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●当日の様子

 今回の月食は、大接近中の火星と並んで見られるので、ぜひ写真に撮って記録に残したかったのですが、当社の事務所のある埼玉では皆既食前に空が明るくなってしまうため、はじめは沖縄に遠征することを計画していました。その計画をしている途中で、家族の友人がいるマレーシア行きの格安航空券が出ているのに気づき、この機会に家族そろって行ってみることになりました。
 気候的には、マレーシアは日本以上に雲ができやすくあまり晴れないのですが、それでも一日中曇りということはなく、21世紀最長の皆既食でもある今回の月食であれば、皆既中に少しでも晴れ間があるだろうという楽観的な予測のもと、ジャングルの中で皆既月食を見てきました。
 常時雲がかかり、雲間のタイミングでシャッターを切りながら皆既食を迎えたのですが、皆既食中は月を見失うほど暗かったです。雲の影響もあったとは思いますが、これははじめての経験でした。持って行ったKV90M133+ シンプルレデューサーM0.7xでは、口径比が暗すぎて露出時間がかかってしまい、像がブレブレになってしまいました。それでも、ジャングルの向こうに月が沈むまでの4時間を十分に楽しむことができました。

 次に日本で見られる皆既月食は、2021年5月26日の夕方になります。このときは、太陽が沈むのと同時にかけ始めた月が東の空から昇る様子が、日本全国で見られます。次回も是非多くの方々に宇宙を見上げていただけれ幸いです。
マレーシア タマンネガラ国立公園にて撮影した今回の月食
(時刻は現地時間 日本との時差は-1時間です)

02:20
KV90M133+ シンプルレデューサーM0.7x
 APS-Cミラーレスデジカメ

02:27
KV90M133+ シンプルレデューサーM0.7x
 APS-Cミラーレスデジカメ

02:38
KV90M133+ シンプルレデューサーM0.7x
 APS-Cミラーレスデジカメ

03:07
KV90M133+ シンプルレデューサーM0.7x
 APS-Cミラーレスデジカメ

03:46
ズームレンズ113mm相当F5.6
APS-C一眼レフデジカメ

03:48
ズームレンズ113mm相当F5.6
APS-C一眼レフデジカメ

03:54
KV90M133+ シンプルレデューサーM0.7x
 APS-Cミラーレスデジカメ

04:03
KV90M133+ シンプルレデューサーM0.7x
 APS-Cミラーレスデジカメ

04:09
ズームレンズ113mm相当F5.6
APS-C一眼レフデジカメ

04:22
300mmF4レンズ
APS-C一眼レフデジカメ

04:56
30mmF2.2レンズ
APS-Cミラーレスデジカメ

05:27
30mmF2.2レンズ
APS-Cミラーレスデジカメ

●月食はどうしておこるの?
 月食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があります。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。

 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。最近日本で見られた月食は今年1月31日の皆既月食以来半年ぶりになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、ちょうど太陽の反対側を通過するときに月食が起こります。ですから、月食は必ず満月の日に起こります。また、月食の中でも皆既月食と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。
●今回の月食について
 今回の月食の起こる時刻は下の表の通りです。日本では、月が欠けたまま西の空に沈んでいきますので、なるべく西の空が水平線近くまで開けた場所で観察するとよいでしょう。
 世界的には、マレー半島〜インド・中近東付近では、月食の全過程を見ることができます。ヨーロッパでは、月が欠けた状態で東の空から上り、月食の後半が見られます(北欧などの一部地域では、地平線の下のため見ることができません)。夏休み中の現象ですので、これらの地域にお出かけの方は、是非見てみてください。
2018年7月28日(土)の月食の主な現象の時刻(日本時間)
時刻 各地での高度 赤字は月没の時刻
札幌 仙台 東京 大阪 福岡 鹿児島 那覇
半影食のはじまり 2時15分 16.9 20.8 23.4 28.0 29.6 31.2 37.2 ※下記参照
本影食のはじまり 3時24分 8.1 11.3 13.6 18.6 20.8 22.0 27.6 月が地球の影に入りはじめる
皆既食のはじまり 4時30分 4:22 0.9 2.8 7.7 10.3 11.2 16.2 月が地球の影にすべて入る
食の最大(161.3%) 5時22分 --- 4:37 4:47 5:07 1.3 2.0 6.4 月が地球の影に最も入り込む
皆既食のおわり 6時13分 --- --- --- --- 5:31 5:34 5:57 月の一部が地球の影から抜ける
本影食のおわり 7時19分 --- --- --- --- --- --- --- 月全体が地球の影から抜ける
半影食のおわり 8時29分 --- --- --- --- --- --- --- ※下記参照
※半影食とは、太陽の直径の分地球の影がぼやける現象で、月の表面が地球の影の中心に向かって、少しずつ暗くなっているように見えます。半影食のはじめのうちと終わりの方では、あまり変化は見られませんが、本影食の前後30分くらいの間は、一部が薄暗くなっているのがわかります。
 下の画像は東京での月の欠け方のシミュレーション画像です。他の地方でも、時間と欠けかたはおなじように見られます。但し、各地域とも月没以後は地平線の下になるため、見ることができません。

