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 今年は暖冬の影響で、関東ではおよそ1週間程度桜の開花が早く、ちょうど月初が満開と重なったところも多かったようです。また、大陸からの西風によって運ばれてくる黄砂も、今年は日本列島全体に影響を及ぼしているようです。夜空の方も春の花曇りと黄砂の影響で、今一つぱっとしない季節となってしまいました。これまで、春は比較的気流が安定していて、惑星観測には適した季節だと言われていましたが、私が見るかぎり、今のところ今年の春はこれまでより気流の流れが早いように感じます。宇宙は、私たち地球を映す鏡です。地球から宇宙を見つめることは、私たち地球を見ることと同じなのだと思います。

 この春の宵空には、空の高いところに宵の明星の金星が見えています。地球のすぐ内側をまわる金星までの距離は、光の早さで約10分と、月の次に近い距離にいる星で、少しずつ地球に近づいてきています。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。金星はこれから地球に急速に接近し、望遠鏡でその姿を見ると日に日に大きさや形が変わるのがわかります。

 金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、大きさと明るさが大きく変化します。その様子はこちらのページで解説しています。内惑星は地球からの見かけ上、太陽に近いところに見えることが多く、夕方と明け方のわずかな時間しか見ることができない非常に見つけにくい惑星ですが、日本の春の宵空では、地球の自転軸の傾きの関係で太陽の天球上の通り道である黄道が地平線に対して垂直に近く交差するため、非常に見やすくなるのです。金星が夜9時過ぎになっても沈まないのは、4〜7月ごろに宵の明星として西の空に見られる時だけで、今年はその意味で非常に珍しい年と言えます。

 その金星のすぐ近くに細くとがった三日月が寄り添ってみられる現象が、今月20日の夕方に起こります。双眼鏡や望遠鏡を使わなくても、その様子はとても美しく見ることができるはずです。上の図は4月20日午後8時ごろの西の空のシミュレーション図です。双眼鏡を使えば、すぐ近くにあるプレアデス星団(すばる)やヒアデス星団と一緒に楽しむこともできるでしょう。是非、あなたの目で天空上で起こるひとときのショータイムを楽しんでください。

 金星が西の空に低くなる午後9時ごろの4月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空にはまだ冬の星座がにぎやかに輝いています。北西の高いところに見える明るい一等星がぎょしゃ座カペラ(41光年)です。ぎょしゃ座には1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南には大神ゼウスが化けた白い牛の姿を描いたおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(60光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、2006年12月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。

 おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。


望遠鏡で見た昼間の金星
望遠鏡でみるとこのように月のように満ち欠けしているのがわかります

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→キンセイを選択
 冬の大三角から、目を北側の高いところに移すと明い星が2並んでいるのを見ることができるでしょう。これがふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)もです。ふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 一方、南から東の空には春の星座が輝いています。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、今年は空の高いところに明るい星が一つ光っています。ほぼ真南の空の高いところに、黄色く光る明るい星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は1月13日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 土星のすぐ東側におとなしく光っている白い星は、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(72光年)です。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座をはじめとした春の星座は、「銀河ののぞき窓」とも言われるとおり、銀河系の外側のはるかかなたにある銀河が、数多く見られるところでもあります。2005年5月のこのページでも、M65・M66というふたつの銀河を紹介しています。

 もうひとつ、都会の街明かりの中では少し見つけにくい星座ですが、土星とふたご座やの中間付近にある3等星数個が逆Y字に連なっている星座がかに座です。双眼鏡や望遠鏡で探してみると、そこには2003年の4月のこのページで紹介したプレセペという散開星団があります。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→ドセイを選択

 さらに、北の空の高いところには北斗七星が見えています。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座には、2002年の4月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。

 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(34光年)・おとめ座スピカ(220光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、2005年5月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイを選択

 さらに時間が経って3時ごろになると、すっかり夏の星座に変わっています。南の空には赤く不気味に光るさそり座アンタレス(550光年)が輝き、東の空にはこと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(2000光年)で作られる「夏の大三角」も見えています。

 そして、この春の明け方の空で最も目だって見える星が、アンタレスの少し東側に金色に輝いてる木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 土星の輪や木星の衛星や縞模様は、口径6cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

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