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2月2日(金)未明 レグルスが月に隠される

 2018年2月2日(金)未明、しし座の一等星レグルス(79光年)が月に隠される「星食」という現象が見られます。
2017年11月12日に見られたレグルス食の様子  
クリックすると当日の様子の動画も見ることができます→

 星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、2016年3月9日には、日本で見られるものとしては4年ぶりとなる部分日食がありました。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。最近日本で見られた月食は、2017年8月8日部分月食が見られました。2018年1月31日には、3年ぶりとなる皆既月食も見られます。

 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、私たちからの見かけ上恒星の手前を通過するときに星食が起こります。今回のレグルス食では、レグルス・月・地球が一直線上に並び、見かけ上レグルスの手前に月が入り込んでくることにより、月がレグルスを隠す現象です。

●どこで、どうやって見える?

 今回のレグルス食は、2018年2月2日(金)の未明、西の空に傾いた月が、レグルスを隠します。但し、東海・北陸地方以西の地域ではレグルスは月に隠されず、月に接近す様子だけが見られます。下の表は、全国の主な都市でのレグルスが月に隠される(または接近する)時間です。
 星食の観察は、その星の明るさと月齢、そして月の高度が関係し、これらの条件が整う機会は少なく、今回は月齢16と月が大きいため、肉眼では見ることは難しいかもしれませんが、天体望遠鏡では暗縁出現はもちろん、少し倍率を上げれば明縁潜入の様子も捉えることができるはずです。
2018年2月2日(金) レグルス食の時刻(日本時間)
地名 明縁潜入

暗縁出現

札幌 04:36 05:22
仙台 04:49 05:25
東京 04:59 05:22
静岡 05:06 05:17
名古屋 ※ 隠されない 05:10 再接近
岐阜 05:07 05:12
大阪 隠されない 05:10 再接近
福岡 隠されない 05:08 再接近
鹿児島 隠されない 05:11 再接近
那覇 隠されない 05:18 再接近
明縁とは、月の太陽に照らされている(光っている)側の縁のことをいい暗縁とは、月の太陽に照らされていない(光っていない)側の縁のことをいいます。明縁から潜入する瞬間は月が明るいため見つけにくいですが、暗縁に出現する瞬間ははっきりと見ることができます。
※名古屋では、市内を限界線が通っているため、場所によって隠されるところと隠されないところがあります。詳しくは下の接食の項目をご参照ください。

2018年2月2日のレグルス食の各地での潜入・出現の位置
月面の傾きは、東京で5時00分ごろに西の空を見上げたときの角度に合わせてあります。
時間と場所によって多少月面の傾きが変わりますが、
潜入・出現の位置は月面座標に対してマッピングしています。
 レグルスの潜入と出現の場所を示したのが上の図です。レグルスが月に隠される地方では、月面の模様を参考にして、記載の時間の2分くらい前からレグルスが潜入・出現する位置を注意深く見ていると、突然「ふっ」とレグルスが潜入・出現する様子を見ることができるはずです
●福井〜静岡では接食となる
 星食は、日食と同じように見る場所によって見え方が違うという特徴があります。今回の星食では、概ね南に行くほど月の縁近くを通過していきますが、南限界線が通る福井県敦賀市と静岡県御前崎市〜伊豆諸島付近の海域を結ぶ線上の地域で「接食」として見ることができます。また、この南限界線以南の地域では、レグルスは月に隠されません。
 接食とは、月がその向こう側にある星をかすめるように移動していく現象で、月の縁にあるクレーターなどの凹凸に星が隠されるため、時には星が何回も点滅して見られることがあります。1994年11月30日におとめ座のスピカの接食の様子がこちらのページにあります。古い画像のため画質はよくありませんが、この時は3分18秒の間に8回の点滅を見ることができました。今回のレグルス食でもこのような様子を見ることができるかもしれません!。
 接食が見られる地域は、月に隠されるか隠されないかの境界線を地上に引いた「限界線」と呼ばれる線上のごく限られた地域だけで、わずか数十メートル離れただけでも見え方が変わります。右のGoogle Mapは、今回のレグルス食の南限界線を地図上に表示したものです。お近くにお住まいの方は、是非限界線近くに行って観察してみてください。GPSを搭載したスマートフォンなどから、現在地と限界線を確認できるGoogle mapも、こちらに用意しています。限界線付近で最も月に接近するのは5時9分〜12分ごろですが、その前後10分くらいが注目すべき時間帯になります。
 今回は月が大きいため、高めの倍率にして月が視野の中で占める割合を少なくしたほうが見やすいでしょう。
●今年の一等星食はアルデバランとレグルス

 全天には21の一等星がありますが、このうち月に隠される可能性があるのは、今回のおうし座のアルデバランの他に、しし座のレグルスおとめ座のスピカさそり座のアンタレスの4つしかありません。星食は月によってそのはるか向こうにある星が隠される現象ですから、天球上で月が地球からの見かけ上通る道(白道といいます)の近くにある星しか隠されないのです。

天球上での月の通り道(白道)が毎年変わる様子
クリックすると拡大します
1年分の月の通り道の移り変わりと、
4つの一等星がどの時期に月に隠されるかがわかります
 しかし、実際には天球上の月の通り道は毎回少しずつ変わっています。これは、月が地球のまわりをまわっている軌道面が、地球が太陽のまわりをまわっている軌道面(黄道面・・・黄道=天球上で太陽が地球からの見かけ上通る道)に対して約5゜傾いていて、その傾く方角が約18年周期で変わるために起こります。このため、月に隠される星はいつも同じ星ではなく、ある期間に限って隠される現象が見られることになります。

 さらに、月は地球から最も近い「星」で、地球上の見る場所によっても天球上での位置が変わりるため一等星の星食を良い条件で見られることは、非常にめずらしいことなのです。

月の軌道面の傾きが変わる様子
この傾きの周期が約18.2年
 2018年は、今回のレグルスの食以外にアルデバラン食も見られますが、夜の現象となるのは今回のレグルス食と1月27日のアルデバラン食だけです。星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。当社の毎月の星空案内のコーナーでは、星食はもちろん、星空を気軽に楽しむことができる双眼鏡や望遠鏡を用意しています。この機会に是非お求めいただき、ご自身の目で宇宙の星々が繰り広げるショーをお楽しみください。

商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。

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