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 そろそろ桜のたよりが各地から聞こえてくる今日このごろ。皆さんのお住まいの近くではいかがすか?。この事務所のある埼玉でも、朝晩の冷え込みもすっかり緩み、鳥のさえずりや木々の緑がすっかり春を感じさせるようになりました。窓から見える向かいの林からは、毎朝うぐいすの泣き声が聞こえてきています。

 先週、福岡に出かけたときに、途中で北九州の門司港にある旧三井倶楽部に立ち寄ってきました。左の桜の写真は、その旧三井倶楽部の敷地内に咲いていた桜をJR門司港駅の現役の駅舎をバックにして撮ったものです。おそらくおおしまざくらの中でも特に早く花を付けるものだと思いますが、緑の葉と桜の花のコントラストがとてもきれいですね。

 この旧三井倶楽部は、大正10年に三井財閥の迎賓館として建てられたもので、翌年の大正11年に、現在の天文物理の基礎となっている一般相対性理論の発見者である、物理学者のアルバート・アインシュタイン博士が福岡で来日公演を行った際にこの建物に宿泊し、その当時に使用していた家具類などと共に展示されています。展示室内には日本を訪れた感想を記した、自筆の文書のコピーも展示されています。文書のとなりには日本語に翻訳されたものが自由に閲覧できるようになっており、近代の日本の産業を支えてきた科学技術の発展と、現代の日本が抱えている空洞化をはじめとした様々な問題を、あらためて考えさせられる気がしました。

 アインシュタインの一般相対性理論によると、光より「速いもの」はない・・・ことなりますが、最近では光より速い粒子の存在も少しずつ明らかになり、一般相対性理論だけでは説明できないことも増えてきてしまいました。しかし、まだ私達の身近な天文分野では、宇宙からの星の「目に見える光」からたくさんのことを知り、感じ、そして学んでいます。春の霞みのかかった空にも、星たちは美しく輝いているのです。4月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空にはまだ冬の星座たちが輝いています。北よりの空に明るく輝くぎょしゃ座カペラおうし座アルデバラン、その南側には冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス・全天で最も明るい恒星のシリウスのあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオンが冬の大三角を形作っています。

 この季節、シリウスベテルギウスカペラはほぼ一直線に並んで見えますが、ベテルギウスとカペラの間にももう一つ一等星が見えます。これが土星です。土星は望遠鏡で見ると丸い本体のまわりをくるっとドーナツ状の環が取り巻いている様子をみることができます。

 さらに空の高いところに目を移すと、ふたご座カストルポルックスが仲良く並んでいるのを見ることができます。お兄さんのカストルの方が若干暗い2等星で、弟のポルックスの方は1等星です。

 ふたご座よりさらに高いところ、宵空ではほとんど天頂近くに、今の夜空では最も明るく輝く木星の姿も見ることができます。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあります。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。望遠鏡で見ると、木星本体にある縞模様や、木星のまわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見された衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星と木星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイまたはドセイを選択

20倍くらいの望遠鏡で見た木星とプレセペ クリックすると拡大します
4月5日に最も接近したころの様子
ガリレオ衛星や木星の縞模様もこの倍率くらいからわかります。
画面上では木星の明るさを表現できないため暗く感じますが、
実際には木星はまぶしいほどの明るさです。
 木星は2月2日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)をむかえ、観望に最高の時期を迎えています。地球より外側をまわる「外惑星」は、地球と外惑星とその外側の星座の星々との位置関係により、衝の前後に「順行」「逆行」「留」などと呼ばれる非常に複雑な動きをします。4月5日は、逆行から順行に移り変わる「留」(りゅう)にあたりますが、この日に木星を双眼鏡や小望遠鏡で見てみると、すぐ近くにごちゃごちゃっとした星の集まりを見つけることができるはずです。この星の集まりは「プレセペ」と呼ばれる散開星団で、M44という番号がついています。太陽系からの距離は510光年と、1月のこのコーナーで紹介したぎょしゃ座の散開星団などの比べるとずっと近いところにあるため、大きく広がって見える星団です。山の上など星空のきれいな場所であれば、肉眼でもその存在を見つけることができるため、古星図などにもその存在が記録されていて、イギリスのイングランド地方では「ミツバチの巣」とか、中国では死者の魂の集まる場所と考えられていたようです。

 土星の環や木星の縞模様・プレセペなどの明るい星雲や星団は、口径6cmクラスの望遠鏡でも見ることができます。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径6cmですから、充分お楽しみいただけます。是非あなたの目で宇宙のほんとうの姿を確かめてみてください!。

おおぐま座銀河M81・M82の
望遠鏡で見たときのシミュレーション画像
20cmクラスの望遠鏡で50倍くらいの倍率で見たときの
視野にしてあります

Meade オートスターでの導入方法

セイウンセイダン→メシエテンタイ→
キーで81・82を入力

天体自動導入装置のない望遠鏡での見つけ方はこちら

 一方、東の空に目を転じると、冬の星座に比べるとおとなしめに輝く春の星座を見ることができます。そんな春の星の中でも特に目立つのが、北の空に見える北斗七星です。北斗七星は星座ではなくおおぐま座という星座の一部になります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルスおとめ座スピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。

 春の星座の方角は、太陽系のある天の川銀河の円盤状になっているちょうど薄くなった方角にあたります。このため、天の川銀河の中の星たちの数が少なく、その外側にある他の銀河をたくさん見ることができます。その中でも、おおぐま座の中にあるM81と82は、どちらも約1800万光年と比較的天の川銀河に近く、小望遠鏡でも見やすい天体です。

 左の画像は望遠鏡で見たようすのシミュレーション画像で、下の大きめの方がM81、上の細長い方がM82です。空の条件のよいところでより大口径の望遠鏡を使ってみると、この画像よりもっと細かいところまで見えるときもあります。特にM82のほうは、明るい部分が複雑に分裂している様子をみることができます。ここからは、強力なX線や電波が発せられていることが地上からの観測で解っており、銀河内部で大爆発が起こっていると考えられています。

 おおぐま座周辺には、この他にも小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。

 惑星や星雲・星団を楽しんでいると、夜が更けるのもはやいものです。2:00ごろになると、東の空にはもう夏の星座が昇ってきます。赤く輝くさそり座アンタレスよりも、もう少し南東の空に赤く不気味に赤く光る星を見つけることができるはずです。この星が地球のすぐ外側をまわる火星です。火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。

 火星は、今年8月に129年ぶりの大接近を迎えます。火星と地球は2年2カ月おきに接近をします。前回の接近は2001年6月11日でした(左の画像はその時の様子)が、今回はその時よりももっと近くに接近し、近年では最も近づく大接近中の大接近になります。今回ほどの大接近になると、小望遠鏡でも十分に表面の模様を見ることができます。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、是非確かめてください!。

20cmクラスの望遠鏡で見た火星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択

 夜明けまで星空を見上げていると、朝焼けの中に明けの明星の金星が昇ってきます。地球のすぐ内側をまわっている金星は、望遠鏡で見ると左の画像のように月と同じように満ちかけをしながら、地球に近づいたり離れたりして、その大きさ変えていることがわかります。

 これから少しずつ暖かくなって、夜空を見るのも楽しい季節ですね。是非あなたの目で宇宙からの星たちの光を確かめてください!。

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各マークについての解説はこちら
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