2018年7月28日の月食の様子
Java scriptの関係で上の図が見られない場合はこちら
中央の円は、月の位置に於ける地球の影を示しています。
月自体が西から東に移動するのは、月の公転により起こるものです。
背景の星が西から東へゆっくり移動して見えるのは、
地球の公転により影が移動することにより起こります。
背景の星の位置は東京での様子をシミュレーションしていますが
後半は実際には地平線の下になるので見えません。
●コラム● 日食や月食の予測はいつごろから?
 古代から、日食や月食などの現象は天変地異の前触れとして人々に恐れられていたり、また日食の後に太陽の輝きが戻ることで、復活を意味する現象として捉えられることもありました。例えば、古事記や日本書紀に現れる天照大神の岩戸隠れの伝説は、皆既日食によるものだと言う説があります。また、キリスト教の新約聖書のルカによる福音書23章44節にある太陽の光が暗くなったという記述も、日食に関係するものだと考えられています。このように、日食のような天文現象を宗教的な意味に結びつけ、その予測をすることで信仰を広めたという史実は世界各地にあります。

 このような日食や月食に周期的な法則があることは、実は紀元前6世紀ごろから知られていたようです。「サロス周期」と呼ばれるこの法則は、18年+10日ごとに日食や月食が起こるというものです。しかし、この法則を科学的に解明して正確に予測することができるようになったのは、地動説以後の18世紀になってからです。その後、サロス周期は地球と月の公転周期および軌道の傾きと歪みの関係により起こることが証明され、さらに地球の自転に関係する8時間分を追加すると、かなり高い精度で予測ができることがわかりました。

サロス周期についてより詳しく知りたい方は、Wikipedia 日本語 英語 (英語のほうがより詳細に記述があります)によくまとめられていますので、是非参照してください。 

 現在は、天体観測技術の向上により、日食も月食も物理的な計算で予測することができ、将来100年程度までは、秒単位まで正確な予報を出すことができるようになりました。それでも、先日の大地震のような地球内部の変化による自転速度の変化や、地球や月の公転軌道の累積的な変化により、秒単位でのずれが発生します。
●どこで、どうやって見える?
 今回の月食では、月食中の月のすぐそばに大接近中に火星が見えていることが大きなポイントです。皆既食中の赤い月と大接近中の火星が並ぶ様子が見られるのは、今世紀中では今回だけです。 

 今回の月食では、月の一部が暗くなっている半影食の様子がわかるようになるのは、3:00ごろからになります。このとき、月は西の空の低いところにあります。

 時間とともに月は地球の影に入り込んで行き、4:30には地球の影の中に月がすっぽりと入り込みます。しかし、この状態でも月は赤く鈍く光って見えます。これは、地球の周りを取り巻いている大気が太陽の光を屈折することにより、赤い光だけが月に届いている状態です。

 月食は必ず満月の日に起こりますが、満月の日には、月が西の空に沈むのとほぼおなじころに東の空から太陽が昇ります。関東以北の地域では、月食の途中で月が沈んでいるか、またはすでに空が明るくなってしまっているため、皆既食は見ることができないかもしれません。一方、九州・沖縄地方では、皆既食になる4時30分はまだ空が暗い時間ですので、皆既食の赤い月を見ることができるはずです。

