
星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
| いよいよ今日から師走。この時期、街はクリスマスムードが少しずつただよいはじめ、あちこちでデコレーションされたイルミネーションが艶やかに輝きだしています。そんな街のイルミネーションから、ふと空を見上げてみると、そこにも地上の星たちよりもっと美しい冬の星空が広がっています。 12月は太陽が沈む時間が一年で最も早く、関東地方では16:30前後にに日没になります。太陽が沈んで夕焼けが終わるころ、西の空の中ほどに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。もう季節は冬ですが、この時期でも夏の大三角は空の高いところに見ることができます。こと座の中には、昨年7月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。このアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、8月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲や、2023年9月のこのページで紹介した球状星団M71もあります。はくちょう座を少し北に行ったところには、先月のこのページで紹介した散開星団M39があります。 その夏の大三角が西の空に沈む午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の低いところには、まだはくちょう座のデネブが見えています。 はくちょう座は南天の「みなみじゅうじ座」に対して別名「北十字」とも呼ばれています。キリスト教が信仰されている地域では、クリスマスの夜にこの北十字が地平線に付き刺さって見えることから、この十字をイエスキリストが因われた十字架として見ている国や地域もあります。 |
| 一方、天頂から西の空には少しおとなしめに輝く秋の星座が見えています。明るい星が少ない秋の空ですが、今年は空の中ほどにぽつんと黄色っぽい明るい星が見えています。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 この輪は、土星の直径(約116,000km)に対してわずか20mの厚さしかない円盤のため、地球からの見かけ上真横になったときと太陽に対して真横になったときには、輪が消えたように見える現象が起こります。土星は太陽の周りを約30年かけて公転しているので、その現象は約15年おきに起こるのですが、5月7日に太陽に対して輪が真横になり、この前後数日はほとんど輪が見えない状態になりました。是非、天体望遠鏡で輪の細くなった土星をご自身の目で確かめてみてください。 |
![]() Nexstar Evolution 6-Jで撮影した土星 MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 2024年8月3日撮影 同時に撮影したMP4動画はこちら(7.4MB) |
| 土星から空の高いところに目を移すと、天頂から南の空には秋の星座たちが見えています。「馬肥ゆる秋」のごとく、天頂付近に見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。ベガスス座には、昨年10月のこのページで紹介した球状星団M15があります。 このペガススの四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、土星よりさらに低いところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座のフォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。 このペガスス座とみなみのうお座の間にはみずがめ座があります。街明かりの明るい空では見つけることができませんが、少し空の暗いところに行くと、3〜4等星の星たちが点々と星座を作っているのがわかります。みずがめ座には、10月のこのページで紹介した球状星団M2や惑星状星雲NGC7293があります。またフォーマルハウトの東(左)にあるちょうこくしつ座には、2022年11月のこのページで紹介したNGC253という銀河があります。 一方、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、先月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891・2022年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 |
40倍くらいでみたペルセウス座二重星団の シミュレーション画像 まさに「宝石箱」です |
そのアンドロメダ座の北側には、小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれ、ば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが二重星団です。地球から7600 光年にある2つの星団で、低倍率の望遠鏡や双眼鏡見ると、天の川のたくさんの星の中に見える様子は感動的です。 |
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![]() 一眼レフデジタルカメラで撮影した秋から冬の星雲星団 APS-C一眼レフ+20mm F1.8レンズ→F2.5使用 1分露出 長野県野辺山高原にて撮影 nano tracker使用 |
この付近は天の川の中にあるので、双眼鏡や望遠鏡で見てみると、これ以外にもたくさんの星雲星団を見ることができます。左の写真は、その秋の天の川を撮影したものです。上の方を横に流れているのが天の川で、たくさんの星や星雲星団の中に、暗黒星雲が複雑に入り組んでいる様子も見ることができます。双眼鏡でこの付近を見ると、無数の星たちが輝いている様子を見ることができます。 |
| さて、こんどはアンドロメダ座から東の空に目を向けると、明るい星が多い冬の星座が見えています。木星の左下に赤っぽく輝くのはおうし座のアルデバラン(65光年)です。この付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。 |
![]() おうし座プレアデス星団M45 APS-Cミラーレスデジカメ Sky-Watcher N130PDS鏡筒 直焦点撮影 Sky-Exploroer SE-GT102M架台に同架 15秒露出 経緯台自動追尾 |
さらに、アルデバランやヒアデス星団よりもう少し空の高いところに、都会の明るい空でも肉眼でも数個の星がごちゃごちゃっと集まっているのを見ることができます。これが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。先ほどのヒアデス星団が約150光年と近いのに対し、プレアデス星団は約440光年と約3倍の距離があるので、このように小さくまとまった星団として見えますが、星としてのエネルギーはとても大きく明るいので、肉眼でも見えるほどに明るいのです。 望遠鏡にデジカメを取り付けて撮影すると、左の写真のようにたくさんの星が集まっている様子を見ることができ、さらに空の暗い場所では、青い星雲が取り囲んでいることもわかります。 |
| おうし座の北(右)よりには、ぎょしゃ座のカペラ(42光年)が輝いています。ぎょしゃ座には、1月のこのページで紹介したM36・M37・M38の3つの散開星団があります。さらにその下からは、冬の星座の王者オリオン座も上ってきています。オリオン座には、ベテルギウス(約600光年)とリゲル(約900光年)の2つの一等星・オリオンのベルトにある3つの二等星や、1月のこのページで紹介したオリオン座大星雲M42・M43等があります。 また、ベテルギウスと全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)を結ぶ大きな三角形は、冬の大三角をと呼ばれています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、2月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。 こんどは冬の大三角の北東の空に目を向けると、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)が見えてきています。ふたご座には、2月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 |
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今年はそのふたご座に、今月の宵空で最も目立って金色に輝く星が見えます。この星は木星です。木星までの距離は、光の速さで約40分かかりますが、太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 |
MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
| 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
| ●来年の天文現象をちょっとご紹介● 来年の天文現象から、特に注目したい現象を3つご紹介します。 |
| ★1月7日(水)未明 レグルス食 ※詳しくはこちら しし座の一等星レグルスが月に隠される現象が、1月7日(水)未明と3月2日(月)の宵空で見られます。どちらも全国で良い条件で見ることができます。 |
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| 右写真:2024年12月24日に見られたスピカ食 |
| ★3月3日(火)宵 皆既月食 ※詳しくはこちら 2026年は世界的に見ると2回の月食があり、1回目の3月3日(火)は、全国でとても良い条件の皆既月食が見られます。 |
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| 右写真:2022年11月8日の皆既月食 |
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★6月9日(火)〜10日(水) 金星と木星が見かけ上大接近 6月9日〜10日にかけて、太陽が沈んだ後の西の空で、金星と木星が見かけ上大接近します。すぐ近くには、ふたご座のカストルとポルックスや水星も見えるので、とても賑やかな空になります。 |
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右写真:2020年12月21日の木星と土星の大接近の様子
(クリックするとその時の様子を見ることができます) |
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