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 いよいよ今年も残るところあと2カ月。日ごとに夕暮れが早くなり、そろそろ暖房が欲しくなる今日このごろ。冬の足音もすぐそこまで聞こえてきていますね。

 先日ヨーロッパ出張の折りに、スイスのゴルナーグラートというところに行ってきました。ここは氷河を見下ろす標高3100mの山の上にホテルがあり、晴れた夜にはアルプスの向こうに美しい星空を見ることができます。あいにく雲が多く、あまりたくさんの星は見ることができませんでしたが、アルプスの上に輝くオリオン座は、日本で見るのとはまったく違う美しさがありました。これからは、オリオン座も夜空に美しく見える季節になります。

 さて、秋の夕暮れはとても夕焼けが美しいですね。この秋の夕焼け空の中に、一番星として見えてくるのは、地球のすぐ内側をまわる金星です。金星は、私たちの地球から見て太陽のどちら側に見えるかによって、夕方の西の空に見える「宵の明星」や、明け方の東の空に見える「明けの明星」と呼ばれたりしますが、どちらも同じ星なので、宵の明星と明けの明星が同じ日に見えることはありません。今月の金星までの距離は、光の早さで約9分で、少しずつ地球に近づいてきています。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。


望遠鏡で見た昼間の金星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→キンセイを選択

 もうひとつ、金星が見えはじめるのと同じくらいの時間に、南西の空の高いところに明るく輝いている星が見えます。この星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 木星の縞模様や土星の輪は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイを選択

 金星や木星が西の空に沈み、夜も更けた午後9時ごろの星空のようす見ると、西の空の高いところにはまだ夏の星座が輝いています。その中でも明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形は、こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(2000光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、去年9月のこのコーナーで紹介したM57と呼ばれる星雲があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、アルビレオというとてもきれいな二重星や、8月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。

 一方、西の空の夏の星座たちにくらべて、少しおとなしめに輝くのが南から天頂にかけて見えるの秋の星座たちです。「馬肥ゆる秋」のごとく、東の空の天頂近くに、少し暗めの2等星でできた長方形の星の並びが見つかるでしょう。これがペガススの四辺形です。おとなしめな秋の星たちの中では、比較的わかりやすい星の並びです。ここはギリシャ神話にでてくる天馬ペガススのちょうどおなかにあたる部分。首と前足にあたる星の並びは、少し星がきれいな場所に行けば、簡単にたどることができます。

 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座フォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。

 一方、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。天馬ペガススのちょうどおなかの部分にあたる星なのです。さらに、このアンドロメダ座の2等星の並びのいちばん先端、ペルセウス座に近いところに輝く2等星アルマクは、2006年10月のこのページでも紹介したとても美しい二重星として知られています。

 そして、アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座がます。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。

 このように、比較的おとなしめの星が輝く秋の夜空ですが、望遠鏡や双眼鏡を使うと、たくさんの星雲星団をみることができます。右上の写真をクリックすると、目では見ることができない淡い星雲星団がたくさんあることがわかります。この中には、9月のこのページで紹介した有名なアンドロメダ座大銀河M31(230万光年)や、先月のこのページで紹介した散開星団NGC752などがあります。ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。ここに望遠鏡を向けると、それがたくさんの星の集まりであることがわかります。二重星団と呼ばれるこの星の集まりは、2つの星団が重なり合うようにして見えることからこの名前がついています。望遠鏡の倍率を低めにして広い視野で見てみると、まさに「宝石箱」といった感じに見えるとても見ごたえのある天体です。


35mm版一眼レフカメラで撮影した秋の星雲星団
クリックすると拡大します。
たまたま写りこんだペルセウス座流星群の流星も見られます。


40倍くらいでみたペルセウス座二重星団の
シミュレーション画像
まさに「宝石箱」です

Meade オートスターでの導入方法

セイウンセイダン→
NGCテンタイ→
「884」をキーパッドから入力

一般の赤道儀式望遠鏡での導入方法はこちら

 さらに時間が経ち夜半ごろになると、東の空はすでに冬の星座たちが見えています。天頂近くの高いところに黄色く見える明るい一等星がぎょしゃ座カペラ(41光年)、ぎょしゃ座の南にはおうし座の一等星アルデバラン(60光年)おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。その北側にはふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。