2018年7月28日の月食の
東京と那覇での西の空 5分おきのシミュレーション
西の地方ほど日の出が遅くなるため、月食の過程を長く見ることができます。
東京では皆既食を見ることは難しいですが、中国・四国地方以西では
比較的よい条件で見ることができます。
那覇では、皆既食に入る4時30分はまだ空が暗い時間ですので、充分見ることができます。

 月食は肉眼でも十分に楽しむことができる天文現象ですが、皆既中の月は暗いので、望遠鏡や双眼鏡を使うと、刻々と変わる皆既中の月の模様や色の変化を、じっくりと楽しむことができます。当社オンラインショッピングでは、月食の観測に最適な双眼鏡望遠鏡を揃えております。是非この機会にお買い求めいただき、宇宙で繰り広げられる天体ドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

 また、部分食の間の月は満月の明るさがあるため、大口径の望遠鏡で見ると非常にまぶしく感じます。このため、減光するムーングラスを使うと、長時間継続して観測することができます。まだお持ちで無い方は、各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、この機会に是非お求めください。
※ムーングラスは、食が進んでまぶしくなくなったら取り外してください。皆既中はムーングラスが無いほうが良く見えます。
双眼鏡や望遠鏡を使って見たときの月食の見え方のシミュレーション

FZ-1050RFL等8〜10倍クラスの
双眼鏡で見た場合

セレストロン OMNI XLT AZ80等、
50倍くらいの望遠鏡で見た場合

●月食の写真撮影
 皆既月食はとても感動的な天文現象ですから、その感動を写真やビデオに残したいと思うでしょう。月食の写真は、特殊なフィルターなどを使わなくても、普通のデジカメで簡単に写真やビデオに収めることができます。でも、せっかくならもっと美しく撮りたい!。ちょっとしたノウハウで、より美しく月食を撮ることができます。

■三脚を使いましょう!
 せっかくの月食ですから、大きくアップにして撮影したいでしょう。対象を大きく拡大して撮影するには、望遠レンズを使用することになります。しかし、望遠レンズは手ブレの影響が大きく現れますし、皆既食中の月は、地球の周りの大気により屈折した赤い光だけになるので、シャッタースピードが遅くなり、手持ちの撮影ではブレてします。是非三脚を用意してください。
 月食の撮影でも、三脚はもちろんリモコンやセルフタイマーなど、星空を撮影するときのノウハウがそのまま生かせます。天体写真撮影の最も基本となる固定撮影については、こちらのページで紹介しています。是非一度ご参照ください。

■連続撮影は自動追尾にすると便利
 今回の月食は、月が地球の影にかかりはじめてから月没まで皆既を経て再び元の満月に戻るまで、2〜3時間程度かかります。地球の自転により動いていく月をその都度追いかけてシャッターを切っても良いのですが、毎回雲台の位置を変えて撮影するのは、慣れないとなかなかうまくいきません。また、ビデオ撮影を行う場合、手動で連続して追いかけ続けるのは、時間的に難しくなります。
 そんなときに、天体自動導入望遠鏡を使えば、自動追尾が可能です。天体自動導入望遠鏡は、おすすめランナップ天体望遠鏡に取り揃えています。また、簡易星野写真儀天体自動導入機能を内蔵した電動経緯台でも自動追尾できます。

※設定ミスや電源の不具合などが原因で追尾ができない可能性もあるので、自動追尾を設定した後も、定期的に月がカメラの中にあるかどうか確認し、必要に応じて修正するようにしましょう。

■レンズはどのくらいの焦点距離?
 初めて月を撮る場合、どのくらいの望遠レンズを使えばいいのかわからないですよね。以下は、実際にいろいろな焦点距離のレンズで月食を撮影したサンプル画像です。使用するレンズや機材の選定の参考にご参照ください。

