星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 いよいよ秋も深まり、色づいた紅葉が美しい季節になりましたね。日に日に気温も低くなり、冬支度を始める日も間近に迫ってきました。
 冬になると見られる天文現象の一つに、オーロラがあります。右の写真は、昨年10月フィンランド北部のラップランドで見ることができたオーロラです。今年3月のこのページでも冬のフィンランドでのオーロラの写真を掲載しましたが、秋はまだ川や湖が凍っていないため、水面に映るオーロラを見ることができる唯一の時期でもあります。フィンランド語でオーロラのことをRevontuli=キツネの火と言うのですが、その名の通り、未知なる力を秘めた炎のようにも見えますね。



写真を編集した動画(MPEG4) その1 その2

 オーロラは、太陽の活動と密接な関係があります。太陽は約11年周期で活動の強弱があるのですが、一昨年までは太陽活動の極小期で、昨年から新しい活動期に入りはじめたことが、観測により解っています。これからしばらくは、オーロラが比較的見やすい時期に入ることになります。

 そのオーロラが見られるラップランドでは、この時期日の出日の入りが1日に5分も遅く(早く)なり、毎日日中の長さがどんどん短くなります。それは日本でも同じで、ラップランドほどではありませんが、日の出日の入りの時間も1日に1〜2分ずつ遅く(早く)なります。夜が訪れるのが早くなり、それだけ星空が見られる時間が長くなってきます。11月10日の午後9時ごろの星空のようす見ると、南の空に金色にひときわ明るく輝いている星が見えます。この星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 一方、西の空に視線を向けると、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(1500光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、去年9月のこのコーナーで紹介したM57と呼ばれる星雲があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、アルビレオというとてもきれいな二重星や、先月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影
 西の空の夏の星座たちにくらべて、南の空から天頂にかけて見えるのは、少しおとなしめに輝く秋の星座たちです。「馬肥ゆる秋」のごとく、天頂近くに見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。

 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座フォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。

 一方、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。天馬ペガススのちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、先月のこのページで紹介した有名なアンドロメダ大銀河2008年10月のこのページで紹介した散開星団NGC752などがあります。また、このアンドロメダ座の2等星の並びのいちばん先端、ペルセウス座に近いところに輝く2等星アルマクは、2006年10月のこのページでも紹介したとても美しい二重星として知られています。

 そして、アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座がます。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。
 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが2008年11月のこのページで紹介した二重星団もあります。

 さらに夜が更けてくると、深夜0時ごろの空にはすでに冬の星座たちも見えるようになります。冬の星座の代表オリオン座より少し北の空の低いところには、鈍く赤く光る火星も昇ってきます。今月の火星までの距離は、光の早さで約9分で、来年1月の地球との接近に向けて、少しずつ距離を縮めてきています。

 火星をはじめ、宵の空に見えていた木星や、今明けの明星として見えている金星は、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。

Meade LX200-25で撮影した火星

 さらに明け方3時ごろになると、空にはもう春の星座も見えるようになります。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、先ほどの火星からさらに低い空には、黄色く光る明るい星が土星が昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 このページで紹介している星雲星団や土星の輪は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

 もうひとつ、土星より少し高いところにおとなしく光っている白い星は、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(72光年)です。しし座というと、毎年11月17〜18日に見られるしし座流星群で有名ですね。2001年の大出現ほどの数は見られませんが、それでも1時間に30〜40個の流れ星を見ることができるかもしれません。今年は月明に邪魔されること無く、たくさんの流れ星を見ることができそうです。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 右の画像(クリックすると拡大します)は、11月18日の午前2:00頃の東の空をシミュレーションしたものです。「放射点」と書かれたところを中心に、流星が四方八方に飛ぶ様子を見ることができるかもしれません。今年は放射点近くに火星が見えていますから、それを放射点の目安にするとよいでしょう。

 流れ星は夜空さえ見えればどこでも見えるはずですが、実際には夜空が明るくて見えない場所もあるかもしれません。そこで、なるべくたくさんの流れ星を見るために、次のポイントに注意して、場所を選んで眺めてみてください。

●大きく空が開けている場所を選ぶ
 流れ星は空のどこに飛ぶか解りません。ですから、なるべくたくさん「空」が見える場所のほうが、よりたくさんの流れ星を見ることができます。例えば山の上とか川の土手の上・ビルやマンションの屋上などが良いでしょう。今回のしし座流星群では、とくに東の空が開けている場所を選ぶと良いでしょう。
●周囲に明るいものが無い
 流れ星は、短いと1秒足らず、長くても数秒ととても早くて、暗いものも多く流れます。まわりが街灯やネオンなどで明るい場所では、星の光を消してしまって、一瞬で消えてしまう流星を見つけることができなくなってしまいます。なるべくまわりに光を出すものが無くて、空の暗い場所を選ぶようにしましょう。そのかわり、懐中電灯を必ず用意することや、ひとりで行動したりしないように注意しましょうね。また、どうしても光りがある場所で見る場合には、直接その光が目に入らないように、木や建物・車などの影に入るようにして見ることも大切です。
●なるべく多くの時間空を見上げる
 流れ星はいつ流れるか解りません。ですから、なるべくたくさんの時間空を見ている方が良いことになります。でも、一晩中星空を見上げるのはなかなか大変です。なるべく楽な姿勢で星空を見上げられるように、安全な場所で寝袋などにくるまって見上げるのがいちばん良い方法です。どうしても一晩中星を見ることができないという場合は、11月18日(水)の明け方(17日(火)の深夜)2:00〜4:00が最も流れ星が多く見られると予想されている時間ですから、なるべくその時間には夜空を見上げるようにしましょう。でも、あえてもう一度書いておきますが、いつ流れ星が流れるかは、ほんとのところはわかりません(笑)から、なるべく多くの時間空を見るようにしましょう。
●天体望遠鏡は必要ない
 望遠鏡の販売店がこういうことを言って良いのかわかりませんが(笑)、流星群を見るのには、天体望遠鏡は必要ありません。いままでも書いてきたとおり、流星はいつどこに現れるか解りませんから、望遠鏡で狭い視野を狙っていても見ることはできないのです。皆さんの目でそのまま夜空を見ていただき、たくさんの流れ星を見つけてください。でも、それだけでは長い夜は飽きてしまうという方は、是非望遠鏡や双眼鏡を使って星空を楽しんでくださいね。宇宙の広さをきっと実感していただけると思います。
●一人では外出しない
 今年10月のオリオン座流星群では、深夜に流星群を見ていた人を恐喝して金品を脅し取るという事件が発生しています。決してひとりでは外出しないようにしてください。

 さらに時間が過ぎ、明け方5時ごろになると、東の地平線から、キラキラと輝く明るい星が昇ってきます。この星が「明けの明星」の金星です。今月の金星までの距離は、光の早さで約13分で少しずつ地球から遠ざかっています。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。

 金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。内惑星は地球からの見かけ上、太陽に近いところに見えることが多く、夕方と明け方のわずかな時間しか見ることができない非常に見つけにくい惑星です。

 秋の夜空には、たくさんのロマンときれいな星空が広がっています。秋の夜長に、是非星空を眺めてみませんか?。もちろん、今年の秋のおいしい味覚をいっしょに楽しみながら・・・(笑)。



望遠鏡で見た昼間の金星
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