 そして午前2時ごろには、東の空から穏やかに黄色く輝く星土星が昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。これからの季節は土星も観望の好期になります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 秋の夜空には、たくさんのロマンときれいな星空が広がっています。秋の夜長に、是非星空を眺めてみませんか?。もちろん、今年の秋のおいしい味覚をいっしょに楽しみながら・・・(笑)。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→ドセイを選択

 また、11月18日未明(17日(月)深夜)には、しし座流星群の出現が見られます。2001年の大出現ほどの数は見られませんが、それでも1時間に30〜40個の流れ星を見ることができるかもしれません。今年は輻射点近くに下弦近くの月が残りますが、条件が揃えばたくさんの流れ星を見ることができるでしょう。

 左の画像(クリックすると拡大します)は、11月18日の午前2:00頃の東の空をシミュレーションしたものです。「輻射点」と書かれたところを中心に、流星が四方八方に飛ぶ様子を見ることができるかもしれません。

 流れ星は夜空さえ見えればどこでも見えるはずですが、実際には夜空が明るくて見えない場所もあるかもしれません。そこで、なるべくたくさんの流れ星を見るために、次のポイントに注意して、場所を選んで眺めてみてください。

●大きく空が開けている場所を選ぶ
 流れ星は空のどこに飛ぶか解りません。ですから、なるべくたくさん「空」が見える場所のほうが、よりたくさんの流れ星を見ることができます。例えば山の上とか川の土手の上・ビルやマンションの屋上などが良いでしょう。今回のしし座流星群では、とくに東の空が開けている場所を選ぶと良いでしょう。
●周囲に明るいものが無い
 流れ星は、短いと1秒足らず、長くても数秒ととても早くて、暗いものも多く流れます。まわりが街灯やネオンなどで明るい場所では、星の光を消してしまって、一瞬で消えてしまう流星を見つけることができなくなってしまいます。なるべくまわりに光を出すものが無くて、空の暗い場所を選ぶようにしましょう。そのかわり、懐中電灯を必ず用意することや、ひとりで行動したりしないように注意しましょうね。また、どうしても光りがある場所で見る場合には、直接その光が目に入らないように、木や建物・車などの影に入るようにして見ることも大切です。
●視野に月の光が入らないようにする
 特に夜半過ぎの時間帯は、まだ月が空の高いところにあります。空を見上げるときは月の光が直接目に入らないように、月を背にして見るようにするとよいでしょう。上のシミュレーション図のように東の空を見ると、ちょうど月を背にする形になります。
●なるべく多くの時間空を見上げる
 流れ星はいつ流れるか解りません。ですから、なるべくたくさんの時間空を見ている方が良いことになります。でも、一晩中星空を見上げるのはなかなか大変です。なるべく楽な姿勢で星空を見上げられるように、安全な場所で寝袋などにくるまって見上げるのがいちばん良い方法です。どうしても一晩中星を見ることができないという場合は、11月18日(火)の明け方2:00〜4:00が最も流れ星が多く見られると予想されている時間ですから、なるべくその時間には夜空を見上げるようにしましょう。でも、あえてもう一度書いておきますが、いつ流れ星が流れるかは、ほんとのところはわかりません(笑)から、なるべく多くの時間空を見るようにしましょう。
●天体望遠鏡は必要ない
 望遠鏡の販売店がこういうことを言って良いのかわかりませんが(笑)、流星群を見るのには、天体望遠鏡は必要ありません。いままでも書いてきたとおり、流星はいつどこに現れるか解りませんから、望遠鏡で狭い視野を狙っていても見ることはできないのです。皆さんの目でそのまま夜空を見ていただき、たくさんの流れ星を見つけてください。でも、それだけでは長い夜は飽きてしまうという方は、是非望遠鏡や双眼鏡を使って星空を楽しんでくださいね。宇宙の広さをきっと実感していただけると思います。

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカードでの決済または代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

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