※レンズ固定式のカメラやビデオカメラ・スマートフォンに内蔵されているカメラ等の場合は、各製品の仕様に記載されている「35mm版換算」の焦点距離が、下記の「35mm」の欄の数値に近いものを参考にしてください。
◇標準レンズ
35mm : 50mm前後
APS-C : 30mm前後
フォーサーズ : 25mm前後

 一眼レフやミラーレスカメラに付属している標準レンズや、コンパクトデジカメの標準的なレンズで撮影した場合、このくらいの大きさに写ります。皆既中なら、月とその背景にある星と一緒に写しだすことができます。ただ、拡大率は低いので、かなり遠くから見ている感覚になるでしょう。
 今回の月食は、日本では西の空の低いところで起こりますから、月食中の月と地上の風景を一緒に捉えると、臨場感のある写真になると思います。

2011年12月10日の皆既月食
APS-C一眼レフ + 30mmレンズ
◇広角レンズ
35mm : 30mm前後
APS-C : 20mm前後
フォーサーズ : 16mm前後

当社オンラインショッピング取扱商品
トキナー ATX107 魚眼ズームレンズ

 標準レンズより画角が広くなるため、月の像は小さくなりますが、その分周囲の星空や地上の風景も構図に入れることができます。スマートフォンに内蔵されたカメラや、コンパクトデジカメなどは、広角レンズを使用しているものが多いです。
 時間と共に欠けていく月が日周運動により移動していく様子を撮影して合成する場合、標準レンズよりやや広めの広角レンズが適しています。

2008年8月28日の皆既月食
APS-C一眼レフ + 16mm魚眼レンズ
◇中望遠レンズ
35mm : 85mm〜200mm前後
APS-C : 50mm〜135mm前後
フォーサーズ : 40mm〜100mm前後

 日本では西の空の低いところで起こりますから、比較的焦点距離が長いレンズでも、月と地上の風景を一緒に収めることができるでしょう。大接近中の火星と同じ構図に収める場合、このクラスの焦点距離のレンズがちょうどよいでしょう。。

2018年1月31日の月食
M44(プレセペ)と皆既中の月
APS-C一眼レフ +135mmF2.5レンズ
ARK-1経緯台自動追尾
◇望遠レンズや望遠鏡
35mm : 500mm〜1500mm前後
APS-C : 300mm〜1000mm前後
フォーサーズ : 250mm〜800mm前後

当社オンラインショッピング取扱商品
ケンコー 400mmF8 Mirror (\16,848)
ケンコー MILTOL ED 400mmF6.7 (\51,840)
オリジナルKV90M133マクストフカセグレン鏡筒 (\29,160)
オリジナル屈折鏡筒 PV102E61 (\139,320)
他、おすすめランナップ天体望遠鏡各機種

 月食の写真撮影で、最もよく使われるのがこの焦点距離です。刻々と変わる皆既中の月の模様や色の変化を、じっくりと楽しむことができます。

※35mmで2000mm・APS-Cで1350mm・フォーサーズで1000mmを越えると、月がイメージセンサーからはみ出してしまいます。特に大口径の望遠鏡を使われる場合は注意してください。

2014年10月8日の皆既月食
セレストロン Nexstar 6SE-J
+ F6.3レデューサー
APS-C一眼レフ使用
○○焦点距離別の月のサンプル画像○○
すべて同じ夜の1時間以内に同じAPS-C一眼レフカメラで望遠鏡(レンズ)だけを交換して撮影

どの写真も明るさの調整のみで、トリミングや複雑な画像処理は一切行っていません。それぞれの望遠鏡(レンズ)での大きさや解像度の比較としてお使いください。

200mmカメラレンズ
35mm版換算約300mm

400mmレンズ
35mm版換算約600mm
ケンコー MILTOL ED 400mmF6.7

612mm望遠鏡
35mm版換算約900mm
オリジナル屈折鏡筒 PV102E61

800mm望遠鏡
35mm版換算約1200mm
オリジナルKV90M133
マクストフカセグレン鏡筒
+ シンプルレデューサーM0.7x


1200mm望遠鏡
35mm版換算約1800mm
オリジナルKV90M133
マクストフカセグレン鏡筒
直焦点
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