星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 今年は3月に入ってから暖かい日が多く、全国的に桜前線も早く北上しているようで、関東でもおよそ1週間程度桜の開花が早いようです。また、大陸からの西風によって運ばれてくる黄砂も、今年は日本列島全体に影響を及ぼしているようです。夜空の方も春の花曇りと黄砂の影響で、今一つぱっとしない季節となってしまいました。これまで、春は比較的気流が安定していて、惑星観測には適した季節だと言われていましたが、私が見るかぎり、今のところ今年の春はこれまでより気流の流れが早いように感じます。宇宙は、私たち地球を映す鏡です。地球から宇宙を見つめることは、私たち地球を見ることと同じなのだと思います。

 そんな夜空には、おとなしく輝く春の星たちを見ることができる季節になりました。午後9時ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空にはまだ冬の星座がにぎやかに輝いています。北西の高いところに見える明るい一等星がぎょしゃ座カペラ(41光年)です。ぎょしゃ座には2008年1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南には大神ゼウスが化けた白い牛の姿を描いたおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(60光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、先月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。

 おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。

 その北側にはふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ギリシャ神話では大神ゼウスとスパルタ王妃レダとの間に生まれた双子の兄弟と言われています。ふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 さらに目を空の高いところに向けると、春の星座が輝いています。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、今年は空の高いところに明るい星が一つ光っています。ふたご座から東に少し目を向けたところに黄色く光る明るい星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は3月10日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 土星のすぐ東側におとなしく光っている白い星は、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(72光年)です。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座をはじめとした春の星座は、「銀河ののぞき窓」とも言われるとおり、銀河系の外側のはるかかなたにある銀河が、数多く見られるところでもあります。2005年5月のこのページでも、M65・M66というふたつの銀河を紹介しています。

 もうひとつ、都会の街明かりの中では少し見つけにくい星座ですが、土星とふたご座やの中間付近にある3等星数個が逆Y字に連なっている星座がかに座です。双眼鏡や望遠鏡で探してみると、そこには2003年の4月のこのページで紹介したプレセペという散開星団があります。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→ドセイを選択

 さらに目を北の空に向けると、春の空ではとても良く目立つ北斗七星は見えています。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(34光年)・おとめ座スピカ(220光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座には、2002年の4月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。

 明け方近く、午前3時ごろに東の空を見ると、金色に輝く明るい星が昇ってくるのが見えます。この星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイを選択

 木星が昇ってきて1時間くらいすると、朝焼けの中にもうひとつ木星よりさらに明るい星が昇ってきます。この星が金星です。先月中旬までは宵の明星として、夕方の西の空に見えていましたが、3月25日に内合(太陽と地球の間を金星が通過する)を過ぎ、これからしばらくは明け方の東の空に見える「明けの明星」になります。今月の金星までの距離は、光の早さで約3分で、急激に地球から遠ざかっています。天体望遠鏡で見てみると、上の写真のように月のように欠けている様子がわかります。特に今月は地球との距離の変化が大きいため、その大きさと形が日に日に変わっていく様子を見ることができます。是非望遠鏡でその姿を確かめてみてください。

 また、その金星より少し高い南よりの空には、鈍く赤く光る火星も見えています。今月の火星までの距離は、光の早さで約17分で、ちょうど太陽の反対側の遠いところをゆっくりと移動しているところです。このため、望遠鏡で見ても小さな赤い丸にしか見えません。次に火星が地球に接近するのは2014年4月になります。

Meade LX200-25で撮影した火星

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択

 金星・火星・木星・土星など惑星は、15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして一昨年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。

 土星の輪や木星の縞模様・金星の形はは、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。そこにはきっと新しい発見が待っているはずです。

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカードでの決済または代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

月・惑星の観望に最適な望遠鏡ラインナップ

各マークについての解説はこちら

はじめての星空には、まずは双眼鏡!
独自の新設計で10倍50mmで従来の7倍50mmと同等の視野を確保。天体観測から昼間の風景まで、広い視野ですっきりした像が得られる自信作!。

スターゲイズオリジナル FZ-RF双眼鏡
10倍50mm  \8,400(税別\8,000)
8倍40mm  \7,700(税別\7,334)
双眼鏡企画商品最新作 BaK4ガラス使用のダハプリズムタイプ完全防水双眼鏡。軽量コンパクトで女性やお子様でもお使いいただけます。

スターゲイズオリジナル FH-842RF双眼鏡
\12,000(税別\11,429)

当社おすすめの入門者向け天体望遠鏡
初心者の方にも末長くお使いいただけるしっかりした経緯台と、安価で手ごろな価格の鏡筒をセットにした、コストパフォーマンスの高い経緯台式天体望遠鏡!

ビクセン ポルタ"f"(エフ)シリーズ 経緯台式天体望遠鏡
\29,400(税別\28,000)

もっと遠くの宇宙を見たい もっときれいな写真が撮りたい
入門者からベテランまで、月や惑星の観望から本格的な天体写真まで、様々な用途に対応するシステム赤道儀 天体自動導入機にもなるオールマイティな多機能望遠鏡

ビクセン GP2赤道儀シリーズ
\78,540 (税別\74,800)

この他にもいろいろな商品をラインナップしています。是非オンラインショッピングをご覧ください。

簡単アンケートにご協力下さい
 このページの内容は おもしろかった ふつう おもしろくなかった
  ためになった ふつう ためにならなかった
  わかりやすかった ふつう わかりにくかった
 今夜の星空を 見たいと思う わからない 見ないと思う
 今年7月の皆既日食を 見たいと思う 見ないと思う それはなんですか?
 望遠鏡や双眼鏡を 望遠鏡を持っている 双眼鏡をもっている どちらも持っている
  どちらも持っていない    
 ひとことどうぞ

このボタンを押しても、あなたの個人情報などは送信されません

このコーナーのバックナンバー
2008年夏 6月 7月 8月 2008年秋 9月 10月 11月 2008-9年冬 12月 1月 2月  
2007年夏 6月 7月 8月 2007年秋 9月 10月 11月 2007-8年冬 12月 1月 2月 2008年春 3月 4月 5月
2006年夏 6月 7月 8月 2006年秋 9月  10月  11月 2006-7年冬 12月 1月 2月 2007年春 3月 4月 5月
2005年夏 6月 7月 8月 2005年秋 9月  10月 11月 2005-6年冬 12月 1月 2月 2006年春 3月 4月 5月
2004年夏 6月 7月 8月 2004年秋 9月 10月 11月 2004-5年冬 12月 1月 2月 2005年春 3月 4月 5月
2003年夏 6月 7月 8月 2003年秋 9月 10月 11月 2003-4年冬 12月 1月 2月 2004年春 3月 4月 5月
2002年夏 6月 7月 8月 2002年秋 9月 10月 11月 12月 2003年冬 1月 2月 2003年春 3月 4月  5月
2002年春 4月 5月 2002年冬 2月 3月 2002年正月 2001年冬
2001年秋 10月 11月 2001年夏 2001年春 2001年正月

スターゲイズ トップページに戻る