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 今年の11月は全国的にほぼ平年並みの気温でしたが、寒暖の差が大きく、紅葉はいつもより色づきが良く、当社事務所の近くの座敷林の木々も、美しい色彩を放っています。そして今日からは師走。吹く風はもう冬を感じさせます。街もクリスマスムードが少しずつただよいはじめ、あちこちでデコレーションされたイルミネーションが艶やかに輝きだしています。

 そんな街のイルミネーションから、ふと空を見上げてみると、そこには地上の星たちよりもっと美しい冬の星空が広がっています。12月10日の午後9時ごろの星空のようす見ると、南西の空に金色にひときわ明るく輝いている星が見えます。この星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 木星の見えている南西の空から、視線を少し北に向けると、西の空の低いところにはまだ夏の星座のはくちょう座デネブ(1500光年)が見えています。はくちょう座には、2003年10月のこのページで紹介したM39という明るい散開星団があります。はくちょう座は南天の「みなみじゅうじ座」に対して別名「北十字」とも呼ばれています。キリスト教が信仰されている地域では、クリスマスの夜にこの北十字が地平線に付き刺さって見えることから、この十字をイエスキリストが因われた十字架として見ているところがあります。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影
 一方、西の空の高いところには秋の星座たちが見えています。比較的明るい星が少ない秋の星座ですが、空の高いところに見える4つの2等星で作られる秋の四辺形は、天馬ペガススのおなかにあたる場所にあります。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。

 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座フォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。

 一方、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。天馬ペガススのちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、2009年10月のこのページで紹介した有名なアンドロメダ大銀河2008年10月のこのページで紹介した散開星団NGC752などがあります。また、このアンドロメダ座の2等星の並びのいちばん先端、ペルセウス座に近いところに輝く2等星アルマクは、2006年10月のこのページでも紹介したとても美しい二重星として知られています。

 そして、アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。
 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが2008年11月のこのページで紹介した二重星です。

 さらに東の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座カペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には2003年1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。


7倍くらいの双眼鏡でみたプレアデス星団M45の
シミュレーション画像

 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。ヒアデス星団までは約150光年・プレアデス星団までは約440光年の距離があり、それぞれの大きさの差はこの距離の違いによるものです。しかし、プレアデス星団の星の輝きは、ヒアデスよりずっと明るく、高温で非常に高いエネルギーを放出していることがわかります。

 すばるやヒアデス星団から少し低いところには、冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(600光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.6光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.4光年)が冬の大三角を形作っています。その北側にはふたご座ポルックス(34光年)とカストル(50光年)も見えてきています。ふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 さらに夜半を過ぎになると、空にはもう春の星座も見えるようになります。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、今年の冬の空には、普段の春の星座の星々には見られない、赤く不気味に光る星が見えます。この星が火星です。今月の火星までの距離は、光の早さで約7分で、来年1月の地球との接近に向けて、少しずつ距離を縮めてきています。

Meade LX200-25で撮影した火星

 火星からさらに低い空には、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(72光年)があり、そのさらに下からは、黄色く光る明るい星が土星が昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 火星や木星・土星は、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 このページで紹介している星雲星団や土星の輪は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

来年の天文現象をちょっとご紹介

来年も楽しみな天文現象が盛りだくさんです!。
その中から、特に注目したい現象を3つご紹介します。

★12月21日の皆既月食と、2回の部分月食

 2009年は日本では1度も見られなかった月食が、2010年は3回も見られます。その最初は、1月1日の初日の出が昇る前の西の空で起こります。そして6月16日の部分月食・さらに12月21日には2007年8月28日以来2年4ヶ月ぶりの皆既月食が見られます。

右写真:2007年8月28日の皆既月食
(クリックするとその時の様子を見られます)

★1月15日 西日本などで部分日食

 2009年7月22日に見られた皆既日食はまだ記憶に新しいですが、2010年は1月15日の夕方に、中部地方以西で部分日食が見られます。

右写真:2009年7月22日の皆既日食の様子(クリックするとその時の様子を見られます)

★1月28日 火星が接近

 2年2ヶ月ごとに地球に接近する火星が、1月28日に最も近づきます。2003年ほどではありませんが、それでも小望遠鏡で表面の模様を確認できるくらいまで接近します。

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