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 2004年に入ってから、もう既に1カ月が経ってしまいました。ここ数日、埼玉では比較的暖かい日が続き、風にも少し春の感じがただよいはじめています。

 今年2004年は「うるう年」です。現在世界的に使われている太陽暦は「グレゴリオ歴」と呼ばれるもので、1582年にローマ法王グレゴリオ13世が制定したものです。当時、天動説を信じていたキリスト教では、太陽の動きを観測することにより、天球を太陽が一周する周期が365.2422日であることがわかっていました。これをを基準にして、12カ月のそれぞれを30日または31日として、1年を365日としていました。しかし、それでは0.2422日分のずれが毎年出てしまうことになるため、0.25日分を4年に1回ずつ1日多くすることでずれを修正し、さらに、逆に多くなってしまう0.078日分のずれを、400年に3回は365日のままにするという法則を決定しました。

 実際には、西暦が4で割り切れる年は基本のうるう年として1日多く(2月29日がある)なりますが、100で割り切れる年(1900年や2100年)はうるう年とせず、さらに400で割り切れる年(2000年)はうるう年とする。という細かい取り決めがなされているのです。16世紀にすでにここまで精密な観測がなされていたことは、当時の天文学者たちの宇宙へ向けた目の鋭さと探求心の表れではないでしょうか。

望遠鏡で見た昼間の金星

 一方日本では、1872年(明治5年)までは「太陰暦」が使われていました。太陰暦は、もともとは中国から伝わった暦(こよみ)で、月が地球のまわりを一周する日数(約29.5日)を基準にして作られていて、1カ月が29日と30日の月が交互にくる仕組みになっています。しかし、1年が12カ月であることは同じなので、この計算では、実際に太陽が一周する日数との差が1年で約10日でてしまいます。そこで、19年に7回の割合で1年を13カ月とする「うるう年」をもうけていました。私たちが「旧暦」と呼んでいるのはこの太陰暦のことで、太陰暦と太陽暦では日によっては1カ月以上の違いがあるわけなのです。

 さて、グレゴリオ歴は、太陽の動きを元にした暦(こよみ)ですが、その太陽が西の空に沈み、美しく西の空を彩る夕焼けのなかに、ひときわ明るく輝く宵の明星の金星が見えていました。地球のすぐ内側をまわる金星は、昨年の夏前までは明けの明星として太陽が昇る前の東の空に見えていましたが、これから5月頃までは夕方の西の空の一番星として、仕事や学校帰りの人々の目を引くことでしょう。

Meade LX200GPS-25で撮影した火星

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択

 金星が沈み、夜の闇が降りる頃、空には美しい星たちが輝きだします。2月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空の低いところにはまだ秋の星座がみえています。北の空には、小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座、そのとなりにはペルセウス座があり、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、先月のこのコーナーで紹介した二重星団と呼ばれる星の集まりがあります。また、その南にはアンドロメダ座があり、一昨年11月のこのコーナーで紹介したアンドロメダ大銀河も、まだ充分見ることができます。

 さらに目を南に転じると、明るい星が少ない空に赤く目だって光る星があります。これが昨年8月27日に129年ぶりの大接近をした火星です。現在、地球は火星を追い抜いて少しずつその距離が遠くなりつつあるため、大接近の頃に比べるとだいぶ明るさも鈍り、望遠鏡で見たときの大きさも小さくなってきています。

6月7月8月のこのコーナーでは、火星についてより詳しくコメントしています。興味のある方は是非ご覧ください。

 天頂から南の空には、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。天頂近くの高いところに見える明るい一等星がぎょしゃ座カペラです。ぎょしゃ座には、昨年1月のこのページで紹介した3つの散開星団があります。その南にはおうし座アルデバラン、さらに冬の星座の王者オリオン座ベテルギウスリゲルといった一等星がきらびやかに輝き、その東側に光るこいぬ座プロキオンと、低いところでまばたきながら青白く輝く全天で最も明るい恒星のおおいぬ座シリウス冬の大三角を形作っています。シリウスのすぐ南には、先月のこのコーナーで紹介したM41という散開星団があります。

 また、冬の大三角より少し北側の高いところに光る明るい星が土星です。土星は観望の好期を迎えていて、大きく開いた輪が、小型の望遠鏡でも下の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。この土星が見えているあたりがふたご座で、土星より少し北よりに仲良く並ぶ2つの星が、カストルポルックスです。ギリシャ神話では大神ゼウスとスパルタ王妃レダとの間に生まれた双子の兄弟と言われています。

20cmクラスの望遠鏡で見た木星と土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイまたはドセイを選択

 さらに西の空に目を向けると、もう春の星座も昇ってきます。天頂から南に広がっている冬の星座に比べると、春の星座はおとなしめに輝く星が多い中で、ひときわ明るく金色に輝く星を見つけることができます。これが木星です。木星は3月5日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、いまが最も良く見える時期です。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあります。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。

 土星の輪や木星の衛星や縞模様は、口径6cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径6cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

 これから星空の美しい季節です。是非あなたの目で宇宙からの星たちの光を確かめてください!。

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