星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
![]() この時期は一年の中でも太陽が最も遅く沈む時期ですが、夕方太陽が沈むころになるとその暑さも落ち着いてきます。夕焼けが終わる午後9時ごろの星空のようすを見ると、天頂から西の空にかけて、おとなしめに輝く春の星座が輝いています。春の星座の方角は、太陽系のある天の川銀河の円盤状になっているちょうど薄くなった方角にあたるため、明るい星が少ないのですが、その中でも、北西の空の中ほどには北斗七星が見えています。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、3月のこのページで紹介したM97とM108や、昨年3月のこのページで紹介したM81とM82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。 |
北斗七星の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座のレグルス(約79光年)があります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座には、4月のこのページで紹介したM65・66があります。 そのレグルスと並ぶように、ほぼ同じくらいの明るさ赤く不気味に輝く星が見えます。この星が火星です。今月の火星までの距離は光の速さで約16分で、1月12日に地球に最接近したあと、ゆっくりと地球から遠ざかっています。 |
![]() セレストロン CPC1100-J撮影した火星 MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
また、北斗七星は北極星をさがす目印にもされますし、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(約37光年)・おとめ座のスピカ(約260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。 その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、先月のこのページで紹介した球状星団M3や、2019年5月のこのページで紹介したM51やM63といった銀河があります。また、その南のかみのけ座やおとめ座には、先月のこのページで紹介したおとめ座超銀河団もあります。 |
一方、南から東の空の高いところには、明るい星が多い夏の星座が見えています。東の空の高いところには、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、昨年7月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、昨年7月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。そのアルビレオのすぐ近くには2022年8月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲や、2023年9月のこのページで紹介した球状星団M71もあります。また、はくちょう座には2021年9月のこのページで紹介したM39があります。 その夏の大三角より少し空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」を横にしたようなの形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中にはM13と呼ばれる球状星団があります。地球から23,500光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、天の川銀河の外側を取り巻くように存在している、いまだに謎の多い天体のひとつです。 |
ヘルクレス座の球状星団M13のシミュレーション画像 20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます 7cmクラスの望遠鏡では、ぼーっとした光のしみのように見えます |
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さらに、南の空にはさそり座のアンタレス(550光年)も見えています。さそり座には、アンタレスのすぐ東にある球状星団M4や、2012年7月のページで紹介したさそりのしっぽの毒針の先あたりにあるM6とM7という2つの散開星団があり、その東にあるいて座にも2014年8月のこのコーナーで紹介したM11やM8など、たくさんの星雲星団があります。 |
![]() 夏の天の川 25mmF1.8レンズ マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 8秒露出 長野県野辺山高原にて撮影 |
さらに夜が更けて夜半前になると、東の空の周りに明るい星がないところに、ぽつんと黄色っぽく輝く星が昇ってきます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 この輪は、土星の直径(約116,000km)に対してわずか20mの厚さしかない円盤のため、地球からの見かけ上真横になったときと太陽に対して真横になったときには、輪が消えたように見える現象が起こります。土星は太陽の周りを約30年かけて公転しているので、その現象は約15年おきに起こるのですが、5月7日に太陽に対して輪が真横になり、この前後数日はほとんど輪が見えない状態になりました。是非、天体望遠鏡で輪の細くなった土星をご自身の目で確かめてみてください。 |
![]() Nexstar Evolution 6-Jで撮影した土星 MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 2024年8月3日撮影 同時に撮影したMP4動画はこちら(7.4MB) |
そして、明け方の2時ごろになると、東の空から明けの明星の金星が昇ってきます。今月の金星までの距離は光の速さで約8分で、3月21日に太陽と地球の間を通過する内合を過ぎ、だんだんと地球から遠ざかっているところです。この時期は日の出の時間も一年の中で最も早いですが、今年の金星はさらに空の高いところに見えるため、こんなに早い時間に東の空から昇ってきます。これから今年いっぱい、明け方の東の空に見られるようになります。 水星と金星は地球より内側をまわっているので内惑星と呼ばれています。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。 |
![]() 天体望遠鏡で見た昼間の金星 Nexstar Evolution 6-J MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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