2015年4月4日(土)の皆既月食についてはこちら

◆月食当日の様子

 今回の月食は全国的に好天に恵まれましたが、事前にあまりメディアで取り上げられなかったため、ご覧になった方は少なかったかもしれませんね。

 月出にあわせて、当社事務所のある日高市内の高台に行ってみました。春霞が濃く、地平線から昇る月は残念ながら見ることができませんでしたが、本影食が終わる直前の18:30ごろから、大気に減光された赤い月が、地球の影から出てくるところを見ることができました。

 次回、日本で見られる月食は、今年10月8日の宵空での皆既月食になります。そのときには、多くの方に空を見上げていただきたいと思っています。

18:34本影食終了時 18:40 本影食が終わっても、
上部が暗くなっているのがはっきり解ります。

 新しい年度が始まってすぐ、4月15日(火)の夕方の東の空で、月食中の月が昇ってくる様子が見られます。
左写真:2011年12月10日の皆既月食の様子 クリックするとそのときの様子を見ることができます。

●月食はどうしておこるの?

 月食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、2012年5月21日には、本州で見られるものとしては129年ぶりとなる金環日食がありました。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。
 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。最近日本で見られた月食は2011年12月10日の皆既月食がありました。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。
 その天球上を移動している月が、ちょうど太陽の反対側を通過するときに月食が起こります。ですから、月食は必ず満月の日に起こります。また、月食の中でも皆既月食と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。

●今回の月食について

 今回の月食の起こる時間は下の表の通りです。今回の月食は皆既月食ですが、日本からはまだ水平線の下に月がある時間に月食が始まるため、日本では月食が終わる後半部分だけが見られることになります。

2014年4月15日(火)の月食の主な現象の時刻(日本時間)

半影食のはじまり

13時52分

※下記参照 ●月出の時刻
札幌 18時17分
東京 18時14

大阪 18時30分
福岡 18時50分
那覇 18時54分

本影食のはじまり

14時58分

月が地球の影に入りはじめる
皆既食のはじまり 16時06分 月が地球の影にすべて入る

食の最大(129.5%)

16時45分

月が地球の影に最も入り込む
皆既食のおわり 17時25分 月の一部が地球の影から抜ける

本影食のおわり

18時33分

月全体が地球の影から抜ける

半影食のおわり

19時39分

※下記参照
※半影食とは、太陽の光の一部だけが地球に遮られている状態のことで、地球からの見かけ上、月の一部が少し暗くなって見えます。半影食のはじめのうちと終わりの方では、あまり変化は見られませんが、本影食の前後30分くらいの間は、一部が薄暗くなっているのがわかります。

2014年4月15日の東京での月食の様子
中央の円は、月の位置に於ける地球の影を示しています。背景の星は、空が明るいうちは見えません。
月自体が西から東(右上から左下)に移動するは、月の公転により起こるものです。
背景の星が西から東(右上から左下)へ移動して見えるのは、地球の公転により影が移動することにより起こります。
背景の星の位置は東京での様子をシミュレーションしています。
日本国内でも、場所によって位置関係が少しずつ異なります。

 上の画像は東京での月の欠け方のシミュレーション画像です。今回の月食の大きなポイントは、月食中の月がそのまま東の空から昇ってくるという点です。上でも書いてきたように、月食は必ず満月の日に起こりますが、満月の日には、太陽が西の空に沈むのとほぼ同じころに東の空から月が昇ります。しかし今回は、その満月が普段とは違い大きく欠けた状態で昇ってくることになります。

●コラム● 日食や月食の予測はいつごろから?

 古代から、日食や月食などの現象は天変地異の前触れとして人々に恐れられていたり、また日食の後に太陽の輝きが戻ることで、復活を意味する現象として捉えられることもありました。例えば、古事記や日本書紀に現れる天照大神の岩戸隠れの伝説は、皆既日食によるものだと言う説があります。また、キリスト教の新約聖書のルカによる福音書23章44節にある太陽の光が暗くなったという記述も、日食に関係するものだと考えられています。このように、日食のような天文現象を宗教的な意味に結びつけ、その予測をすることで信仰を広めたという史実は世界各地にあります。
 このような日食や月食に周期的な法則があることは、実は紀元前6世紀ごろから知られていたようです。「サロス周期」と呼ばれるこの法則は、18年+10日ごとに日食や月食が起こるというものです。しかし、この法則を科学的に解明して正確に予測することができるようになったのは、地動説以後の18世紀になってからです。その後、サロス周期は地球と月の公転周期および軌道の傾きと歪みの関係により起こることが証明され、さらに地球の自転に関係する8時間分を追加すると、かなり高い精度で予測ができることがわかりました。今回の日食の3サロス周期後(54年+31日前)となる2066年1月11〜12日には、ほぼ同じくらいの高さの空で皆既月食が起こります。

サロス周期についてより詳しく知りたい方は、Wikipedia 日本語 英語 (英語のほうがより詳細に記述があります)によくまとめられていますので、是非参照してください。

 現在は、天体観測技術の向上により、日食も月食も物理的な計算で予測することができ、将来100年程度までは、秒単位まで正確な予報を出すことができるようになりました。それでも、先日の大地震のような地球内部の変化による自転速度の変化や、地球や月の公転軌道の累積的な変化により、秒単位でのずれが発生します。

●どこで、どうやって見える?

 今回の月食は、東の水平線から月が昇ってくるときに、すでに月が欠けていますから、山や丘の上・高いビルの上や海辺など、なるべく東の空が水平線近くまで開けている場所で見るようにしましょう。関西地方から西の地域では、月が昇ってくる時間にはすでに本影食が終わってしまっていますが、それでも19:00ごろまでは、月の一部が暗くなっている様子はわかるはずです。是非見てみてください。

 月食は肉眼でも十分に楽しむことができる天文現象ですが、望遠鏡や双眼鏡を使うと、より大きく見ることができます。当社オンラインショッピングでは、月食の観測にも最適な双眼鏡や望遠鏡を揃えております。是非この機会にお買い求めいただき、宇宙で繰り広げられる天体ドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

 また、満月を大口径の望遠鏡で見ると非常にまぶしいため、ムーングラスを使って減光すると、長時間継続して観測することができます。各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、この機会に是非お求めください。

東京での4月15日の月食の様子のシミュレーション
より西の地域ではもう少し低い空で月食が起こります。
夕焼けの残るうちは、まだ火星はスピカは見えません。

双眼鏡や望遠鏡を使って見たときの月食の見え方のシミュレーション

FZ-750GFP等7倍クラスの双眼鏡で見た場合

ポルタA80Mf等、50倍の望遠鏡で見た場合

 もちろん、望遠鏡にカメラやデジカメ・ビデオカメラなどを取りつけて撮影することもできます。月や惑星を撮影するときに使用しているカメラアダプタ等がそのまま使用できますから、この機会に是非チャレンジしてみてはいかがでしょう。特に今回は月が昇ってくるときにすでに月が欠けていますから、地上の風景と一緒に撮影すると、よりおもしろい写真になるでしょう。

●火星にも注目!

 今回の月食では、月よりもやや高い空に、火星が見えています。この火星も、4月14日に地球に再接近して、非常に明るく見やすくなっています。火星を天体望遠鏡を使ってみてみると、表面の模様を見ることができます。月食の後に是非見てみてください。

■当社オンラインショッピングでの消費税の取り扱いについて■

 2014年4月1日からの消費税率の改正について、当社オンラインショッピング内の価格の総額表示を、旧税率(5%)および新税率(8%)の併記から新税率での総額表示に順次変更しております。あらかじめご了承ください。

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