Meade LS-15 + デジカメ一眼レフで撮影した天体

このページの写真は、Meade LS-15をAutomaticモードでアライメントを行ってから天体を自動導入し、2インチ天頂ミラー&カメラアダプタを介してデジカメ一眼レフを取り付けて、90秒以内の短時間露出ノータッチガイド(カメラを取り付けて露出しているだけ)で撮影した画像です。近年のデジカメの低ノイズ化により、この程度の画像は簡単に得ることができるようになりました。どの画像も、クリックすると大きなサイズの画像を見ることができます。


木星
2インチ天頂ミラー&カメラアダプタ+拡大撮影用延長筒
Meade SP26mmアイピース使用
APS-Cデジカメ一眼レフ  

縞模様は最近再び濃くなってきましたが、大赤班はまだ白いままです。


ヘルクレス座M13 球状星団
APS-Cデジカメ一眼レフ 直焦点撮影
 15秒露出 
長野県野辺山高原にて

銀河系の周辺部を取り巻くように存在している、星がボール状に集まった天体。その原理などまだ謎の多い天体です。


月 APS-C デジタル一眼レフ 直焦点撮影

2インチ天頂ミラー&カメラアダプタ+拡大撮影用延長筒とMeade SP26mmアイピースを使用して、APS-Cデジカメ一眼レフで月面を拡大撮影した動画はこちら(WMV形式)


M8 いて座干潟星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 90秒露出 埼玉県堂平山山にて

M20 いて座三裂星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 90秒露出 埼玉県堂平山にて
堂平山は東京都心から60kmしかはなれていないため、空はけして暗いとはいえず、なおかつ南の空は街明かりの影響が強いのですが、南の空に低いこれらの天体をここまで写すことができます。この撮影のときは家族を連れてのわずか1時間の滞在だったため、ピントの追い込みが今ひとつ悪く、星像がちょっと大きめです。

M27 こぎつね座亜鈴状星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F3.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて

M57 こと座リング星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 30秒露出 
長野県野辺山高原にて
どちらも夏の空に見える有名な惑星状星雲です。望遠鏡を使えば眼視でも十分に見える天体ですが、目では色をはっきり識別することはできません。しかし、写真に撮ると超新星爆発のあとのプラズマが広がっている様子を、赤や青い光といっしょに見ることができます。

M31 アンドロメダ大銀河
APS-Cデジカメ一眼レフ F3.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて

M45 プレアデス星団(すばる)
APS-Cデジカメ一眼レフ F3.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて
F3.3レデューサとAPS-Cタイプのカメラの組み合わせではCCDチップよりもイメージサークル(画像の範囲)が狭くなってしまい、周辺像もゆがんでしまいますが、露出時間は直焦点やF6.3レデューサと比べると大幅に短縮することができます。

M31 アンドロメダ座大銀河
ミラーレスデジカメ一眼レフ F3.3レデューサ使用
 60秒露出 
富士山須走口五合目にて

M45 おうし座プレアデス星団(すばる)
ミラーレスデジカメ一眼レフ F3.3レデューサ使用
 60秒露出 
富士山須走口五合目にて
上の2枚と同じ対象を、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼レフで撮影したものです。チップが小さいので、APS-Cほどイメージサークルの小ささは感じませんが、感度が低くノイズも目だってしまいます。露出時間は、上ののAPS-Cタイプの2倍かけています。

M42 オリオン大星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F3.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて

M42 オリオン座大星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて
有名なオリオン座大星雲を、F3.3レデューサとF6.3レデューサで撮り比べてみました。カメラと露出時間は同じですが、F3.3のほうが全体に明るく、星雲の暗い部分まで写すことができます。しかし、F6.3のほうが周辺部まで良いピントが出るため、写真としてはすっきりとして見えますね。

M1 おうし座かに星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて

M78 オリオン座散光星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて
M1はメシエカタログの筆頭として、またM78は「ウルトラマン」の故郷(笑)として、どちらも名前をよく知られた星雲です。この種の星雲は望遠鏡を使っても眼視では見つけるのが難しく、従来のフィルム写真では長い露出時間が必要でしたが、デジカメの高感度化によってより身近な天体になってきています。

NGC2403 きりん座銀河
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて

M81・M82 おおぐま座銀河
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 30秒露出 
富士山須走口五合目にて

M51 りょうけん座銀河(子持ち銀河)
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 1分45秒露出 長野県小海町にて

M104 おとめ座銀河(ソンブレロ銀河)
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 60秒露出 長野県小海町にて
私たちの銀河系の外側にある銀河も撮ることができます。NGC2403は800万光年・M81(右)は120万光年・M82(左)は1200万光年・M51は3700万光年・M104は4600万光年かなたにある銀河です。M82は銀河の内部で分裂が起こり、強いX線が出ていることが知られていますが、分裂している様子はこの写真でもわかりますね。これらの写真には、最も暗い星で16等星まで写っています。M51の写真は1分45秒と長時間露出していますが、そのため経緯台での追尾で起こる回転現象が起きているのがわかります。

M42 オリオン座大星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 8秒露出 東京都新宿区にて

M42 オリオン座大星雲
APS-Cデジカメ一眼レフ F6.3レデューサ使用
 8秒露出 
UHCフィルター使用 東京都新宿区にて
Meade LSのオートマチックアライメントは、星がほとんど見えないような街中でも使用することができます。上の写真は、東京都心の山手線の内側に位置する明治公園で撮影したものです。行きつけにしているラーメン屋さんに行ったついでに(笑)、都心でどの程度まで使用することができるかをテストしたときのものです。右の写真はそのときの様子で、公園内は煌々と水銀灯が灯され、人の顔がはっきりと判別できるほどの明るさでしたが、肉眼で基準星が見えている状態であれば、問題なく使用できます。
 そのまま写真に撮ると、わずか8秒の露出でも左の写真のように真っ白な画像になってしまいますが、星雲の光だけを透過する
UHCフィルターを使用すると、同じ8秒露出でもここまで星雲を写し出すことができます。但し、特定の色だけを透過しているため、星雲以外の星の色やバックの星空の色は不自然になってしまいます。肉眼で見た場合も、この写真とほぼ同じように見えますので、街明かりのあるところで星雲を見る場合には、UHCフィルターは有用な手段と言えると思います。