タイトル画像および背景画像:マーズオービターカメラ(MOC)システムで撮影した火星
Image from (C)NASA

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 早くも今年最初の台風の上陸。雨の多いこの季節、毎日がうっとうしい日々が続きますね。空の方もなかなか晴れず、洗濯物も乾きにくい。カビが成長するのもこの時期です。望遠鏡のレンズにカビが生えた〜ということにならないように、ときどき風通しの良いところに出して乾燥させるようにしましょうね。

 こんな梅雨空の日々でも、時折見られる晴れた夜空は、空気の汚れがすっかり洗われて、とてもきれいな星空が見られます。6月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西から天頂にかけては、春の星座が見えています。西の空でひときわ明るく輝いているのは木星です。夕方の西空に見えるので、宵の明星の金星と間違えてしまう方もいるかもしれませんが、今金星は明けの明星として輝いています。

 木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあります。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。望遠鏡で見ると、木星本体にある縞模様や、木星のまわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見された衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。

 木星から目を北の空の高いところに転じると、春の星の中でも特に目立つ北斗七星をみることができます。北斗七星は星座ではなくおおぐま座という星座の一部になります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルスおとめ座スピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。うしかい座には、先月のこのコーナーで紹介した球状星団M3があります。また、おとめ座から空の高いところに目を向けると、星空のきれいなところでは、小さな星がごちゃごちゃっと散らばっているのを見ることができます。ここがかみのけ座と呼ばれる星座で、かみのけ座全体がMel.111(メロット111)という星団になっていています。この星団までの距離は約270光年と比較的近い星団のため、肉眼でもわかる大きな広がりを持っています。

 この付近は、ちょうど私達の銀河系の薄くなった方角にあたるため「銀河ののぞき窓」などと言われていて、口径の大きな望遠鏡で見てみると、無数の銀河(小宇宙)が群がっている様子を見ることができます。

20cmクラスの望遠鏡で見た木星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイを選択

 一方、東の空にはもう夏の星座が見えています。空の中ほどに、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ・わし座のアルタイルはくちょう座デネブで作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。また、南の空にはさそり座の姿も見えています。

 夜半ごろになると、赤く輝くさそり座のアンタレスよりも、もう少し東よりに寄った空に、赤く不気味に赤く光る星を見つけることができるはずです。この星が地球のすぐ外側をまわる火星です。火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。

 火星は、今年8月に129年ぶりの大接近を迎えます。火星と地球は2年2カ月おきに接近をします。前回の接近は2001年6月11日でしたが、今回はその時よりももっと近くに接近し、近年では最も近づく大接近中の大接近になります。今回ほどの大接近になると、小望遠鏡でも十分に表面の模様を見ることができます。

 地球のすぐ外側をまわる火星は、約1年10カ月の周期で太陽のまわりをまわっています。1年で一周する地球とは、約2年2カ月の間隔で接近します。ところが、火星は軌道が少し歪んでいるため、その接近するときの地球と火星の位置によっては大きく接近したり、あまり接近しなかったりします。その様子は下の図のようになります。火星軌道の歪みが太陽に寄っている7〜9月に接近が起こるときのことを「大接近」と呼んでいて、火星を観測する絶好の機会となります。


今回の火星の大接近の様子を
宇宙から見たシミュレーション
緑が地球の軌道・赤が火星の軌道
各惑星は解りやすいように大きくしてあります。
地球は火星に追いつき、追い越して行く

今回の火星の大接近での、火星の視直径(見かけの大きさ)の変化のシミュレーション

6月3日と8月27日では2倍の差がある。

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択

これから15年間の地球と火星の接近する日とその距離
接近する日 距離 視直径
2003/8/23 0.373

25.2

2005/11/3 0.466

20.2

2007/12/19 0.589

15.8

2010/1/29 0.664

14.0

2012/2/29 0.677

13.7

2014/4/6 0.624

15.1

2016/5/18 0.517

18.0

2018/7/25 0.387

24.1

距離の単位はAU(天文単位)
1AUは地球と太陽の平均距離

視直径の単位は角度の秒


地球と火星の軌道を上から見た図
 火星は、酸化鉄などを成分とした地表が太陽に照らされて、その反射した光が私たちの目に赤い色として見えています。表面には小望遠鏡でも見える細かい模様があり、また、地球の南極と北極にあたる部分には「極環」と呼ばれる白い部分も見られます。これは火星表面の二酸化炭素が凍ってドライアイスのようになっていると考えられています。ちょっと大きめの口径の望遠鏡で、毎日同じ時間に火星を見てみると、これらの模様が日に日に変化して行く様子も見ることができます。これは火星の自転周期が地球の時間で24時間37分と、地球よりちょっとだけ長いことから起こります。もちろん一日の中でもその様子は刻々と変化していきます。

大接近・中接近・小接近での大きさの比較
最遠の時は太陽の向こう側にいるので、
実際には地球から見ることはできません。
今回の大接近が火星の観望に最適であることがわかりますね

 地球のすぐ外側をまわる火星は、地球ととても良く似た環境を持っていることから生命の存在が以前からよく取りざたされている星です。「火星人」のイラストを目にしたことのある方も多いでしょう。でも、現時点で解っている範囲では、まだ火星に生命体は確認されていません。私達人類が火星の最初の(?)生命体となる日もそう遠くないかも知れません。

 大接近のときの火星の模様や木星の縞模様は、口径6cmクラスの望遠鏡でも見ることができます。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径6cmですから、充分お楽しみいただけます。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、是非あなたの目で確かめてください!。

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