の雲との境目になるサロマ湖に行きました。それでも海霧といっしょに発生した雲を避けきれず、雲間からの観察になってしまいましたが、とても美しい輝きでした!。

  
 彗星は23日に地球に最も近づきます。この2週間の見た感じと、来週になると月が明るくなってくることを考えると、今週が彗星が最もよく見えると思います。北海道の暗い空では、楽勝で肉眼でその姿を見ることができ、双眼鏡で見ると大迫力!という感じになります。できれば空の暗い場所に出かけて見ていただきたいですが、空の明るい市街地でも、双眼鏡を使えば十分楽しんでいただくことができます。感染対策をしっかりとって、是非見に行ってみてください。

(2020年7月21日)


 ようやく梅雨明けとなり、ひさしぶりに当社事務所で夕方の西の空が晴れたのですが、仕事の関係で山に行くことができないので、事務所3階の窓からカメラを適当に西の方角にセットして、仕事をしながら自動で連続撮影して雲間から現れた彗星をとらえました。

 2週間前から比較するとだいぶ遠くなっていますし、街明かりに加えて今日は南の空に大きな月がもありましたが、この条件でも彗星の姿をとらえることができました。もう少し空が暗い場所に行けば、まだ尾を引いた彗星の姿を見ることができると思います。

(2020年8月1日)


2020年8月1日のC/2020 F3 NEOWISE彗星
30mmF1.4→F2.8APS-C一眼レフ 5秒露出
当社事務所にて撮影

●コラム● 「彗星」ってどんな天体?

 彗星(すいせい)は、地球や他の惑星たちと同じ、太陽系天体のひとつです。太陽系の周囲にあると考えられている「カイパーベルト」や「オールトの雲」から、太陽の重力に導かれて太陽に接近すると考えられています。太陽に近づいた後は、再び宇宙のかなたに去っていってしまうため、ほとんどの彗星は1回しか私たちの前に姿を現しません。

 彗星の構造は、都会で雪が降ったときに作る「汚れた雪だるま」とよく似ていて、氷(水)の中にたくさんの粒子(ダスト)が含まれた状態になっていると考えられています。これが太陽に近づいて、太陽からの放射で表面が溶け出すことにより、その成分が太陽と反対方向に飛ばされて、私たちが見える「尾」として見えるわけです。

◆彗星について詳しくは、こちら(スタークリック2000年夏号)もご参照ください。20年前の記事なので、内容に多少古い記述も含まれますが、より詳しく彗星について記載しています。

 もうひとつ、彗星とよく間違われるのが、流れ星(流星)です。彗星は地球から遠く放れたところを動いていくので、見かけ上ほとんど動いているようには見えません。それに対して流星は、私たちが見上げている空を突然ひゅっと流れます。つまり、とても近いところで起こっている現象です。

 流星は、太陽の周りをまわっている地球に、たまたまその方向にあった宇宙空間の小さな粒子(ダスト)が重力に導かれて地球上に落下してくる現象で、地上から50〜200kmくらいの高さで地球の大気と反応を起こすことで光っています。宇宙の規模から考えると、ほぼ私たちの地球上で起こっていると考えても良い現象です。

 ただ、流星と彗星がまったく無関係であるかというと、そうでもありません。「流星群」と呼ばれるものは、彗星の放出した粒子(ダスト)の中に、偶然地球が入り込んでいくことにより起こります。このようにして、立体的に宇宙を考えてみると、宇宙がとても面白いものに感じられてくるのではないかと思います。


●8月1日〜10日の午後9時00分ごろの西の空


カラー版


プリントアウト用


●8月11日〜31日の午後8時00分ごろの西の空


カラー版


プリントアウト用

 この時期、彗星は宵の西の空に見ることができます。このファインディングチャートは東京での午後8時00分ごろの西の空の図です。大阪では約20分後・福岡では約40分後がほぼ同じ空になります。チャートには4等星までの星を載せています。日付のある水色の●がC/2020 F3 NEOWISE彗星の位置を示します。彗星は地球からだいぶ遠ざかり、毎日の動きが少なくなっているので、2日おきの位置を記載しています。日付の間の日に見る場合は、その中間付近を探してみてください。

 C/2020 F3 NEOWISE彗星は、おとめ座を東に移動していきます。上の図を参考に、空の高いところに見えているアークトゥルスやスピカから見当をつけて探してみてください。彗星はだいぶ空の高いところに移ってきて見やすくなっていますが、それでも建物やが近くにある場所では彗星を遮ってしまうかもしれません。なるべく空が水平線近くまで開けた場所で探してください。

 彗星を見つけるときは、下に掲載した当社オリジナル双眼鏡など、なるべく視野の広く(倍率の低く)口径の大きな双眼鏡や、2インチ広視界アイピース焦点距離の長いアイピースを使って倍率を低くした望遠鏡で探してください。望遠鏡の場合は、天体自動導入装置があると大変便利です。

 写真に収める場合は、天体望遠鏡は使わずに、カメラのレンズをそのまま空に向けて固定撮影で十分捉えられます。固定撮影での撮影方法はこちらで紹介しています。スマートフォン内蔵のカメラでも、アダプタを介して三脚に固定すれば撮影できるかもしれません。

 8月10〜11日にかけては、C/2017 T2 Pan-STARRS彗星(10等)にも見かけ上接近します。

 天体自動導入望遠鏡をお持ちの方は、右の座標を入力すると自動導入ができます。

●Meade AutoStarおよびAutoStar IIの場合
Object→User Object→addで座標を入力してデータを追加してから、その追加したデータを「Select」すると自動導入します。

●Meade AutoStar III(LSシリーズ)の場合
Objectモード(天体の選択モード)でコントローラの一番下にある「MODE」キーを押して現在の座標を表示してから「GOTO」キーを押し、目標の座標を入力してから「ENTER」キーを押すと、目標の座標を自動導入します。

●Sky-Watcher / Sky Explorer SE-GT SynScan(日本語版)の場合
カタログの選択モードでユーザーキー(9キー)を押し、「座標の入力」を選択→「1)RA-Dec」で1キーを押して座標入力→任意の番号に保存してから、その番号のデータを「座標の取得」で呼び出し、確認キーを押して自動導入します。

●SynScan Wifiアダプタ / AZ-GTi SynScan appの場合
「ユーザーオブジェクト」→「天体」を選び、「現在の対象」の代わりに適当な名前(C/2020 F8など)と座標を入力してから「+」を押してオブジェクトを登録し、上の「導入」をタップすると自動導入します。

●NexStar+(日本語版)の場合
Menuキー(7キー)を押して、「マニュアルにて赤経 赤緯を設定・移動」を選択して座標を入力し、Enterキーを押して自動導入します。

●NexStar Evolution・ASTRO Fi・COSMOS 90 Wifiの場合
Celestron SkyPortal appのSearchからComet→C/2020 F3(NEOWISE)を選び「Goto」をタップすると自動導入します。

C/2020 F3
NEOWISE彗星
の座標
(日本時間20時00分)

日付 赤経(R.A.) 赤緯(D0ec.)
8/10 13h29m.8 +13゜06'
8/11 13h33m.8 +11゜55'
8/12 13h37m.6 +10゜49'
8/13 13h41m.1 +09゜45'
8/14 13h44m.5 +08゜45'
8/15 13h47m.6 +07゜48'
8/16 13h50m.6 +06゜53'
8/17 13h53m.5 +06゜01'
8/18 13h56m.2 +05゜12'
8/19 13h58m.9 +04゜25'
8/20 14h01m.3 +03゜40'
8/21 14h03m.7 +02゜57'
8/22 14h06m.0 +02゜16'
8/23 14h08m.3 +01゜36'
8/24 14h10m.4 +00゜59'
8/25 14h12m.5 +00゜22'
8/26 14h14m.5 -00゜12'
8/27 14h16m.4 -00゜45'
8/28 14h18m.3 -01゜18'
8/29 14h20m.1 -01゜49'
8/30 14h21m.9 -02゜19'
8/31 14h23m.6 -02゜47'

C/2020 F3 NEOWISE彗星 軌道要素

近日点通過 = 2020/07/03.68284(TT)
近日点距離 = 0.2947433 AU
近日点引数 = 37.27149
昇交点黄経 = 61.01204 (2000.0)
軌道傾斜角 = 128.93713
離心率 = 0.9992040
(Ephemeris from M.P.E.C. 2020-L06)

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